- 「焼かれた」のでもない、「焼いた」のでもない。
- ただ「焼けた」と。
- そうすると事実を事実のまま淡々と受けていけるのではないかね
- 自も他も損なわんで済む。こんなことを今度の火事で学びました。
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- ( 安田理深 )
名古屋の亀井先生が書かれたもので拝見したのですが、安田先生のお宅が隣家の火事で類焼して、蔵書やノート類など、全て燃えてしまわれた時のことだそうです。その直後の学習会で亀井先生は次のような安田先生のお話を聞かれたと書かれておられました。 |
こんどの火事でね。まあいろんなことを学ばされたんだが、私の場合、一応、隣りからの類焼だわね。だから、”焼かれた”と思う。と、どうしても復讐心が起こるわね。腹が立つ。
じゃ、そうでなく、”焼いた”と。自分が焼いたということになれば、心が暗いやね。やりきれない。そうでないかね。
だけどね、”焼かれた”のでもない。”焼いた”のでもない。ただ、”焼けた”と。そうすると事実を事実のまま、淡々と受けていけるのでないかね。自も他も損なわんですむ。まあ、こんなことを、今度の火事で学びました。
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”ああされた”でもない、”こうした”でもない。”こうなった”。
”なくされた”でもない、”なくした”でもない。”なくなった”。