六甲全山縦走練習会の様子
今年もまた六甲縦走の季節がやってきました。
毎年そうなんですが、この縦走するに当たって何回か練習会を行います。これは、一口に縦走と云っても56キロの長丁場の縦走なので、日頃自分の歩くペースと全体のペース配分を考えないと無謀な縦走と化してしまうからです。ましてや、初参加の方にとって大変重要な事で、、大体オーバーペースで足の痙攣を起こすか膝を悪くする事が多々あります。これでは折角の意気込みも無駄になり、今後の山登りの楽しみを奪われる事になれば、悔やみきれない縦走になってしまっては元も子もありません。
早朝5時スタートの約2000名の参加者が、一斉に小走りに進む群集に巻き込まれると、もう自分のペースも何もあったもんではありません。そして、最難関と云われる摩耶山の登りで足の痙攣、その他色々なトラブルに陥り、過去何人もの人がひっくり返っている様子を目撃してきました。我が囲炉裏では、その対策としてこうした練習会を持つ事で、今まで大きなトラブルに見まわれた事は一度もありません。
飽くまで練習ですから、少々厳しい面もありますが、それをクリアーすれば必ずや楽しい縦走を達成する事間違いありません。(^^)/
因みに、今年の日程は下記の通り実施します。参考までに、その第1回目の様子を掲載させて頂きました。

1)9月9日(日):市が原〜一軒茶屋〜有馬温泉に下る。約20k   
        集合場所:新神戸駅 8時30分
2)9月30日(日)地下鉄妙法寺駅〜丁字が辻まで。 約23k  約7時間20分
        集合場所:地下鉄妙法寺駅 8時30分
3)10月14日(日):須磨浦〜市が原  約25+1k 約25k 大会ペースで約6時間30分
          集合場所:須磨浦公園駅8時30分
4)10月28日(日):鵯越駅〜宝塚   約40k   約9時間30分
         集合場所:鵯越駅(神戸電鉄)8時30分
         *この時は、必ずヘッドランプは必携です。

第1回目(9月9日)
AM8時30分、新神戸駅に集まった参加者はビジターも含め全員で15名であった。
気温は28度位で少し蒸し暑い。本日の行程と初めて顔を合わす人もいたので簡単な自己紹介の後、8時40分、市ヶ原までゆっくりペースで歩き始める。当初、宝塚か有馬のどちらかを選択する予定だったが、どうも暑そうだし少し緩めの距離に一同意見一致(^ ^ゞ

摩耶山を登り始める皆さん
未だこの時点で皆に余裕はあった。ワイワイガヤガヤ話をしながら布引の滝など見ながら市ヶ原まで進む。ここで再度休憩その他トイレをして準備を整える。時間は9時30分、さあ〜これからが練習会の始まりだ。一応標準タイムで歩けば約2時間弱で摩耶山頂の掬星台まで行ける。ここの登りは長く、各人の個人差があるので飽くまでマイペースで登った後、山頂で先に食事をして後続を待つようにと先頭グループに指示を出す。しかし、やはり若い人は速い。あっと云う間にその差がドンドン離れてしまう。後で聞いた話だと、一気呵成に登りきった中に、どんかっちょ!さんの還暦を迎えた方もあったから凄い(@_@)。1時間10分で。或いは負けじとついていくが、ついつい自己ペースを忘れ途中で疲れ果て休憩する人もあった。そこで自己反省も含め「やはりマイペースで歩く重要性を感じたな〜」と・・・・(^^) これも経験だ。皆個人差がある。早く歩く人もおれば、ゆっくり休まず登る人もある。今日のように全体で20キロという短い距離だと、何処にそのペースを合わすのかが難しい。特に初参加者にとって。
それだけに練習会で自分のペースが他の人と比べどの程度なのかを感じて貰うのも練習の一つと私は思っている。本番になれば、ついつい周りに影響され、自分のペース以上の歩きになる場合が多いからだ。

予断だが、囲炉裏では、毎年練習会を設けて何度もそんな不安を克服してきた。その役割を伊能さんという16回の縦走経験保持者が一人で担ってきてくれた。しかし、いつまでも彼に負担をかける訳にはいかない。だから今回から役割分担をする事にした。1回目は私が行い、後2〜3回目の練習会を別の経験豊富な方とチェンジ。そして最後の練習会に伊能隊長が仕上げすると云うふうに(^^)

掬星台にて食事(画像クリックで拡大)
私が掬星台に着いたのが1時間20分であった。以外と早いな〜?それはその筈、本番の時はもう少し遅れる。ここまで来るのに菊水山、鍋蓋山を越えた後、この摩耶で最難関の登りになるから、寧ろ喘ぎながら登っているだろうな〜。
今日は暑くて暑くて、水分補給に1リッターの飲料水を既に飲み干してしまった。山頂では、ボランティアの人達によるホットレモンが本番では飲めるが、今日は自動販売機で再度500mlを補給。
最後尾の人が登りきるまで少し時間余裕があるので、食事タイムの大休止である。
皆さん、結構食事に工夫されていた。水分と栄養バランスを考えた梨を持参の方や、バナナなどの栄養価の高いものなど。私は、疲れた時に食べる大福餅が大好きだ。日頃は食べないが、縦走の時は別だ。行動食にも便利だ。

