WORKING QUADS
  • "WORKING QUADS" what's new
  • "WORKING QUADS" links
    WORKING QUADS News Letter on March 9, 2000
    WQNL 総経費11万7000円の韓国旅行 by 勝矢光信
    (The intellectual productive activities by Quads)



    Kazuo Seike
    president, "WORKING QUADS"
    "Working Quads" Editoriak Office
    "WORKING QUADS" HomePage produce
    Fukuoka-shi, 810 Japan
    Tel +81-92-735-
    Fax +81-92-735-
    kazuo_seike@msn.com
    seike@ma4.justnet.ne.jp
    http://www4.justnet.ne.jp/~seike/

    WQNL 総経費11万7000円の韓国旅行 by 勝矢光信

    "WORKING QUADS" News Letter
    on March 9, 2000

    清家一雄@WORKING QUADSです。

    勝矢光信さんから、
    「総経費11万7000円の韓国旅行」
    という情報メールをいただきました。

    楽しい内容の文章だと思います。

    読んでいただければ幸いです。

    ==================================================

    WQNL 総経費11万7000円の韓国旅行 by 勝矢光信

    2000年3月2―4日 介助 森田英隆24

    2000年3月7日 16:13



    勝矢 光信
    "WORKING QUADS" HomePage writer
    ミスタードーナツ留学研修2期生

    出発まで:

     座位が保てる間に、どうしてもソウルに行きたかった。森田君に、おそるおそ
    る電話して、「手動車イスで、介助1人だが、それでも良いか?」と聞くと、
    「良い」と言った。2月9日、某会社に、1人43000円であわてて予約した。5回目
    のソウルであったが、一番自由を感じた。総経費117000円

    発展するソウル

     88年ソウルオリンピック以降、経済危機、IMF経済移行などを経ながらも、
    確実な発展をしてきた。

     地下鉄に興味のある私には、障害者設備が気になっていた。今回の収穫は大き
    かった。95年には地下鉄は4号線までで、階段だけの駅は障害者には利用不可能
    であった。道路も横断できないし、歩道も段差があった。従って、電動車イスは
    無理なので、手動であった。今回も、それを恐れて、手動車イスで出かけた。

     ところが、ソウルは、わずか5年で、激しい変わり方をしていた。歩道の段差
    も無くなり、地下鉄のリフト設備も増えたので、電動車イスでも移動が可能にな
    ってきた。地下鉄は8号線まで計画があり、5、8号線は完成し、7号線は途中ま
    で開通していた。6号線は工事中である。5号線が空港まで96年8月12日につなが
    り、障害者設備は完璧。99年12月には2号線(日本の山手線)が長い橋の完成
    で、一周できるようになった。今回、前に韓国大統領が国民に「日本が10年かか
    った経済成長を韓国は3年で達成しなければならない」と呼びかけた目標に向か
    って、実際に行動していた。「ソウルよ、ソウルよ、我が恋人よ」と歌われるよ
    うに、私もソウルの発展ぶりに、驚き、目を見張ってしまう。

     地下鉄は、日本と全く違っていて、主にヨーロッパとアメリカの技術援助を受
    けながら発展したので、韓国地下鉄は、日本の技術と比較すると、おもしろい点
    がたくさんある。線路の幅、車両や駆動モーターなども、「大陸」を感じる。2
    号線の車両などは、ヨーロッパからの払い下げであろう。全ての駅に番号、英
    字、英語のアナウンスがある。路線ごとに色分けされている。運営は日本の地下
    鉄以上に「赤字」であるが、確実に発展している。しかも、2005年までに、
    全線が障害者利用可能になる。2005年、東京とソウルのどちらが乗り易くな
    っているか、競争である。

     今回、地下鉄を利用して、感覚的には申し分ないほどにアクセスが可能になっ
    てきた。電動車イスでも、正確な調査情報をもっていれば、行動可能なソウルに
    なっていた。

    以下、今回の旅行記録:

     3月2日(木)、9:00自宅出発。成田第1ターミナル駐車場(障害者半額)
    に駐車。半額なので、外の私営駐車場よりも安い。

     12:30大韓航空702便で15:10ソウル金浦空港到着。空港から地下
    鉄までは、かなりの距離であった。車イス用リフト(カナダ製ギャラベンダー)
    を1回利用して、地下道に降り、長い道を抜けて、改札にたどり付いた。障害
    者、介助者半額割引だが、とりあえず、60円普通切符を買った。5年前の方法
    と違っていて、日本式に金を先に投入し、次に行き先ボタンを押した。

