タイトル 大奥
放映年 2003年
放映話数 全11話
女の園ゆえに生み出される愛憎劇…昔も、今もこれだけは不変。それゆえ、いつの時代でも共感を得るのかもしれない。この枠では久々に高視聴率を獲得。時代劇の新たなファンをつかんだ

出演:菅野美穂、浅野ゆう子、池内千鶴、野際陽子、安達祐実、葛山信吾、北村一輝ほか

皇女和宮を演じた安達祐実ちゃん。泣かせてくれました〜

 久々に時代劇の新作で高視聴率(初回16.7%)だった本作。好評だったゆえ、スペシャル版も制作さるらしい。<水戸黄門>も里見さんが光圀役を演じるようになってから、コンスタントに視聴率をキープ。時代劇ファンとしては嬉しいことである
 本作は、女同士の争いに焦点を当て、あまり普段、時代劇を見ていない人もチャンネルをあわせていたらしい。演じる女性達も若手では演技派の芝居の上手い人を配し、また、男性も個性的な北村一輝さん、日本一丁髷の似合う美男子葛山信吾さんが家定、家茂を演じ、なかなかはまっていた。中でも、安達祐実ちゃん演じる皇女和宮と家茂のエピソードは泣かせた。和宮は帝の妹として初めて将軍家と婚姻し、好きな男とは引き裂かれ、最愛の夫は若くして死んでしまうし、姑、実成院との確執もあり、なんだか不幸なイメージしかなかったが、本作では和宮と家茂は仲睦まじい夫婦として描かれている。お互いの写真を持ち、離れ離れになりながら思い続ける場面など、じーんときた。<大奥>がウケたからか、SMAP×SMAPで<小奥>というパロディを祐実ちゃんと中居君、稲垣君が演じていたが、あの皇女和宮のまんま、ムツゴロウさんの真似までする祐実ちゃんの女優魂に脱帽(笑)上手い女優さんは可笑しいものも上手い…
 本作は9話目に番外編で怪談ものを放映したり(それも岸田今日子さんのゲスト出演つき)、スペシャルでは、その後の主人公達を描いたりと遊び心も抜群。昔の<大奥>モノのように、赤ちゃんを流すために水銀を飲まされたり、嫉妬から殺されたりというハードな描写はなかったが、豪華な衣装共々、それなりに面白く作られていた。今回は幕末だけだったので、吉宗時代や、家光、綱吉あたりの時代で新作を制作していただきたい。いまの女優さんでも、着物姿での立ち居振る舞いは新鮮に見えたから(2003.8.25)