サイクルタイム短縮改善
1.サイクルタイム短縮の狙い
自動化された加工組立ラインでは当然設備のサイクルタイムがネックとなり生産量が限定されている。設備の計画段階でのサイクルタイムが何らかの理由で延びているサイクルタイム短縮と、計画どうりのサイクルタイムを要求生産量の増加時には残業休出を行わずに生産するためにサイクル短縮する狙いがある。
いずれにしてもサイクルタイムの短縮は時間当り出来高アップの生産性向上以外に、自主保全、計画保全の活動時間が弾力的に取れるようになる。
2.サイクルタイム短縮改善の視点
@加工・動作の距離を短縮する
A加工・動作の速度を早くする
B加工・動作の繰り返し回数を少なくする
C加工・動作の一時停止時間を無くす
D同時加工動作にする
E加工・動作の時間バラツキを無くす
F不要な加工・動作を無くす
特に油圧アクチエーターの動作では、設備の運転開始時には動作速度が遅い、これは作動油の温度が低いために流量が低下しているからである。視点Eは朝昼とサイクルタイム測定してみると分る。
3.サイクルタイム短縮の改善ステップ
ステップ | 活動名称 | 活動内容 |
1ステップ | 活動計画作成 目標値設定 |
・サイクルタイム短縮改善計画を作成する。活動メンバー、活動日程、目標値の設定 ・目標値は理論サイクルタイム(計画時)または要求生産に必要なサイクルタイムとする。 |
2ステップ | 現状把握 短縮アイテムの発掘 |
・マシンサイクルをビデオ撮影して、ビデオカウンターから各動作の詳細な時間を計測する ・これをサイクル線図(ここをクリック−−まだ未入力)に記録する。 ・サイクル線図表から各動作単位で短縮の視点に添って改善アイテムを発掘する。 |
3ステップ | 改善の実施 結果の確認 |
・改善の実施はドライサイクル(加工していない動作)をまず改善する。 ・次に加工サイクルの時間を短縮する、但しここで注意することは加工品質の確認をしながらトライアルすること、工程能力の確認をする。 ・搬送動作ではチョコ停が発生しないか確認する。 ・機械加工では切削工具の命数の調査が伴う。 ・改善後のサイクルタイムを再度ビデオ撮影してサイクル線図に記入する。 |
4ステップ | 新加工条件の 標準化 変更点管理手続き |
・改善後の加工条件を管理工程図、標準作業書の改定と客先への「変更点管理」の手続きを行い、承認を得る。 |
5ステップ | 維持管理 MP情報の発行 |
・点検基準書を改定し加工条件の維持管理する。 ・MP情報を発行する。 |
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