      改札の外からのエレベーターで「空港駅512」プラットホームに。乗車する
    と、車内では、ケータイの音楽が鳴り響いていた。韓国でもケータイの普及が急
    で、学生たちがどこでも話していた。永登浦区庁駅523で、2号線(車両とプ
    ラットホームの段差が無い)に乗り換え。この2月に完成したリフトとエスカレ
    ーターで問題無く、乗り換えられた。昨年12月から一周できるようになった2
    号線(山手線)新村駅40下車。プラットホームから改札までは通行人の介助を
    受けた。改札の横に車イス出口が有り、脇の手すりにある下向き電動ボタンを押
    すと、ロックが外れて、出入口が開けられた。現代(ヒュンデ)デパートのエス
    カレーターとエレベーターで地上に。大きな6レーン道路をバスやタクシーが走
    りまわっていた。天気は晴れで、とても温かかった。3・1運動記念日の休日開
    け。人々は忙しく歩いていて、活気のある町には、屋台が並んでいた。食堂で、
    「ソルランタン」(牛肉スープ汁)を食べた。食べ方の指導を受けながらの食事
    であった。焼肉屋は、どこも最後に無料のコーヒーがでた。昔はチューインガム
    であったが…。

     タクシーで1駅先(弘大入口駅39)にある「西橋ホテル」(玄関入口4段)
    806号室(普通の部屋で、トイレなどは車イスでは利用できない)に行き、7
    時に就寝。これは、介助者に12時間以上負担をかけないこと、夜は介助者の自
    由時間にすることで、旅行中の疲れを生じないためである。入浴もしないし、夜
    中の寝返りも2回に止めることで、介助者の疲れを極力少なくした。また、昼間
    も2時間に1回は「ヤニタイム」という喫煙休憩時間を守った。買い物に出かけた
    彼は「弘益大学(日本の慶応大学?)の入学式で、道を行く花束を持った女子大
    生が、皆美人なので、驚いた」と。同感。私は、夜中はずっとテレビを見てい
    た。

    3月3日(金)

     東大門駅21のリフトは、見つけ易かった。どこでも地下鉄入り口には、どこ
    からでも目に付く、太い長方形の茶色の柱が立っており、その根元に「車イスマ
    ーク」があれば、そこから入れる。遠くからでも、目に付くので安心であった。

     リフトが動くと、日本のリフトと同じ曲がながれ、日本にいる錯覚におちいっ
    た。周囲を見ると、ここは韓国、人々は忙しそうで、ゆっくりと立ち止まって眺
    める余裕などないようであった。金曜日の退勤時間であったが、ごく自然に、通
    り過ぎて行った。自分でリフトを組み立て、自分で操作して下り、自分で畳ん
    だ。カギを操作し、ずうっとスイッチボタンを押し続けることは、私には厳しい
    リハビリ訓練であった。駅員が、自分でやれと言う。ソウル中の全てのリフトを
    操作できるカギを、車イス障害者にはあげてしまう。私は「外人だからいらな
    い」と言うと、「いいから、もっていきなさい」と言う。障害者の世話をしてい
    るほど、駅員はヒマではないようであった。リフトのスピードは、日本と同じで
    ちんたらちんたらしているので、ソウル時間のスピードにそぐわなかった。カギ
    を障害者に配っているのには驚きであった。切符も不要であった。切符を買うこ
    と自体、時間的なロスで、購入不用と駅員自体が言うのだから、驚き!!ケンチ ャナ文化(何でも良い)を感じた。

     韓国はすべてがおおざっぱであり、障害者割引もめんどうとされるほどであっ
    た。地下鉄も博物館も全て無料であった。しかも、日本では絶対に障害者に触ら
    せない車イス用リフトスイッチを、自分で操作するように、教育された。これは
    障害者の自立には良い。カギをもらい、リフト設置駅名地図を入手できたので、
    今後、いつでもソウルに行く事ができる。

     どこも駅には、カナダ製車イス用リフトかエレベーターの2種類しかなかっ
    た。ギャラベンダーオンパレード。日本のリフトよりシンプルであった。今回
    は、どこも新しいためか、故障はなかった。ただ、疑問に思ったのは、市内に1
    台も車イスを見ないので、地下鉄設備が先行して、このまま宝の持ち腐れになり
    かねないかということ。歩道の段差は解消されていたが、車イスの障害者をソウ
    ルでは最後まで見つけられなかった。大きな交差点は、まだまだ地下道でしか渡 れなかった。

     机の上に光っている、ソウルの地下鉄リフト用カギが、最高のおみやげであ
    る。今度、このカギで日本のリフトも動くか、やってみようと思う。

    平成12年3月5日日曜日記録

    追伸:
    あいカギをほしい方は、申し込んでください。実費と送料で譲ります。



    ご意見、ご感想、ご助言をお聞かせいただければ幸いです。

    2000年3月9日、福岡にて

    kazuo seike@working quads
    on March 9, 2000


    "WORKING QUADS" HomePage
    e-mail to the "WORKING QUADS" HomePage

    Kazuo Seike, president "WORKING QUADS"
  •