科幻情報 Vol.16


深見弾氏、カレル賞受賞

 わが中国SF研究会にとっておなじみの深見弾氏は、このたびWSFから、海外SFの翻訳・紹介者に対して贈られるカレル賞を受賞されました。日本人としては、伊藤典夫・浅倉久志の両氏に続いて三人目のこと。念のため注釈を加えますと、カレルというのはカレル・アンチェルではなくてカレル・チャペックのことであります。


91年WSF大会、その後

 来年のWSF大会が中国四川省の成都市で開催されることは、前々からお伝えしている通り。最近《科学文藝》雑誌社から届いた連絡によれば、日取りは五月二〇日から二四日までの四日間を予定しているとのこと。日本のSF関係者で参加を表明しておられるのは、柴野氏ご夫妻をはじめ『宇宙塵』の山岡謙氏ほか一名といったメンバーが確認されています。中国SF研究会としてはどなたが参加されるでしょうか?(私は仕事の関係で、参加できるかどうか、なお未定です。来年の行事日程が決まらないことには………)。


《資料之四》ファンダムアクセスに

 『SFアドベンチャー』12月号のファンダムアクセス欄に《中国SF資料之四》が取上げられていました。牧眞司氏のところへ『資料』をしつこく送り続けた結果であろうかと思われます。記事を読んで注文して下さった人が若干2名。どうもありがとうございます。


はまなこん009無事開催

 毎回凝った企画で遊びの精神を見せてくれる、東海SFの会の地方イベント『はまなこん』が、今年も例年どおり11月の3・4両日、新居町の民宿「清風荘」で開かれた。ゲストには前記「ファンダムアクセス」の牧眞司氏夫妻と翻訳家の山高昭氏。常連の加藤直之氏は残念ながら欠席。当初参加を予定されていた深見弾氏も、他の日程と重なったため惜しくも欠席、ゲストだけ見れば寂しいイベントになった。その代り、各分科会を独立国に見立ててパスポート・ビザ・滞在機関を設け、通貨まで発行するというややこしい規則と、開会宣言を0時とする「はまなこん時間」の設定という、これまた頭の混乱に大いに寄与する企画が実施された。不法滞在を取締まるタイムパトロールが出没するやら、「フセイン方式」と称してゲストを出国させない部屋が現れるやら、てんやわんやの騒ぎとなったものの、この設定は予想を裏切って10時間も守られた。
 なお、この東海SFの会による会誌『ルナティック』は、この夏のSF大会で惜しくもファンジン大賞を逸したが、凝った誌面作りはなかなかの見もの。15号の特集「SF・邦画対洋画」はまさに抱腹絶倒ものである。『ルナティック』はほぼ毎号にわたってラテンアメリカおよび中国のSFの翻訳が載っており、今回の中国SFは張系国「ある帰還」(帰)を掲載している。
 当然ながら《中国SF資料》のバックナンバーも持込んで売りさばき、『資料』発行による赤字の解消に雀の涙ほどの効果をもたらしたことも、つけ加えておこう。