タイトル 江戸の牙
放映年 1979年
放映話数 全26話
閻魔様のお使い@天知茂主演の正義の味方時代劇。白装束には梵字と、背中には「南無妙法蓮華経」の文字が…

共演:若林豪、藤村俊二、坂上二郎、白都真理ほか。三船敏郎御大も彼らのお頭的存在、朝比奈軍兵衛の役で出演している

こういう渋い俳優さんが早く亡くなられたのは本当に惜しいです。永遠の明智探偵

 天知茂さんといえば「土曜ワイド劇場」の看板番組、江戸川乱歩シリーズの明智小五郎探偵役が当たり役である。自慢じゃないが、全作品リアルタイムで拝見していた。明智小五郎=天知茂さんである。それと「非情のライセンス」の会田刑事。ニヒルの代名詞とも言える役だった。主題歌もよく覚えている
 彼はもう一つ、時代劇で十八番がある。「東海道四谷怪談」の民谷伊右衛門役である。映画とテレビ、両方で、だんだんと狂気にはまっていく伊右衛門を好演されている
 本作「江戸の牙」は彼にしては明るいタッチの時代劇である。ノリノリの手拍子・足拍子の音楽をバックに、白装束の<江戸の牙>が悪の根城へ殴り込む。メンバーが渋い。なにせ、おっさんばかりである(笑)保存会まである@若林豪さん、おひょい@藤村俊二さん、コント55号@坂上二郎さん、そして天知さん。この四人が天知さんの啖呵「閻魔様のお使いよぅ…闇に裁いて地獄に送る。江戸の牙参上!」が決まり、ばっと上を脱ぐと、中には白装束が…そして始まる大立ち回り。ばっさばっさと斬り倒す劒精四郎(天知)の二刀流、大熊伝十郎(若林)の重厚な一刀流。間兵助(藤村)はバズーカ片手に突撃していく。金丸半兵衛(坂上)は槍の名手(三匹の侍以来やっぱり仲間に槍の名手がいなくっちゃね)で突きまくる
 いつの世にも巨悪ははびこり、庶民が泣かされる。時代劇のいいところは、そんな巨悪を倒してくれる正義の味方が必ずいる。水戸黄門然り、暴れん坊将軍然り…今のこんな閉塞感ある、正義が見えない世の中にあって、時代劇は心のオアシスである。正しい者が救われる…それが夢物語なのが現実の悲しい世の中である(2002.9.25)