フリーマンの随想
最近、ある大企業から、私のスマホにアンケートが届きました。 10ほどある質問の第一問は、年齢でした。 10歳台、20歳台、・・・と続いて、 最後は 「 70歳以上 」 でした。 私は91歳なので、ここにチェックを入れて次の質問に移りました。 しかし、回答を続けている間じゅう、私の心はモヤモヤとし、晴れませんでした。 「 70歳以上 」 の人たちは全員を ひとくくりにしてよいのだろうか・・・と。 70歳台半ばの頃、私は約500kmの旧東海道をひとりで歩き切りました。 一日に15km、時には20kmも歩きました。 カホルとスコットランドまで海外旅行に出かけたのは70歳台の最後の年でした。 80歳台になっても、国内旅行にはずいぶん遠くまで出かけ、レンタカーを借りて、何日もあちこち観光して回ったりしました。 当時の毎日のウォーキングは5,000歩以上でした。 しかし80歳台の後半、私は運転免許証を返納し、車も売り払いました。 健康ではありましたが、遠くに旅行する体力・気力は次第に失せてゆきました。 最近は10km先のレストランに電車に乗って食事に行くのさえ億劫になってきました。 ウォーキングの歩数は一日3,000歩前後に減りました。 このように、同じ人間が、特に大病にかかったわけでもないのに、この3つの70、80、90 「 歳台 」 では、やれる行動もやりたい事も、全く違ってしまっているのです。 ですから、同じ質問をされても、70歳台の私、80歳台の私、90歳台の私は、それぞれ全く違う回答をするに違いありません。 というわけで、「 70歳以上 」 とひとくくりにして質問し、統計をとって企業経営の参考にするのは良くないと考えます。 特に、高齢者向けの商品や事業について参考にするためのアンケートでしたら、役立つ正しい情報は得られないでしょう。 この会社以外のアンケートでも、ほとんどが 「 70歳以上 」 で打ち止めになっているようですが、「 人生百歳時代 」 を迎えている現在、もうこれは改めて、 70歳台、80歳台、90歳以上としたらどうでしょうか。 |