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県学労ニュース326号     2005/6/21発行
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仕組まれた公務員給与引き下げ圧力

給料表一律5%引き下げ、枠外号俸廃止、昇給時期年1回固定、
         現行号俸を4分割して査定によって昇給幅に差をつけるなど

 大型公共事業のために大量の国債を乱発して財政破綻を起こしている国は、その原因となった無駄な公共事業には手をつけず、公務員給与の抑制でかわそうとしているようだ。

 本来人事院は勧告を出すに当たって、全国の自治体に民間給与実態調査を依頼し、そのデータを基に人事院勧告を出していたはずで、民間給与に比較して公務員給与が高いという批判は的を射ていないはずである。また、地方自治体の人事委員会の勧告もその調査結果を基にその地方の民間給与との比較をして勧告しているはずである。

 それなのに、なぜ最初から一律5%給料表を引き下げる方針が出されているのか、納得できない。

 この5月、人事院は国家公務員の給与構造見直しにについて「措置案」として取りまとめた結果を公表した。同案では、枠外への昇給制度を廃止し、枠外在職者はすべて各級の最高号俸に切り替えるとしている。俸給表の級構成そのものが再編成されるため、影響額の予測は難しいが、枠外在職者の俸給月額の削減率は、これまで想定されていた最大7%をさらに大幅に上回ることになりそうだという。

 04年の国家公務員給与等実態調査によると、行政職俸給表(一)の枠外在職者は4〜11級で見られ、枠外の最高俸給月額と、各級の最高号俸の差額は9200〜48,400円という。

 現行俸給表に基づき試算すると俸給月額の削減率は最大11・3%に達するひどいものだ。

 さらに、公務員賃金水準を民間賃金の低い地域の水準のベースにまで引き下げるとして、1〜3級5パーセント、4級以上の号俸が7%程度引き下げられることを加味すれば、削減率はさらに拡大する。

 このほか同案では、現行の特別昇給と普通昇給を廃止し、新たに「査定給」を導入する。現行号俸を4分割し、昇給号俸数は「特に良好」の8号俸から、6号俸、「良好(標準)」の4号俸、不良の2号俸などと刻まれる見通しだ。また、昇給時期は現在1、4、7、10月の4回から年1回(1月1日)に統一する。これに伴い、勤務成績の判定期間を1月1日〜12月31日とするとしている。

 また勤勉手当の支給率も100分の70から65に切り下げ、その削減分で「優秀」「特に優秀」な成績の者に加配するという。

 何度か話題に上った成績給であるが、公務労働の場合その判断基準を作るのが難しいとして見送られてきたものである。今回その具体的基準も示されないまま成績主義を導入すれば、職場の人間関係はギクシャクしたものになるであろう。

 他方、転居を伴う転勤に対し、3〜6パーセント程度の広域異動手当を3年間支給するとか、地域手当下位の地域に異動した職員については一定期間の特例を検討するなどの「救済」措置を講じているのは矛盾である。

 これが地方公務員給与勧告に影響を与えるだけでなく、さらに財務省や総務省は経済財政諮問会議や財政制度等審議会を使って、地方公務員の給与給与水準が「ほとんどの地域で民間企業を上回っている」とか、実際の職務より上位の職務級に格付けする「わたり」をしていることなどを批判し、地方への交付税(今後は税源となるか)を少しでも少なくしようと、地方公務員給与下げ攻撃を強め、06年度予算編成に向け、地方公務員給与水準の切り下げを画策している。

 職員の勤労意欲を削ぐな!

 

まだやってる!? 卒業記念品
一宮高校  89万円の時計塔

 県学労が入手した「平成16年度寄付受納状況一覧表」によれば、まだいくつかの学校で卒業記念の寄付が行われている実態が明らかになった。

 県学労は従来から学年会計などで卒業記念品を購入し、学校へ寄付するという行為は寄付の強制に当たるとして問題にしてきている。

 以前は多くの学校が卒業記念品代を学年会計に予算計上して、記念品を学校に寄付していたが、学年会計で全員から授業料と一緒に徴収するのは寄付の強制に当たるという県学労の指摘もあり、卒業記念品の寄付を廃止するようになってきた。

 県教委から平成8年12月10日付けで出された「物品の寄付受入基準等について」という通知文書の基本的事項の1に「寄付を受け入れる物品は、寄付申出者の自発的・任意による物品で、学校教育に寄与するものであること。」と規定されている。学年会計などに予算計上して一律に徴収するということは寄付の強制にあたり、この基本的事項の条件を満たしていないことになる。

 今回調査で明らかになった学校が自発的・任意に行われた寄付で卒業記念品を購入したのであれば問題ないが、学年会計から支出しているのであれば、来年度以降廃止すべきである。

ニライカナイからの手紙
名古屋駅西シルバー劇場で 7月1日まで(10時、14時40分からの2回)上映中

 沖縄県竹富島に住む6歳の風希はカメラマンの父を亡くし、母は東京に行ってしまう。島では郵便局長の祖母と二人で暮らすことに。母からは毎年1回、風希の誕生日に手紙が届く。母からの手紙には差出人の住所が書かれていないので、母に手紙を出すことはできない。
 14歳の誕生日の手紙に、20歳になったらちゃんと説明すると母は書いていた。

 父の遺品のカメラで透明なガラス玉を被写体にして撮影し、東京帰りのレイナ姉の店で写真を売ってもらう。

 18歳になり高校を卒業した風希は東京に出て写真家のアシスタントをしながら写真の勉強をすることにする。東京に行けば母に会えるかもしれないという希望も抱いていた。そして20歳の誕生日に井の頭公園の弁天橋で10時に待っているという手紙を19歳の誕生日にもらい、1年後の誕生日を心待ちにしていた。

 東京での生活は大変なものだったが、母に会えるという思いを胸に、母に見せようと自分の写真を撮り雑誌のコンテストに応募して佳作に入選した。そして母に会える日、期待に胸をふくらませて井の頭公園に行ったが、そこで待っていたのは……。

 主役の安里風希を演じているのは4年前「リリィ・シュシュのすべて」で映画デビューした蒼井優(19歳)である。この映画でも彼女の演技が光っており、とても19歳とは思えない。

 蒼井優は「亀は意外と速く泳ぐ」(8月6日から名演小劇場で上映予定)にも出演しており今後の活躍が楽しみな女優である。 (た)
 


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