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県学労ニュース312号     2004/10/25発行
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三六協定は労働者代表と使用者とで結ぶもの
    職を指定して締結することは認められない!

 教育委員会から労働基本法第36条に基づく協定を県立学校においても結んでいきたいと10月14日に提案があっ た。
  
 県立学校が新設され、多くの事務職員が採用、転任してきた頃、一方的な昼の休憩時間の剥奪や、時間外勤務の押しつけに 対し、事務長と勤務時間について交渉があったを思い出す。

 そのころは「三六協定がないので時間外勤務は命ぜられない。学校事務職員の時間外勤務手当は教育職と給料表を分 けられたとき、給与格差が生じ、日教組と文部相の合意に基づいて6%の時間外手当を支給するという形で決着が計られた、調整のための手当であって実質的な 時間外勤務手当ではない」ということだった。

 教育委員会は公務員であるので学校職員は学校が労働基本法第八条一二号「教育、研究又は調査の事業」所であるに も係わらず三六協定を結べないとしていた。

 ところが、今回の説明では同法第八条一二号適用事業所であるから、「教育職員の給与等に関する特別措置法」に よって四項目以外超過勤務を命ぜられない教育職員以外の職員について、三六協定を結びたいと言ってきたのだ。

 理由として、知事部局の事業所については県議会でカラ出張やカラ超勤が問題となり、突き上げがあって組合と話し 合い、平成一〇年から徐々に協定を結んできた。

 本庁職員を除き、病院が最後まで残っていたが、来年には協定が結ばれることになり、最終的に県立学校が残ってし まう。

 今まで組合交渉の中で問題にされなかったので、三六協定を結ばず、時間外勤務を命じてきたが、違法状態を解消し たい。協定を結んでも時間外勤務手当の予算内示は増えない。、現状のとおりでいくということだった。

 今まで問題とされてこなかったというのは、今回交渉に出席した職員の認識不足だろうが、私たちは組合と教育委員 会との基本合意の上で事業所ごとに協定を結ぶことには同意する。

 しかし、労基法にあるように労働者の過半数を代表する者を選ぶには、それにふさわしい投票等で選出された者とす べきで、事務長会案にあるように使用者が指名することになってしまう職指定(主任主査又は主査)は認められない。

  また、時間外に命ずることが出来る時間について、1日3時間、1月20時間、1年160時間以内と するよう協定書本文に記載することを求めた。さらに、休日勤務については原則的に週休日の振り替えで処理し、所属によっては休日勤務の規定を設けないこと が出来ることを確認した。

 さらに、職員が病気だったり、育児や介護のために時間外勤務や休日勤務が困難な職員については、本人の同意を必 要とすることなどを求めた。
 

三六協 定とは
三六協定とは、労基法36条で「時間外及び(週)休日の労働」について、労働者の過半数を組織する労働組 合、労働者の過半数を組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者と書面による協定をし、労働基準監督署に届けなければ時間外勤務や休日勤務 をさせることができないというものです。

いまだに24校で夏季 学習合宿実施 7年間で実施校は半減したが

 県学労の調査による と今年の夏休みに学習合宿を行った学校は24校だった。今年度学習合宿をやめた学校は日進高校、岡崎東高校、岡崎西高校、豊田北高校、豊田南高校、三好高 校、豊橋西高校の7校である反面、新たに実施した学校は千種高校(英語)、日進西高校の2校である。(県教委に届出せずに実施している学校があれば県学労 にお知らせください)

 県学労がこの問題を 取り上げ始めた95年以降学習合宿を行う学校は着実に減少してきている。

 学習合宿の目的は明 らかに大学受験のためのものであるが、実施計画書の目的としては長時間の自主的学習により学習習慣の確立を図るというものがほとんどである。本当に学習習 慣の確立を図るというのであれば、卒業を半年後に控えた3年生ではなく、これから高校生活をはじめる1年生にこそ実施するべきであろう。

 また異常に高い参加 率の背景には希望者のみの参加と謳いながら、何らかの強制があるのではないかと再三指摘してきたこともあり、今年度は参加率50パーセントを超える学校は 4校に減ってきた(昨年は7校)。

 夏休みは何のために あるのか、今一度考え直して欲しい。

2004年の夏季学習合宿の参加率が50%以上の学校

  学 校 名
  学年
参 加者
    日     程
  費  用
参 加率
知立東高校
3
287
8/23-8/27
35,000
82 %
東郷高校
3
215
8/02-8/05
14,500
79 %
高蔵寺高校
2
161
8/02-8/05
28,238
79 %
豊田西高校
3
200
8/21-8/25
39,500
56 %
その他の実施校:参加率の高い順に大府東、豊田(3年)、阿久比、津島北、豊田北、豊 野、一色(3年)、安城、津島、木曽川、西尾東、尾西(3年)、衣台、豊田(2年)、吉良、一色(2年)、日進西、尾西(2年)、大府、天白、松蔭、名古 屋南、千種

(今年度の学習合宿実施校一覧表は県学労のホームページに掲載中)

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書 評
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池袋ウエストゲートパーク      石田衣良著  文春文庫543円+税

 著者石田衣良は昨年「4TEEN フォーティーン」で直木賞を受 賞していた。

 この作品は一九九七年「オール読物推理小説新人賞を受賞した作品 だ。立ち寄った本屋に並んでいた文庫本を偶然買い求めたにすぎない。
余り上品なテーマではない。けれどこの作者の作品は引き込んでいく魅力を 持っている。

  地元の工業高校を卒業した真島誠はまともに就職でき ずにプータロウをし、こづかいのため母親のやっている果物屋を適当に手伝っている。

  そして、ほとんどは東京池袋にある西口前公園、別名 ウエストゲートパークでマコトは人々の動きを定点観測している。すると、そこに少女が2人やってくる。それから毎日やってきて一緒に遊んだ。少女がストラ ングラーにクスリをのまされ、首をひもで絞められて意識不明で発見されるという事件が2件起きていた。

 その頃から一緒に遊んでいた少女達の様子がおかしくなっていっ た。そしてその内の一人がラブホテルで殺された。マコトはどういうわけか、危ない探偵をはじめていく。そして幼友達の少年グループのリーダーに頼んでグ ループの情報網を使い問題解決に向かっていく。ストラングラーを見つけ出したが、少女を殺したのは別人だった。

 犯人は何事も暴力でけりをつけたがる中学時代の同級生だった。そ の動機は?社会の矛盾を奥に抑えた作品だった。

 続編である「池袋ウエストゲートパーク・」の中にある「少年計数 機」もまたいい。(わ)

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