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県学労ニュース310号     2004/9/28発行
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総合文書管理システムの廃止、6ヵ月定期による通勤手当の廃止、
授業料7,8月分の毎月徴収を要求

 県学労は9月20日左記の要求書を県教委に提出した。

 この4月から長年要求してきた項目の一つ、「学校内禁煙」が実現した。

 しかし、まだ多くの問題が山積している。しかも事務職員をめぐる状況は年々厳しくなってきており、今年の要求書では総合文書管理システムの廃止、6カ月定期券の額による通勤手当の廃止、7,8月分授業料の2カ月分一括徴収の廃止を新たに追加した。

【総合文書管理システム廃止】
 まず総合文書管理システムについては事務の合理化に反するので、廃止を求める。当局は何でも電子化すれば合理化になると思っているのではないか。
 学校における文書量であれば従来の紙処理が早いし、保存、廃棄についても毎年処理していれば大変なものではない。
 新システムでは原則的にシステムで起案し、決裁を上げ、紙資料があればそれは別に回さなければならない。
 いちいち「決裁を回したので見てください」と声をかけなければ決裁がスムーズに進まないのが現状だ。紙決裁しなければならない執行伺いなどが残っており、紙決裁が終わった後でシステムに登録しなければならず二度手間になっている。
 更に、文書を探そうと思ったとき、今まではファイルを見ればすぐに探せ、その前後の文書もついでに見ることができた。 しかし今回のシステムでは、パソコンで検索し、いちいちファイルを開かないと見られない。しかも細かい表だったり、長い文章だったりしたら読む気になれず、プリントアウトすることになり、ここでも資源のムダを作り出す。今の総合文書管理システムはペーパー大量消費システムである。何のためのIT化なのか考え直すべきである。

【6カ月定期による通勤手当の廃止】
 次に6カ月定期による通勤手当の支給についてであるが、ばかばかしい支給方法を導入したこと自体が問題であり、早急に廃止すべきである。先の説明会でも膨大な資料をもとに説明がなされ、いまだにQ&Aがメールで送られてきている。
 面倒で手間暇のかかる6カ月定期による通勤手当の支給が間違いであることを物語っている。民間企業がやっているとはとても思えない。
 人事院勧告は一議員の質問に迎合する形で調査を行い、6カ月定期による通勤手当導入を勧告したが、とても公正な調査が行われたとは思えない。
 標準的な適用では問題がないかも知れないが、任用期間が延長され場合と、たまたま同一人物を採用した新たな任用の場合で、通勤手当の認定が違ったり、年度途中に複数回の変更があった場合など給与データ入力をどうしていいのかわからない。確認画面でも、交通用具と交通機関利用とがうまく表示されない。
 事務職員の手間が増えただけで、事務の合理化に反することがごり押しされている。県が推進している行政改革は所詮この程度のもので、職員に対して犠牲を強いるばかりか。

【授業料7,8月分一括徴収をやめ、毎月徴収へ】
 3番目に7,8月分授業料の問題である。
 調定、引落としが7,8月分は2カ月分まとめて7月1日に調定され、納期限が7月20日と定められている。
 これは現金窓口徴収時代の名残で、夏休みは生徒が学校に来ないので2カ月分を7月に一括徴収していたものである。
 しかし現在はほとんどの生徒が口座振替になっており、7月に7,8月分2カ月分を一括徴収する理由がなくなっている。 それよりも最近の授業料の値上げ、修学旅行積立金の高騰などにより徴収金額が増加しているため、2カ月分をまとめて払えない家庭が増えていることに注目すべきだろう。
 7月は振替不能者の数が例月の2倍程度に跳ね上がっている。 事務職員にとっては例月の2倍の引落不能者に連絡を取って窓口徴収することになるが、額が大きいのでなかなか払ってもらえない。そして何度も催促をし、家庭訪問までしなければならない学校もある。
 給料は月額でもらっている家庭がほとんどであり、ぎりぎりの生活をしている家庭にとって2カ月分を一括徴収されるというのは大変である。
 延滞金も7月20日から計算されることになり、2ヶ月分なので例月よりも早くつくようになってしまう。3年生の卒業時だけは卒業式を済ませてしまうと徴収困難になるので、2月に2カ月分徴収を残し、その他の月は毎月調定、毎月徴収にするべきである。
 
 