凌雲台にて一休み
この掬星台で45分の大休止を取った後、11時35分に次の休憩ポイント凌雲台まで進む。山頂ドライブウェーの平坦な道なので全員揃って歩けると思ったが、やはりここでも個人差が出る。これは致し方ない面もある。実は私もこの平坦な道は遅いのである。今まで何回も途中で走るように歩いた経験を持つ。今でもそうだ!足の回転が遅いのか胴長短足の特長である歩幅が短いからかな〜?(^ ^ゞ ポリポリ 途中、パラパラと小雨も降ったが濡れる程でもなく、寧ろ気温が下がり気持ち良かった。

参加の皆さん(画像クリックで拡大)
凌雲台で再度後続組と合流し、記念撮影など撮る。風が少々きつかった。
ここで、本日ビジターの二名が、ロープウエーで有馬まで降りる事に申し出される。
「それじゃ〜、今から一軒茶屋まで○○分で行けるから、後は有馬まで我々の足で30〜40分位なので、本温泉で落ち合いましょう」と少し短い目の時間を言ってしまった。(^ ^ゞ ポリポリ
この一軒茶屋まで○○分が大きな間違いでもあるが、その後の二人にとって逆に大きな励みになったかも?(^_-)

歩きながら、一軒茶屋まで○○分が勘違いと気付くが、知ってる者には「まさか〜?そんなに早く歩けないよ」と思っていたが、まあ〜歩く事には間違いないから、訂正もしなかったらしい(^ ^ゞ ポリポリ
先頭グループに遅れじと結構早足で歩いた結果一軒茶屋まで35分でつく。ここで再度5分の小休止。
さあ〜、後は有馬までなだらかな下りのみ。
風呂上り、「一休」にて打上げ(拡大あり)
先程のロープウエー組との待ち合せ時間より少し遅れ気味になった(時間の読み違いで)ので、少しピッチを上げなくては行けない。ここで私が先頭を歩く事にした。下りは我ながら結構速いと思う。決して走った訳でもないが、速い速いと後ろでブーブー云ってたらしい。先頭が普通のペースでもその列が長くなればなるほど開くから、最後尾の人は常に走るような感じとなってしまう。それでも、若い人はピターッ!と私の後ろをついてくる。そして、何とショートカット道をすり抜け、私の前を早々と抜き去ってしまった。(^ ^ゞ   結構頼もしいな〜(^^) それも二人が。
余りの速さに、皆筋肉痛も感じないほど必死に歩いたと云う(^ ^ゞ ポリポリ  何と30分で有馬に下ってしまった。PM3時丁度。
この下山途中ロープウエー組から携帯電話が入る。風が強くて運行中止になったので、同じコースを歩いて下ると・・。

「HP見たよ〜!」を云えば、サービス有り
私達は、当初本日の予定時間より約1時間近く早く終わったので、本温泉でゆっくり汗を流し、お好み屋の「一休」にてビールで簡単な打上げ会を行う。しかし、ロープウエー組ともさして大きな時間の開きはなかった。
と言うのが、「あの○○分で」が大きな後ろ押しになったらしい。運行中止と聞いたとたん、ガックリきたのは勿論だが、タクシーもいつ来るか解らない。後は自分の足で下りるしか方法なし。確か一軒茶屋まで○○分しかかからないと云ってたから、すぐや〜、だけど行けども行けども着かない。歩いている人に聞いてみた。「一軒茶屋までどれくらいですか〜?」「ああ〜すぐそこですよ!」   皆同じように答える。だから、疲れているけど、もう少しもう少しと足が早足になり、すぐ着いてしまったとさ。(^^)
そんなこんなでビールを飲みながら話が盛上がり、やがてバスの時間がきたのでお開きにとなった。
阪急芦屋川まで、バスの中でウトウトしてしまった(^^)

皆さん、今日はどうもお疲れ様でした。m(__)m
何もスピードアップするのが目的ではないが、夫々自分のペースを掴んで貰うと言う大きな目的もありました。
でも、初参加者に方にとって、些か早さにビックリしたのではないかと、反省もしています。もう少し工夫するか、又は遅い人にペースを合わせた歩き方をすれば良いのでしょうけれど、中々そういう訳にもいきません。
あくまで練習会なので、速さや休憩タイム、その他食事の中身など他の人を見て今後の参考にしてもらえれば、それなりに大きな収穫かと思っています。日頃、仲間内のハイキングのつもりで歩いていたら、決して練習にはなりませんので。
それだけに、少々辛い面もあるかと思いますが、これを生かして欲しいと思います。結果的に後でずいぶん楽になりますから。
偉そうな事いう訳でもないですが、かくいう私も何度もこの方法で経験し、今尚こうして縦走続けられるのも、この練習と縦走体験の自信が心の大きな支えであるからだと思っています。


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