鉄山(てっせん)から弥山(みせん)へ、GPSをナビに
鉄山から弥山へ、それは前から登ってみたいコースの一つであった。しかし結構迷いやすいと過去のログを読んで知っている。
そんなコースに単独では自信もないし、仲間内で誰か行く人ないかとチャンスを待っていた。
また、前から欲しい欲しいと思っていたGARMIN社のGPSをゲットし、近場の山で2回程練習を重ね、ハイテクの威力を充分発揮できるように備えもしていた。おりしもその山行チャンスが意外にも早く巡って来た\(^O^)/
よし!今こそ実践の時だ!しかも、オオヤマレンゲの一番見頃の時でもある。ワクワクしながらその日が来た!
雨に咲くオオヤマレンゲ(天女花)の白い妖精 GARMIN社のGPS(サミット)
携帯電話と同等の大きさ

場 所】 奈良大峰山系
【日 時】 
2003年7月13日
【メンバー】
円の亡者、のんぶ〜、どんかっちょ!
ピッケル君、森の音(敬称略)
【天 候】 
曇り後雨 ←周辺地図
コース】大川口8:20〜鉄山10:39〜修覆山12:25
〜弥山神社〜弥山小屋13:15〜
八経ケ岳への途中までピストン〜弁天の森〜
トンネル西口16:10

展望図。画像クリックで拡大します。


のっけから急登が続く
当日はスタートを早め(7時)にしようとなっていたので、私とどんかっちょ!さんは前夜泊の予定で現地待ち合わせの場所に23時過ぎに到着。処が何と全員が集まっており、DOPPOさんも含めて宴会モードであった(^ ^ゞ
深夜1時まで飲み、挙句の果て出発が8時を大幅に過ぎていた(^ ^ゞ ポリポリ      でもまあ〜2台の車を大川口とトンネル西口に分けてデポした関係もあるが・・・・・。
その日は曇りで雨も予想されていた。しかし、私にはその方が良かったのだ。雨降るオオヤマレンゲも素晴らしいし、例えガスが掛かってもGPSの威力が試される。すべて順調な滑りだしであった(^ ^ゞ

登り口は、大川口の橋を渡った処に付いていた。尾根沿いに登るのだが、急登につぐ急登。一気に登りたいのだが、前日のアルコールが残っているのか、中々思うように足がでない。カシミールで事前にコース取りしていたGPSナビが進む方向を確実に示し、順調に軌跡を残していく。振返れば稲村岳と山上ヶ岳に伸びる神童子谷の山間部が高度感が増してくる。生憎ガスが掛かり山頂まで望めず。
鉄山(1563m)ピークにて
たっぷり自然が残されたコースだけに、至るところに大きな木の株が露出していた。四足で登る急登が続く。
当初、円さんがこのコースは登った事あると思っていたが初めてとの事。すると全員初コースになる。しかし、事前に全員地図とコンパス必携となっていたので夫々持参はしていたが、やはりGPSの威力には叶わない。どんかっちょ!さんもGPS持参。
進む方向を確実に示し、ポイントごとに後何メートルと読めると安心して登れる。例えコースが外れても画面上のナビが現在位置を表示するから、これほど心強いハイテクはない。緯度経度のみならず標高、気圧など山に必要なもの全て読み取れる。
こうして、途中途中で地図を見ながら現在位置が分ると、さして疲れも感じない。ガスが微かに湧いてきても、逆に面白いという余裕すら出来、苔むした大自然の魅力に浸りながら迷わず山登りが出来た。

10時39分(約1時間20分)、1563mの鉄山に到着。僅かばかりの狭いピークで、小さな山名標識と草鞋がぶら下がっていた。
古来よりここは、白子谷や鉄山ルンゼから登る沢屋さんが多い証でもあるのでしょうね。それもその筈、この付近はテープも多く、間違って進めばとんでもない急斜面と沢に突入してしまう。後で聞いた話しだが、昨年もハイカーが遭難した場所でもあるらしい。
振返ると手前鉄山と後方稲村岳や山上ヶ岳 一面シダに覆われ苔むした道を歩く

