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県学労ニュース311号     2004/10/13発行
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人事院に追随!愛知県人事委員会
国より公民格差があるという(0.02%)
       全国より愛知の民間企業は景気が悪いのか?
 

 愛知県人事委員会は10月4日、知事並びに県議会議長に対して「職員の給与に関する報告及び勧告」を行った。
 この勧告によると県職員の給与は民間に比べて82円高くなっているという。しかしこの格差は給料月額や手当月額の最低単位である一○○円より小さいので給料表の改定は見送るとした。 しかし寒冷地手当については、「人事院勧告の内容を考慮して改定する必要がある」としている。つまり人事院勧告では愛知県内は寒冷地手当支給対象外地域となっており、現在北設楽郡の他6町村で支給されている寒冷地手当は廃止されることになる。

 期末勤勉手当については民間の支給状況(年間四・四○月)と均衡しているとして改定は見送られた。

 トヨタは史上空前の利益を上げ、関連企業も好業績であるのにどうして愛知県の民間給与が県職員の給与よりも低いと言えるのだろうか。人事委員会の調査方法、調査項目に偏向したものがあるとしか考えられない。 そもそも、愛知県人事委員会は使用者側からも労働者側からも独立していなければならないのに、最近の勧告を見てみると当局のやりたい労務対策を先取りし、当局に「人事委員会勧告で言われているので」という口実を与えて労働者の権利や賃金を抑えていくという役割を担っているといわざるを得ない。

 人事委員会の調査項目も県独自で行っているものはなく、全て人事院から指示された項目ばかりである。このような状態では人事院勧告に追随した勧告しか出てこないのは当然である。 独立した第三者機関を標榜するのなら人事院の下請け機関をやめて、人事院からも独立した人事委員会になる必要がある。

 さて今年の人事委員会の報告の中では職員の勤務時間について、「職員の健康と福祉の維持増進及び公務能率の向上の観点から、長時間勤務の解消または軽減を図るなど、さらに一層の努力が必要である」と述べている。 愛知県はもう10年以上も前に年間一八○○労働時間(年休、夏の家族休暇を完全取得して時間外勤務をなくせば達成できる)の目標を掲げておきながら一向に達成されないし、そのための努力すら県教委は行ってこなかった。

 また「職員の心の健康づくりの推進については、メンタルヘルス対策の一層の充実を図る必要がある」と述べているが、「何が心の健康をむしばんでいるのか」、その原因を明らかにし、除去しなければ心の病にかかる人は増え続けるだろう。強引な人減らし、非合理的でやみくもな業務のIT化などがその原因の一端を担っていることを認識すべきであろう。

 この勧告、報告をうけ、給与改定交渉だけではなく労働条件の改善についても今後教育委員会と交渉し、改善を図っていきたい。
 

今年の勧告の概要
1 公民給与格差(△82円 △0.02%)と小さく月例給の改定は見送り
2 期末・勤勉手当は民間の支給割合と均衡
3 寒冷地手当については、人事院勧告の内容等を考慮して改定

  通勤手当6ヶ月定期で旅費の併給調整は?
  
 10月からの通勤手当認定を大騒ぎで片づけたら、こんどは旅費の方で通勤手当との併給調整の問題が出てきた。

  JRや名鉄電車などは通勤方法を入力しておけば、機械的に旅費システムの方で併給調整をするが、バスはいままで回数券認定だったので併給調整はしなかったが、今後は手で計算して併給分を除算しなければならなくなった。

  また、名古屋市営地下鉄名城線のループ化にともなってを乗車駅と降車駅で通勤経路を特定し、その部分の併給調整をすることになる。送られてきた文書の表を見てウンザリ。

  6ヶ月定期での通勤手当の認定について、今までにどのくらいの厚さの説明やQ&Aが配られたただろうか。
  いかに複雑で、いろいろなケースがあることだろう。制度を作るのに、最低の作り方だ。こんな制度は早急になくさなければならない。

 映画紹介
「アイ・ロボット」   名鉄東宝他で上映中

 二○三五年のシカゴが舞台のSF映画。人型ロボットが普及し町中をロボットが人間とともに闊歩する社会。しかしロボットには(1)ロボットは人間に危害を加えてはならない、(2)ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない、(3)ロボットは前掲第一条、第二条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならないという3原則がプログラムされている。

 そしてロボットメーカー「USロボティックス社」から驚異の新世代ロボット、「NSー5」が全世界に向けて発表された。それと時を同じくして同社のロ ボット開発を手がけてきたラニング博士が自殺した。この自殺に疑問を持ったスプーナー刑事は最新のNSー5型ロボットのサニーが博士を殺したのではないかと考えはじめる。そしてロボット心理学者スーザン・カルヴィン博士と共に、その謎を究明していくうちに巨大な陰謀に巻き込まれる。

 ロボットが自らの意志を持ち始めたら、人間社会は簡単に彼らに乗っ取られる。人間のために開発されたロボットが人間社会を支配するようになる恐ろしい社会になったら……。

 今の私たちの仕事にも旅費システム、給与システム、文書管理システム、人事管理システムと次々にコンピュータが入ってきている。本当は職員が便利になるはずのものであったのに、システムにこき使われている惨めな私たちの姿をそこに見るのはうがった見方であろうか。(た)

 

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