要   求   書
                           2004年9月20日

 愛知県教育委員会教育長 殿

                       愛知県立学校事務職員労働組合
                       執行委員長 田 口 龍 司

 貴職におかれましては、日頃から県立学校事務職員の労働条件の向上に努力され
ているところですが、未だ十分なものとなっていません。つきましては下記の項目
について早急に改善されるよう要求します。
                  記
1.11〜13年度にカットした給与を速やかに支給すること。
11、12、13年度と黒字であったし、12年度末には10年度の赤字も解消している。根拠がなかった違法な給与カットによる未払い賃金に利息を付けて支給すること。

2.勤務評定による勤勉手当等の差別的取り扱いをやめること。少なくとも勤務 
 評定の内容を本人に開示するとともに、異議申し立て等の救済措置を設ける
 こと。また勤務評定による給与の差別支給を行わないこと。

3.VDT作業の増大に伴い事務職員全員に眼科検診を受診させること。

4.県立学校における職階制を廃止しスタッフ制に切り替え、38歳で全員5級へ
 昇任させること。
(4人体制の学校が増える中、主査、事務長という二重のチェック体制は、主事の仕事分担を加重にするだけであり、効率的な事務処理を阻害するものである。学校においては職階制を廃止し、スタッフ制にすること)

5.5級在級2年で6級へ、6級在級5年で7級へ昇格させること。

6.年休取得を促進すること。
(知事部局同様の年休取得推進の通知を学校長宛に出すこと。また、年休完全消化のために必要な措置を講じること。)

7.職員の社会的見識を深め、県政に活力を与えるために1年間のリフレッシュ
 休暇及び1ヵ月以上のボランティア休暇を導入すること。
  (人事院の「公務員制度改革の具体化に向けて」でも、職員の自発的な能力
  開発に資する一定期間公務を離れ得る制度の導入の検討を行うとしている)

8.普通高校の事務職員定数を5人とし、職業高校、障害児学校にはそれぞれ加
 配すること。

9.入試の願書と受検票を一体化し受検生に記入させること。
他県の状況を参考にし、早急に検討、改善を図ること。

10.入学試験について、現在の2回受験方式から1回受験方式に変更するこ   
 と。
(生徒、事務職員に多大な負担を強いる2回受験方式を廃止すること。)

11.地方公務員法に違反する『補習手当』を始めとする各種手当の支給をやめさ
 せること。
(勤務時間内の補習に対して報酬を受け取らないよう指導すること。)

12.学校運営に必要な消耗品等の購入費や学校整備費を保護者に負担させない  
 こと。特に教育委員会の推奨する事業については必要な予算措置を行うこと。
 また、卒業記念品については任意の申し出によるものであるから、学年 会計
 から支出しないよう指導すること。
  (周年事業、卒業記念などによる寄付受け入れ基準を各学校に徹底すること)

13.各種研究会の会費、参加費、旅費、資料代は県費又は個人負担とし、私費会
 計から支出させないこと。
  (必要な研究会の会費、参加費等は県が責任を持って支払うこと。保護者が
  教職員の研究会費を支払う理由がないので、私費会計による支出はやめさせる
  こと)

14.大学受験競争をあおる学習合宿及び旅費の無駄遣いである大学入試センター試   
 験及び大学入試激励のための出張をやめさせること。

15.総合文書管理システムを廃止すること。
  事務の合理化にならず、かえって煩雑化しており職員のストレスもたまって
  いる。

16.授業料の7,8月分一括調定、一括徴収を止め、各月毎にすること。
  2カ月一括調定、一括徴収は現金徴収時代の名残でありその根拠がない。
  2カ月一括徴収による振替不能者の増大の方が問題である。

17.交通機関利用者の通勤手当について、実情にあわない6カ月定期による通勤
 手当を止め、1カ月定期の額とすること。
 

6ヶ月定期での通勤手当認定
         データ入力エラー
  
 10月分データ入力をはじめていることだろう。実際、通勤届から認定簿を作り、それに従って入力作業に入るわけだが、認定簿を作りなおそうとすると、先ず両面になった用紙にとまどい、給与条例の変更や運賃改正などがあっても2回の改定分を処理できない。その時は書き直しである。
 次に、データ入力画面になる。最初の通勤手当画面では交通用具分は0表示されている。説明はあったが、先ず不安になる。ついで更新画面に移る。併用者の場合、右半分はそのまま残したまま、左側交通機関の6ヶ月定期代(場合によっては、3ヶ月、1ヶ月定期券代)を入力する。確認画面で通勤手当額を確認すると合っている。
 しかし、今年度中に交通機関利用から交通用具に変え、今回再度交通機関に変えた者の確認画面は修正されたが、登録データの印刷をすると、全額取り消されていた。果たして通勤手当は無事出るか。
 

 

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