最近撮った写真から(2009その2 スコットランドの旅から)


 カホルの夢がかなってスコットランドへ8日間の旅  

(Aug. 28, 2009)


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日目主な観光先宿泊地
グラスゴー
バーンズ・カントリーとグラスゴー市内グラスゴー
ローモンド湖、グレンコー、フォート・ウィリアム、スカイ島スカイ島
スカイ島内のダンヴェガン城その他各所スカイ島
イーレン・ドナン城、ネス湖とアーカート城インヴァネス
カローデン古戦場、コーダー城、ドラム城アバディーン
ダンノッター城、スクーン宮殿、セント・アンドリュース、ミリタリー・タトゥーエディンバラ
スターリング城、エディンバラ市内エディンバラ



グラスゴーから車で1時間ほどにある 「 バーンズ・カントリー 」 は、詩人ロバート・バーンズゆかりの土地ですが、風光明媚という点
では、まるで「絵のような」美しい田園地帯でした。 川の水は綺麗なのですが、ピートの泥炭層を通るため黒褐色に着色しています。




グラスゴー大学はアダム・スミス、ウィリアム・トムソン ( ケルビン卿 ) など著名な学者を多数輩出している、1451年創立の 由緒ある大学ですが、
「 授業料は国費により全く無料、その代わり、高校時代に 「 どの教授のもとで何を学びたい 」 と明確に目的を定めて、入学後は猛勉強を続ける強い
意思のある人たちだけを受け入れる。 青春時代を楽しく遊びたい人は大学には来ない 」 と繰り返し説明され、日本との大きな相違に衝撃を受けました。




大学本館前から振り返って見下ろすと、隣接の美しい建物 ( ハンタリアン美術館 ) が林の間から見えます。 グラスゴーに限りませんが、欧米の都市
の街並みを美しいと感じた方は、それが何故だろうかとお考えになったことがあるでしょうか。 その大きな理由の一つは電柱と電線がないことだと、私は
考えています。 そう思って海外で撮った写真を見直し、周囲の日本の都市の街路を眺め直されたら、或いはご納得いただけるのではないでしょうか。




グラスゴー大聖堂正面のステンドグラス。 この長老派教会では16世紀の宗教改革の際、カトリック特有の絢爛たる装飾物をすべて剥ぎとってし
まったとのことで、質素で純粋なその意思は十分に感じ取ることができます。 ステンドグラスの絵柄も、カトリック教会のそれとははっきり異なります。




若いころ歌った歌に、スコットランド民謡の 「 ロッホ・ローモンド 」 というのがありました。 ロッホとは湖のことです。 55年ぶりに本物に
お目にかかれました。 静かで美しい湖でしたが、スコットランド特有の曇り空と霧と小雨で、結局墨絵の様な写真になってしまいました。
美しい歌を原語の生演奏でお聞きになりたい方はここをクリックして下さい。 出てきたページを下の方にスクロールすると、試聴のサイトが見つかります。




スコットランド西北のスカイ島にはこのような絶景があちこちにあります。 こんな絶壁にもヒースの草たちがひっそりと
花を咲かせています。 もちろん、島にもスコッチウィスキーの蒸留所がありました。 見学し試飲し買い込んできました。




スカイ島北端の岬ダントゥルム・キャッスルにあるマクドナルド家の居城跡。 羊がのんびりと草を食む坂道を上がって行く。




島の北端の小さな宿に泊まり、朝起きると周囲では放牧された羊たちが静かに草を食んでいます。 
ひと口に羊と言っても、色も大きさも角の形もいろいろあることを知りました。




チューイッヒ湖に浮かぶように建つイーレン・ドナン城。 鉄器時代にピクト人が築き、13世紀にヴァイキングの侵入に
備えて要塞にされ、その後イングランド軍に破壊され、私の生まれた1932年に再建されたという、数奇に満ちた経歴
の城です。 スコットランドには沢山の城がありますが、みな地味で堅固で、これと似たものばかりです。




かつて怪獣ネッシーが生息するのでは ? と有名になったネス湖と、その湖畔にあるアーカート城址です。 素晴らしく
美しい景色もスコットランド特有のどんよりした曇り空のもと、もうひとつ鮮やかに撮れないというもどかしさがあります。




インヴァネスの街中を流れるネス川のつり橋から、インヴァネス城方向を撮りました。 インヴァネスという名に何かを連想される方は
もう70歳以上でしょう。 昭和の初期、私の父も着ていた短い黒い外套です。 あれは明治20年頃にこの地方からはるばる伝わって
きたファッションだそうです。 シャーロック・ホームズも愛用していましたね。 だって、コナン・ドイルはスコットランド人なんですから。




この写真と次の写真が「スコットランドのヒース ( 荒野のこと ) をよく表現していると思います。 こちらはスペイ街道と言う、スコッチウィスキーの本場の地域を
通る街道筋に車を停めて撮ったものです。 代表的なヒース ( ヒースはまた、荒野に群生する雑草の総称でもあります ) であるヘザーの花は今真っ盛りでした。
heath: @ ( ヒースなどの生えた荒野 )、A ( 植 ) ヒース。 heather: ヒース属の植物 スコットランド北部の荒野に多いピンクの花が咲く灌木 ( 岩波英和大辞典より ) 




こちらは、本当に何もない荒野の草原ですが、私も妻も、こんな情景こそがスコットランドの北部 ( ハイランド地方 ) を
最もよく現していると考えました。 左上に見える赤旗は、ここがカローデンの古戦場であることを示しています。 1746年、
ここでスコットランドの軍勢 ( ジャコバイト軍:青旗 ) は、イングランド軍 ( 赤旗 ) により全滅させられたのでした。





この2枚の写真は、今回の旅行の最大の目的の一つだった 「 ミリタリー・タトゥー 」 のシーンです。 エディンバラ城内で毎年8月、
夜間1時間半にわたり行われるショウです。 バグパイプの吹奏とともに繰り広げられる壮大華麗な演出に酔い続けました。




産業革命以降の石炭の大量使用による煤煙で真っ黒に煤けた建築物も多く残る中、これを洗い落
としてかつての壮麗さを取り戻したものも有ります。 エディンバラ市内のある銀行本店の建物。




産業革命以降、世界中に大型船舶や蒸気機関車を輸出していた工業都市グラスゴーはもちろんのこと、ここエディンバラの港も、1970年代までは世界中
からの商船で賑わっていたそうです。 それ以降は小型の漁船が少数出入りするだけの静かな港になってしまったと、現地の人が淋しそうに語ってくれました。
「 その原因となったのは・・・ 」 とアジア諸国の重工業の発展を列挙しましたが、私に遠慮してか日本の名は挙げませんでした。




セント・アンドリュース大聖堂跡。 近くにあるあの有名なゴルファーの聖地 「 オールドコース 」 も短時間拝見し ( 次の写真 )、ゴルフ博物館も観て
来ましたが、次の予定にせきたてられてお土産の品を買い込むのに精いっぱいという、日本人ツアー独特の振る舞いを見せただけで去りました。




これはカホルが撮った写真ですが、1番からスタートし、同じグリーンの18番に戻ってきた3人組が、最後のパットを終えて握手している瞬間をとらえたものです。


ご感想、ご意見、ご質問などがあれば まで。