特にガスが掛かりやすい地形だけに、雨の日は要注意とか。実は、我々でも一瞬の間違いを犯しそうになっていた。これより先頭歩き始めた二人は右に下り、後に続く3人は左に。ガスで前の山が見えない。どちらもテープがある。GPSは左を指す。「違う、違う!」と最後尾の私は先頭二人に声をかけた。「いや、こちらにテープがある」「それは、沢に下るテープかも?」最後尾の私は、円さんの進んだ左側が正解と確信していたが、ひょっとして下で合流するのかも知れないと思い、暫く様子を見ていた。
でも、全然離れていく気配に右に下った二人を呼び戻す。後で聞くと、やはりドンドン下っていったとか。多分白子谷から登ってくる沢屋さんのテープと思われる。呼び戻されたのんぶ〜ちゃんが途中で我々に合流するため急斜面をトラバースした時、枝を持って体重をかけた瞬間枝がポキン!ドシンとばかり落ち下の木に腰をぶつける。その時の様子は二人しか知る由もなかった。我々3人は待っている間、何やら騒がしい音が聞こえた程度であった。後で本人達から「もし木が下になかったら・・・・・」とピッケル君の証言を聞くと、少々の痛みを伴ったが何よりも無事であったのが一番の救いであった。(゚.゚)ホッ

大峰の主峰が一同に並ぶ展望
これより、修覆山までの手前まで、大自然が織り成す楽園のような道を歩いたり、振返えれば大日、稲村から山上ケ岳、大普賢、行者還りの峰々がガスの間から顔を出したり隠れたり。そしてまたシャクナゲの木々の間を掻き分け掻き分けながら進む。
さぞかし、シャクナゲ咲く季節を歩けば綺麗だろうな〜。
途中から雨も土砂降りになり、雨具を装着。ガスも広がってきた。まもなく修復山のポイントが近いとナビが示していた。
その時、円さんが「この辺が修覆山かな〜?」と聞いてきた。流石地元で大峰に精通している。動物的な勘?にビックリ。
間違いなくGPSのポイントと合致。でも何の変哲のない小高い場所だけに知らないで通過する事が多いと思う。
それより、修覆山ピークの1846m付近から弥山までやや平坦だが多くの倒木に苛まれて迷路のようになっていた。ガスで覆われると方向を見失いがちで、ここもまた遭難騒ぎが多いらしい。我々の仲間でベテランの沢屋さんでさえ迷い込んで、ビバーク覚悟で弥山小屋まで辿り付いた事が過去にもあった。これらの難所もGPSナビで難なく通過できた事は大変な威力発揮で、これからはこのGPSなくして山に行けないな〜と改めて実感する。途中、立木に「修覆山??」と書かれた赤テープが残されており、ややこしさを物語る証であろう。
確かに地図とコンパスでも判り辛い地形である。因みにその場所は修覆山でなく、単に1880mの広い平坦地である。GPSは確実に捕えていた。その場所から二手に分かれた赤テープもあるが、左側を選択すれば弥山小屋へ。右へ行けば弥山神社山頂へ。今回、我々は弥山神社から小屋へのルートを取る。さして大きな時間差はないと思う。
弥山小屋に着いたのが、13:15分であった。
弥山神社 弥山小屋

この後、雨降りの中、弥山小屋の近くで遅めの昼飯を食べたが、弥山小屋は宿泊者優先の為か、軒下一つ解放していないのは残念である。もう少し宿泊者以外のサービスに工夫がなされても良いのではないだろうか?
雨の雫を含んだ弁当味で一息ついて、食後の楽しみは、雨が似合う天女の花、オオヤマレンゲを鑑賞する事だ。
大きなバケイソウの花の横を通り過ぎる
八経ケ岳への途中に自生する場所までピストン。勿論、ここは自然保護地域で、鹿の食害を防ぐ為に金網で覆われている。
特にオオヤマレンゲ咲く季節の弥山は初めてだったので、写真と実物とでは、かなり印象が違っていた。
やはり実物のオオヤマレンゲは、雨が非常に似合う清楚な花という印象が深かった。実物に限る!

暫く花を鑑賞した後また弥山小屋に戻る。14:20に出発。一気にトンネル西口まで下る。一気と云っても2時間弱、途中腰を落として休む場所もないだけに、ただひたすら歩き続けた。この間GPSは一度も見る事なく自動的に軌跡を残すだけ。
中間の弁天の森で立ったまま一休み。トンネル西口分岐に辿り付いた時、やっとひと安堵。
そこから急な下りに差しかかると、膝に違和感と痛みを感じてきた。少し運動不足が祟ったのかな〜。
でも、トンネル西口に着くとすっかり膝の痛みも忘れていた(^ ^ゞ ポリポリ
今日の山行時間約8時間。雨が降ったけれど、私なりに楽しくワクワクしながらの1日でした。
同行して頂いた皆さん、どうも有難う御座いましたm(__)m

この後、天川温泉で汗を流し、帰宅の途に着いたのでした。


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