北アルプス(蝶ヶ岳〜常念岳)ピストン

前々から一度登ってみたいと思っていた山、それは蝶ヶ岳と常念岳であった。
昨年は前穂から奥穂縦走したおり、目の前にどっしりと構えていた山。何処となく優美な姿で穂高連峰とは対照的な山。
折しも囲炉裏10周年記念オフを徳沢で行うという。以外と早く訪れたチャンス到来。この機を逃してなるものか。
当初の計画は、初日早朝徳沢の囲炉裏ベースキャンプに顔を出し、その足で常念小屋まで強行して、小屋泊まりかツエルトで露営する。翌日蝶ヶ岳まで縦走して長塀尾根を下る。そしてオフ会に仲間入りして皆と一緒に宴会をする。このような計画であった。が・・・・・?
【山  域】 槍・穂高 クリックで周辺地図
【日  時】 2002年8月14日夜発15日〜16日〜17日
【メンバー】 徳沢で囲炉裏のベースキャンプ。縦走は単独
【コ ー ス】 ◆14日夜自宅=名神=東海北陸道=平湯
◆15日(バス乗換)上高地〜徳沢〜横尾〜蝶ヶ岳ヒュッテ小屋泊まり。
◆16日、蝶槍〜常念岳をピストン〜長塀山〜徳沢BC泊まり。
◆17日 平湯温泉で入浴後帰途に着く。
【天  気】 15日雨、16日晴れ
、17日晴れ

画像クリックで穂高連峰全体写真を掲載

8月15日
徳沢での囲炉裏BC
13日からのお盆休みを利用し、早めの墓参りも終え、14日の深夜車を飛ばすが帰省の渋滞に巻き込まれる。途中休み休みで平湯の「あかんだ駐車場」に着いたのが5時過ぎ。少し仮眠を摂ったが7時過ぎまで寝てしまった。慌ててザックを背負い上高地直行のシャトルバスに乗込む。8時には上高地に着いたが、少し身支度を済ませ、2時間で徳沢のベースキャンプに到着。テントはすぐ見つかったが誰もいず。多分徳沢園でコーヒーを飲んでいるのだろうと店の中を覗いてみると、やはり居た。SUMIEさんとベリさんのお二人のテントキーパーが。誠にご苦労様な事である。このオフ会の為、8月早々からSUMIEさんがテントキーパーで滞在して頂き、後半をベリさんにバトンタッチ。丁度私が訪れたのがその引継ぎの日であった。10周年という大きな節目を盛り上げる為にお二人の献身的な奉仕精神がなければ成り立たないこの企画。私が訪れるまで沢山の囲炉裏マンが北アルプスを楽しみ、そしてここに顔を出していた。私で何人目だろうか。ここで長話をしてしまい、早や常念に登る時間を大幅に使ってしまっていた〜(^ ^ゞ ポリポリ
横尾山荘から後方の山を登って行く
慌てて11時過ぎ出発。そして徳沢と横尾の間でタケさんとも遭遇。何と彼は奥穂、北穂を目指していたが、昨夜の激しい風雨に意気消沈し涸沢でテン泊後、敗退下山したとの事。少し立ち話をした後横尾に到着。この時点で雨も本格的に降ってきたようなので雨具に身を包む。

さて横尾を少し歩いたところに指導標があった。右蝶ヶ岳と表示されている上に「一ノ俣からの常念ヶ岳は全面通行止め」と書かれていた。今日は出来れば常念までいければ最短コースかなと思っていたが、地図にもコース荒廃による通行不能とも書かれている。無理は禁物、無難なコースを歩こう。横尾から1000mの直登だ。コースタイムも3時間20分と記載。成る程急な登りが延々と続いていた。3年前の南アルプスの笊ヶ岳を彷彿されるような登りの連続であった。途中何組かの下山パーティーとも遇ったが、その中でもとんでもない1組とすれ違う。それは、僅か6ヶ月未満と思われる赤ちゃん連れのお母さんと3歳くらいの僕ちゃんを引き連れたお父さんらしきグループと。雨が激しく降る中赤ちゃんを前に抱いて、後ろには大きなザックを背負い急な坂道を降りてくるではないか!危なくて見ていられない。スリップしたらどうするの〜!しかも赤ちゃん、仰向けの顔に容赦なく雨が降りかかっている。何でこんな処に連れてくるの!雨具と装備は持っているとは言え馬鹿としか言いようがない!<▼▼〆>
蝶ヶ岳ヒュッテと後方にキャンプ地

急登に息がゼイゼイ、全然ピッチが上がらず。やっとの思いで稜線まで登りきる。蝶ヶ岳と常念との横尾分岐に至る。
時間は15:09。
やはり急いでも、横尾から3時間かかってしまった〜(ー_ー)
今日は、常念小屋にはとても今の時間からでは無理だ。しゃ〜ない蝶ヶ岳ヒュッテに泊まるか〜!
分岐から20分、激しい風と雨に吹きつけられながら小屋に到着。約130名程の宿泊者達で賑っていた。その中にテント泊を中止して素泊まり組も多かった。こんな時はテントでは辛いよな。身体も冷えているし、濡れている。気温は10℃弱だろう。濡れた衣服を乾かす人がストーブの廻りを占拠していた。明日の天気を期待して。


