中世資料館
─中世の食物─


中世の食物について、資料から抜粋してみます。
いろいろな時代、国について随時追加していきますね。
画家ポントルモの日記より(1555年頃、イタリアの食事)
ポントルモ:1494年生まれの画家。本名はヤコポ・カッルッチ。
フィレンツェで活躍した。出生地ポントルモ村よりこの通称となっている
食べ物 解説
主  食
パン 通常は普通のパンで、時々少し手を加えたラメリーノ(以下に説明)を食べた。
ラメリーノのパン ラメリーノ(ローズマリー)で香りをつけ、乾し葡萄で甘みを加えたパン。
肉・卵・魚介類
鶏、山鴫(やましぎ)、七面鳥、茹でた小鳩、茹でた鶫(つぐみ)
子牛 頻出。料理法は具体的に書かれていない
乾肉 茹でたりローストしたりする。種類は不明
卵の魚 魚のような形に巻いたオムレツ、砂糖をつけることもある
目玉焼き 卵の料理は目玉焼きより「卵の魚」のほうが頻出
子山羊の頭 フライにするらしい、たびたび出てくる
子羊 腎臓(「美味い」らしい)、レバー(フライなど)、心臓
卵のフリッテッラ フリッテッラは小麦粉と卵などを混ぜて油で揚げたもの
野兎
背肉、腰肉、レバー、頬肉、舌
魚の料理 フライ、マリネ
ティンカ 沼などに棲むコイ科の淡水魚
野 菜 類
ケッパーのサラダ ケッパーは花の蕾で、塩漬けや酢漬けにする。
ケッパーそのものをサラダとして食べたのか、
他の野菜にアクセントとして添えていたのかは不明
砂糖大根のサラダ 砂糖大根は別名ビート、てん菜
瑠璃ちしゃのサラダ 瑠璃ちしゃの花のサラダというのもある
チコリ ここでは「茹でて食べた」とある
菊ちしゃのサラダ ちしゃ、はリーフレタスのこと
キャベツ 1回の夕食で丸ごと1個食べることも
カボチャ 茹でたり、フライにする
その他の野菜 ほうれん草、アスパラガス、アーティチョーク
スープなど
去勢羊のミネストラ ミネストラ…パスタや米の入った野菜スープ
グリンピースのミネストラ
デザートなど
ズィビッボ マスカット種の食用葡萄。乾し葡萄にすることも。
レモン サラダと一緒に食べるようです
タルト 牛乳のタルト、赤梨のタルトなど
木の実類 胡桃、アーモンド
乾した果物 イチジク、葡萄など
焼きリンゴ インティンゴロというソース(肉などの料理中にできる)に漬けることもある
チーズ
リコッタ チーズを搾った後の凝乳から作られる柔らかい乳製品
その他果物 すもも、桃、梨、メロン
ベルリンゴッツォ 小麦粉と卵で作る外側の硬い輪型ビスケット。
ワ イ ン
グレコ・ワイン グレコ種の葡萄から作られる白ワイン
ラッダのワイン キアンティ地方(フィレンツェとシェナの間の丘陵地帯)の赤ワイン
トレッビアーノ・ワイン トレッビアーノ種の葡萄から作られる辛口の白ワイン
カレンザーノのワイン カレンザーノはフィレンツェの西約10キロにある村