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県学労ニュース305号     2004/6/1発行
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PTAや生徒会からの備品の寄付は
          寄付の強制ではないのか!?

 県学労が入手した03年度寄付状況資料によると、周年事業による寄付は瀬戸高校を始め15校で行われていた。下 記の一覧表のとおりであるが、数年前のような一千万円を超える寄付はなかった。

 03年度では瀬戸高校が金額面では最高で築庭、楽器、図書館の図書管理のためのコンピュータやソフトなどで約 450万円の寄付を受けている。この寄付の他に周年事業の式典費用などもあり全体としてはかなりの金額になっているであろう。この不況の時代にいかにして 資金を集めたのか。生徒や保護者への寄付の強制はなかったのか、卒業生や出入り業者への強制はなかったか、とても気がかりである。

 県学労は従来から周年事業を祝うのはよいが、周年事業に名を借りた寄付金集めが半強制的に行われ、学校職員が周 年事業準備のために振り回されるのは問題であると指摘してきた。

 毎年どこかの学校で周年事業が行われているが、もう学校が施設や設備の寄付を目当てにし、そのために職員も奔走 して資金集めをするという周年事業のあり方を見直す必要がある。

 また生徒の卒業記念品についても年々やめる学校が増えてきているが、まだいくつかの学校で続けられており、昨年 度も一宮高校始め13校で行われている。

 さらに強制的な卒業記念品であるという批判を避けるため、PTA会長名で卒業記念品を寄付している学校がいくつ か見られる。県学労からの批判をかわすために寄付者を詐称することは問題である。金額的に見てみると一宮高校の時計塔が93万円で最高額となっている。ま た五条高校では温風暖房機三台が寄付されているが、これは管理用備品ではないのか。どうして受け入れたのか疑問だ。

 それともう一つ、昨年の寄付の状況を見てみると生徒会長やPTA会長からの寄付があるが、生徒会費やPTA会 計、教育振興費会計で備品を買い、学校に寄付するということはおかしいのではないか。寄付は自発的な申し出に寄らなければならず、一律に保護者から集める 徴収金で備品を購入し、学校に寄付するということは寄付行為の強制に当たるからである。

 県教委は学校から出されてきた寄付報告書を校長が受け入れてしまったからといって、黙って受け取るだけではな く、きちんと指導すべきである。県学労は再度財務施設課に申し入れた。

愛知県財政状況発表
 借金地獄の愛知県 さらに万博、空港で借金

 5月28日、愛知 県のホームページに「財政の概要」が発表された。引き続き財政状況は厳しいとしており、歳入・歳出の状況のところで愛知県予算の特徴として「人件費、扶助 費、公債費等の義務的な経費が財政を圧迫しています。人件費、扶助費、公債費及び税交付金等は、義務的な経費として、任意に削減はできませんが、これらの 義務的な経費が財政を圧迫しています。義務的な経費の中では人件費の割合が最も大きくなっています」と書かれている。

 しかし、予算の歳 出のページにある歳出予算の推移を見てみると人件費の額は平成7年の7612億円、平成8年7733億円なのに、平成16年度は7670億円とほとんど増 えておらず、人件費の増大が義務的な経費として財政を圧迫しているという分析は間違っている。予算に占める比率の面から見ても、平成7年には37パーセン ト、平成8年には36パーセントなのに対し、平成16年度は32パーセントにまで低下している。

 反対に予算全体に 占める比率を押し上げているのは公債費である。平成7年度には1764億円(8パーセント)、平成8年2230億円(10パーセント)なのに対し、平成 16年度には3988億円(17パーセント)に増大している。

 財政危機の原因は 景気の落ち込みによる税収減、最近の三位一体の改革による税源委譲が一向に進まないことなどもあるが、大きな原因は大型公共事業を県債の発行に頼ってどん どん推し進めてきたことである。そして今そのつけが回ってきており、今後も公債費は年々増え続け平成21年度には五千億円を超えると試算されている。

 借金で職員の給料 も払えない状況(平成10、11、12年度)なのに万博だ空港だとさらに借金を重ね一発当てようというギャンブル的愛知県財政体質こそ見直さなければなら ない。

映画紹介
       世界の中心で、愛をさけぶ

 ピカデリー、今池国際ほか上映中 
  
 300万部以上売れている片山恭一の同名小説を映画化したもの。

 高校生の二人の数ヶ月の愛の物語。

 主人公朔太郎は律子との結婚を控え引っ越しの準備も忘れて会社で寝泊まり。一方の律子は引っ越しの準備に追わ れ、荷物の整理をしていたとき、幼い頃の赤いカーデガンを見つける。そこに1本のテープを見つけ、それがきっかけでしばらく出かけると置き手紙を書いて失 踪する。

 10数年前に映像は戻った。

 二人が通う高校の校長の葬儀に代表で弔辞を読む亜紀。突然の豪雨で雨を避ける参列者の最後尾で雨に打たれても立 ちつくす写真館の親父。

 亜紀は勉強ができ、陸上部に所属するスポーツ万能のきれいな女子高生。一方、朔太郎はいつも焼きそばパンを食べ ていて、内緒でスクーター通学しているちょっと不良な男の子。

 そんな亜紀からスクーターで港まで連れて行くよう誘う。そしてラジオ深夜放送にリクエストしてどちらが先に ウォークマンをもらうか競争し、高校の文化祭でクラスでロミオとジュリエットをやることになり、ジュリエット役をやることになっていた女の子が白血病でや れなくなったという嘘の投書が読まれた朔太郎がウォークマンをもらい、亜紀はそれに怒る。そこから二人のテープの交換日記が始まった。

 亜紀がジュリエット役をやることになって二人は写真館の親父の片思いを聞く条件に、思いを寄せていた校長先生の 遺骨の一部を盗んでくる。

 友達が夏休みの終わりに無人島に1泊2日の2人だけのキャンプを演出してくれたが、結ばれず、翌日友達が迎えに きたとき、亜紀が岩の上で初めて倒れ、入院することに。

 彼女は本当に白血病だった。無人島で見つけた古いフィルムに、写真館の親父が世界の中心だと言うオーストラリア のウルルの写真が写っていた。それを見た亜紀はオーストラリアに行きたいという。朔太郎は彼女の誕生日プレゼントにオーストラリアへ行くことを計画するの だが。(た)

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