8月16日
フト目覚めた時、窓から外を眺めてみた。4時30分であった。雨は止んでおり何となく晴れそうな気配である。
段々と空が明るんできて、太陽の出そうな回りの雲が赤く色を発してきた。こりゃ〜今日は天気の良い前兆だ!小屋の大半の人が外に出てご来光を待っている。西側の槍・穂高連峰もくっきりその姿を見せ始め、荘厳で圧倒されそうなド迫力の大パノラマが目の前にドンと聳えていた。何ともいえぬ感動で昨日の苦労は吹き飛んでしまう。皆うっとり!あちこちでカメラのフラッシュが焚かれていた。勿論、私もその中に居たのは言うまでもない事。少し肌寒かった〜。
夜明けのご来光 早朝の槍・穂高連峰が次第に姿を現してきたところ

小屋で朝食を済ませ6時スタート。今日は常念ヶ岳まで行き、ピストンした後長塀尾根を下り徳沢まで行く予定。多分10〜11時間かかるかも知れない。幸い天候にも恵まれ、最高の山を満喫できるであろう〜。\(^O^)/

槍をバックに記念撮影
広い穏やかな尾根が広がり、旧蝶ヶ岳、横尾分岐、蝶槍と多少の起伏の間を快調に飛ばす。左側には穂高連峰を眺め、右側には松本方面の村々が見える。前方には常念岳まで道程が見通せ、一旦下ってまた登り返すコースもハッキリ見える。以外と簡単そうに見えるがいざ歩いてみると簡単ではなかった。写真も撮りながら、更に仲間にメールで現在の様子を打ち込みながらの歩行の為、立ち止まる機会も多かった。ここでは携帯電話は通じた。家に山頂コールしようと思ったが少し早いので止めた(^ ^ゞ
やがて大きく下りに入り樹林帯に突入。先程の岩肌の山と違いお花畑が点在する静かな空間であった。
風がなくなり少し蒸し暑い。ミヤマダイコンソウ、クルマユリ、トリカブト等々の花が咲き乱れ、樹林帯を抜け出すのに結構時間がかかった。やがてその樹林帯を抜け出すと前方に常念岳が頭上に見えてきた。
常念岳の登り

約400mの登りが始まる。
今までの樹林帯と一変し、砂礫とゴロゴロ岩の上を登っていく。次第に大きな岩や巨岩の重なり合う間をぬって、赤のペンキマークを目印にひたすら登っていく。昨日蝶ヶ岳キャンプ地で泊まったワンゲル部の兄ちゃん達は、出発時は快調に私を抜かしていったが、流石大きな荷物にペースダウン。30キロ近いザックでは無理もない。
ひたすら登りに耐えると、やがて2857mの常念岳の山頂に着いた。9:58分。
常念岳山頂
記念撮影と思いきや、槍・穂高連峰方面にガスがかかり、松本側からの下からガスが吹き上げてきた。山頂は次々登ってきた人達で一杯になる。
一応、山頂記念写真を撮り、暫く休んだ後、下山を同じ来た道をピストンする事にした。
帰りは、順調に歩く。やはりコースを覚えているからペース配分も楽であった。来る時と帰る時とでは少し景色も変わる。
蝶ヶ岳ヒュッテに戻ってきたのが、14:07、約8時間かかった。少しゆっくりだったかな?

これから、長塀(ながかべ)尾根を下って徳沢まで。読んで字の如く長〜い塀のような下りであった。約7キロ、1000mの下り。
途中、「妖精の池」付近のお花畑にはクルマユリの群生があった。それ以外は殆ど見晴らしもなく、ただひたすら樹林の中を下る、下る。些かうんざりするような長さであった。ここは登りの方が楽かも知れぬ。蝶ヶ岳ヒュッテから約3時間10分でやっとこさ徳沢園の横に下りてきた。17:20分着。
宴会の様子
見覚えのあるテントに近づくと7人が宴会をしており、その祝福を受ける。それから宴会モードに突入だ〜〜\(^O^)/

その夜、囲炉裏常備用テントに3人寝た翌日、チョットしたミスがあったのを後日発覚。(^ ^ゞ ポリポリ
それは、同じテントに食料をデポしていた先客(DOPPOさん)の物をゴミと間違え、翌日下山のおり持ちかえる事件があった。(^ ^ゞ
DOPPOさん達は奥穂から涸沢に出掛けており、私が帰った翌日、さ〜て食事でもしようと思ったが食料がない。
「あれ??どうしたのかな〜」とベリさんに聞くと、「ありゃ〜、あれゴミじゃ〜なかったの?昨日森の音さんとふるぼんさんが持ちかえったよ〜!」         アチャ〜(◎_◎)
その原因は私にあり。私も常念に行く時荷物を少なくする為大きなザックをこのテントにデポする。その時、隅にそのポリ袋を確認したが、宴会で酔った頭では単にゴミとした認識しかなく、寝るとき邪魔だからと外に放り出したらしい。運悪く他のゴミ袋と一緒になったのだ〜。ゴメンネDOPPOさんm(^^)m
幸い、ベリさんが食料を大量に買い込んでいたからヒモジイ思いはしなかったと聞くと、(^ ^ゞ ホッ

8月17日
こうして今年の夏の上高地は終わった。RINさん・TOHRUさんと平湯までご一緒。そこで500円の「ひらゆの森」温泉で入浴。昨年も同じ湯で汗を流したところ。13の露天風呂が点在し、タクシーの運ちゃんもお薦めの場所。その他食事や休息の施設も充実。安くてお薦めの場所と思う。
この後、東海北陸道で帰るが又しても渋滞に巻き込まれ、8時間かかって家に辿り付いた。


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