月の誕生石

                                民話より 
『昔、ひとかかえ程の丸味のあるとても綺麗な石でした。次第に大きくなり人肌のような温もりを残し、夕焼け空を染め上げたように輝いていました。又不思議お腹の辺りに白い帯びのようなものが浮き出てきました。尚不思議お腹が突き出てとても苦しそうに見えました。「お母さんの腹帯そっくりだ」「石が赤ちゃん生むんだ!」子供達は赤ちゃん誕生を心待ちして居りました。
そんなある晩のこと山の方に赤ちゃんの泣く声を聞いたような気がして「あ!石の赤ちゃんが産まれたんだ!」
子供達は外へ飛び出しますと香具山の頂きから真ん丸いお月様が顔を出しました。翌日山へ見に行くと石がしょんぼりと横たわり胸の辺りに赤ちゃんの足跡が影の様に残って居りました』            柏原市 辻本達書     より転載
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