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県学労ニュース336号     2005/12/8発行
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国に追従する愛知県人事委員会
成果主義導入に向けた給与構造の改変勧告
労働者の分断を許すまじ

 圧力に屈した人事委員会
 
 愛知県人事委員会は11月30日、今年2回目の勧告を行い、給与構造の改変を求めている。
 
 国人勧が給与構造の改変を求めたからといって、愛知県の事情は違うのだから、何の根拠もなく追従する必要はないのに。

 昨年、人事委員会に対して愛知県内の企業の賃金上昇が明らかなのに、職員給与がプラス勧告にならないのはおかしいと言ったところ、別の統計結果を言われても時期が違い、対象も違うのでそのデータを用いて反論されても困ると言っていたはずである。
 
 給料表水準の引き下げについて
 
 民間との較差はその根拠が(公共交通機関利用者の通勤手当を6ヶ月定期券の額として切り下げたため、これを平均給与額の算定からはずし、今までなかった管理職手当を算定に含むなど)恣意的に扱われていることを留保して考えても、すでに民間給与と均衡していることになる。それなのに、4.8%引き下げ(中高年層はさらに2%引き下げ)とする勧告は何ら根拠のないものであり、職員に対しての背信行為だ。
 
 枠外号給の廃止と号給の4分割、上位級の新設
 
 「年功的な給与の上昇等、国と同様に給料表構造の問題を抱えていることから、国に準じて給料表構造改革を行う必要がある。」としているが、これは永年県政に携わってきた職員を切り捨て、勤務実績の反映という評価制度に基づく職員分断が目的になっており、決して許せるものではない。
 
 地域手当の新設
 
 しかし、勧告の中で地域手当の導入については、その根拠が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」にあり、今年10月の勧告前に我々が愛知県人事委員会と交渉した時点でもその問題点を指摘し、そのまま導入するわけにはいかないと回答していたとおり、現在の調整手当と同じように県内一律10%とする勧告となった。この点での委員会の勧告は評価したい。
 
 勤務実績の給与への反映
 
 現在の特別昇給や一般昇給が持ち回り的な運用であるとして、昇給区分を5段階にし、勤務成績に基づく年1回昇給の導入や、一定率の成績優秀者を定め、勤務手当の差別化を設ける勧告は、自治体財政の疲弊を職員給与のせいにして、予算を一定額に抑制することを目的とし、配分に差をつけて、職員間の競争をあおり、今まで築いてきた労使の信頼関係を一方的に破棄するもので、許し難い。
 

特殊勤務手当交渉

 11月28日、給与改定交渉により中断されていた特殊勤務手当の第2回交渉が行われた。

 前回提示のあった深夜特殊業務手当、夜間教育課程等勤務手当、多学年学級担当手当に加え三谷水産高校のみに該当のある特殊現場作業手当、漁獲手当の減額又は廃止の提示があった。

 深夜特殊業務手当が実際に支給されているのは、朝六時三〇分から寄宿舎の調理に入る障害児学校(3校)の調理員と六時五〇分までにスクールバスの始発地点に行かなければならない介護員(1校)の手当で、1回四一〇円が支払われている。

 普通勤務であれば、早い人でも7時頃家を出て8時半前に出勤すればよいのだが、動いている交通機関も少ない5時台、6時台に家を出て、6時半には仕事を始めなければならない勤務は特殊でないと言えるか。しかもいままで勤務が特殊だからと手当を払ってきた。そのことで特殊な勤務を命ずる側も納得させてきたのではないか。

 明日からは同じ勤務をしても特殊な勤務とはいえないという県教委の説明は参加した組合誰一人として納得できなかった。ただ県教委だけが社会情勢が変わったと強弁するばかりだ。この深夜特殊業務手当による県教委の負担は僅か五〇万円ばかりである。少数者の犠牲は切り捨てて良いというのか。

 もう一つの夜間教育課程等勤務手当も月額九六〇〇円を支給されている77人の年間手当額は七百五〇万円余りである。毎日、終業時間が9時過ぎになり、家族と夕食を共にとることができない定時制の給食調理員や用務員の勤務が特殊でないといえるだろうか。同様に定時制で働く教育職員には定通手当が支給されているのに。

 普通勤務の人たちよりも厳しい条件で働いている人たちの僅かばかりの特殊勤務手当を削ることよりも、国の基準より高い管理職手当を国並みに引き下げるほうが先決である。

 弱い立場の人たちの給与から削っていくという県教委のやり方は許すことができない。

 そのほか、教員特殊業務手当、教育業務連絡指導手当についても後日提示する予定であり、現在調整中であるという。

中国(昆明・桂林)の旅  No.5  渡邉研治

8月27日夕方
 ガイドの薦めに応じて雑技を見るために同行の夫婦はガイドと一緒に出かけ、私はホテルで別れた。

 中山路にある映画館に行くためだ。チャレンジでホテル横のバス停から市内バスに乗った。1元で美麗美麗商場前まで行けば良いとガイドの勧めがあったからだ。夕食前にホテルからすでに歩いて場所は確認済み。記憶にある交差点を逆に曲がった。あわてて次のバス停で降りる。しかし、交差点まで戻ると記憶に残っている風景とは違う。自信は一気にしぼみ、不安な気持ちで路を戻った。橋を渡ると道路標識があり、通り過ぎていたことを指し示していた。

 映画館にやっとたどり着いたときには、決めていた日中戦争を取り扱った映画は既に始まっていて入場できず、「阿嫂」という中国映画をみることになった。やくざの親分とその仲間が最愛の娘のコンサートに出席したが、親分を狙う刺客を天井裏に発見して立ち回りを演じ、コンサートは中止となる。親分が殺されて、跡目を娘に押し付けると、彼女は対立するやくざから襲われる。ボディガードの青年と逃走中、車に追われて彼らの車が転倒して2人とも亡くなってしまうというストーリーだった。

こう書くと中国語がわかっているように思えるだろうが、本当は映像からの想像でしかない。

わからないまま映画館を後にした。帰りは道に迷う心配が私をタクシーに乗せた。ホテルまで7元(105円)。何もけちな考えを持たず、往きもタクシーにすればよかったのだ。

**写真は桂林市内遠望**


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