タイトル 夜桜お染
放映年 2003年
放映話数 全10話
脚本の金子成人が若村麻由美のために書いたという本作。太神楽をふんだんに作品に取り入れ、江戸情緒を醸し出す。松平健がゲスト出演した、珍しい作品でもある

出演:若村麻由美、片岡愛之助、遠藤憲一、内藤剛志、火野正平、山崎銀ノ丞、古谷一行ほか

嶌吉姐さんも奇麗で粋だったけど、お染も粋な女。強くて、奇麗で、しなやかで…好きだな、こういう人

 「夜桜お染」がBSで再放送されている。本放送の当時、若村さん個人の結婚騒動があって、その点でも印象深い。彼女の女優としての今後を案じたが、いまもご活躍のようで何よりである
 さて、本作。金子成人さんが若村さんのために作ったキャラである。彼女もそれに応えるため、太神楽や舞など、演技以外の見どころでも頑張っている。艶やかで、強くて、奇麗。なおかつ、父が隠密で、その敵を討つため同じ職につき、また、生き別れた兄を求める。わたしのツボにはまるお染ちゃんである。また、脇を固める役者さんが渋い。浪人もので滅法強い内藤剛志さん、怪しげな商人の遠藤憲一さん、お染にいろいろ力を貸す盗人に片岡愛之助さん…お染の一座の座長と愛人関係の同心の山崎銀ノ丞さんや、居酒屋のマスターの火野正平さんなど、いい味出しているのである。中でも、片岡さんと遠藤さんがいい。このどちらかがお染の兄ではないのか?という展開が本筋にからんで、話に幅を持たせている。渋いんだ、遠藤さん。怖い顔なのに(笑)現在「慶次郎縁側日記」にもご出演だが、こちらもいい感じの役である
 フジテレビは時代劇枠をなくしてしまったのが不満だが(でも大奥を10時の枠で連続番組として放映してくれるので、時代劇の連続番組の復活もあるかも…)、スペシャルでいい番組を作ってくれている。この「夜桜お染」もぜひスペシャルを作って欲しいなあ。時代劇専門チャンネルの出資会社なんだから、これからも良質の時代劇を作ってね。どこかの局のように、野球の視聴率が悪くてドツボにはまり、2時間ドラマを切って、バラエティばかり放映するような愚かな真似はしないで欲しいなあ。その某局はいち早く時代劇も切ったんだよね(溜め息〜)(2005.10.15)