個別改善編その一

ロス構造の把握
[見えないロスを見えるようにせよ ]
 自主保全活動と平行して個別改善を展開するが、その前に個別改善する対象のロスをきっちり現状把握する必要がある。設備総合効率を測定する仕組みを展開し、各ラインごとの設備総合効率の阻害ロスを明確にする。さらに手作業工程では後記する作業総合効率の阻害ロスを、さらに直接材料や間接材料(原単位ロス)のロスなどを把握する。
 すなわち「見えないロスを見えるようにすること」である。見えるロスは個別改善のテーマになるが、見えないロスは改善テーマにのらないからである。きっちりロスを現状把握する事はこの見える水面を下げる事である。
見えないロスの放置はマネージメントの問題と言って過言ではない。
[ロス構造と工場財務値の関係を明確にせよ ]
 工場の財務値とロス項目との関係を明確にしておく必要がある。 
例えば設備総合効率の阻害ロスのチョコ停ロス改善は当然生産性向上であるが、財務値で見ると直接労務費であり、さらにエネルギー費にも関わる。また工程不良の改善は単に直接材料費だけでなく、生産性としての直接労務費とエネルギー費、不良品処置に関わる諸経費などに関わる。
 工場の中期計画では、3年間のTPM活動でこの工場財務値の構成をどのようにするか工場粗利益を何%にするのか目標を設定して、この目標財務値に沿ってロス改善アイテムを積み上げ個別改善活動を実施する事になる。

次へ