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県学労ニュース302号     2004/3/23発行
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大丈夫か?総合文書管理システム
もっとわかりやすい説明書と回線の十分な確保を

 この4月から総合文書管理システムが導入されるが、はたして順調にスタートできるだろうか。

 一人1台パソコンの導入に伴い、まったく合理化にならない新しい文書管理システムが導入されることになった。これは、国の電子政府、電子地方政府構想の一環として導入が図られたものである。

 約1ヵ月半の試行期間が設けられたが、説明会の後では20日間程度しかなく、推薦入試、一般願書受付などが重なり十分な試行ができず、不安を残したまま4月の本稼動を迎えることになりそうだ。

 このような大幅な制度改正にもかかわらず、説明が不十分で現場ではかなり混乱が生じている。システムで来る文書、紙で郵送で来る文書、システムで来る文書に紙の資料をつけて提出する文書、教務宛にシステムで来た文書、収受・供覧で終わる文書、収受・起案をして施行する文書、何がどういう形で処理されるのか、余りわからない。

 事務長を集めた説明会ではあまりにも大雑把な資料しか配られず、文書処理の具体的な流れがまったくつかめないままであった。

 その後の決裁者と起案者を対象にした操作説明会でも画面を見ながら言われるままに操作するだけで、文書の流れがどうなるのかという説明がなかった。

 危機感を抱いた事務職員は試行をやってみればわかるかと努力してみたがやっぱりよくわからない。おまけに試行も2月20日を過ぎると各校がやり始めたために処理が極端に遅くなり、イライラの毎日であった。もし、本稼動になったら当然すべての所属が一斉にアクセスすることが予想され、昨年の9月の旅費入力作業の時のようにシステムがパンクすることも考えられる。 文書システムなのでパンクして処理がストップするようなことになればその影響は旅費システムの比ではない。

 県学労は県教委に対して早急に総合文書管理システムでの文書の流れがよくわかる説明書を配布するとともに、このシステムが使うこととなる回線数の大幅な増加と学校へのシステム導入の延期を申し入れた。
 
 

                     2004年3月17日
 

 愛知県教育委員会教育長 殿
 

               愛知県立学校事務職員労働組合
                   執行委員長 田口龍司
 

     総合文書管理システムに関する要求書

 この4月から導入が予定されている総合文書管理システムは国の電子政府、電子地方政府構想の一環であるが、まったく合理化にならないうえ、非常にわかりにくいシステムである。学校ではこのシステムを利用して来る文書以外に紙で来る文書が多く、また教務関係の文書はこのシステムに全く乗らず、今までの文書管理と新システムによる文書管理の2本立てになり事務が煩雑になるだけである。
 システムの説明会や操作研修も2回行われたが、不十分でありとても事務職員がシステム全体を理解し、スムーズに操作できる状態にはなっていない。しかも、パソコンの接続に時間がかかり、このままでは4月からの本稼動の際に大きな混乱が生じる恐れがある。
 ついては下記の3点について早急に対応されるよう要求します。

1. 総合文書管理システムでの文書流れについて、パターン別にわか 
 りやすい説明書を作成し、配布すること。

2. 総合文書管理システム上でスムーズな処理ができるように、回線 
 数を大幅に増加すること。

3.当面学校での4月からの導入を見合わせること。
 

理不尽じゃないか!
まるまる1ヶ月働いたのに通勤手当が出ないなんて!

 今月、臨時的任用教諭の人から、「今月は通勤手当がでてないんだけどどうして?」て聞かれた。

 私は通勤手当をきっていないし、「それはおかしい」と教職員課に聞くことにした。

 彼女の任用は育休補充で働いていたところ、当該職員が産休になるため12月21日から産休補充となり、その終期が3月1日で、3月2日からは育休補充になって3月30日までの採用になった事例だ。

 通勤手当規則第17条1項で、支給の始期及び終期を決めている。そこには月の初日に採用された場合などはその月から支給され、月の初日に離職した場合は前月で支給を打ち切ると決めている。確かにそれ自体どこかで線引きをしなければいけないのだからやむを得ないことかも知れない。

 そのため産休補充の時は月の初日の退職だから通勤手当が出ず、育休補充になった3月2日は月の中途だから翌月からの支給だと言うことで、3月分は不支給になるという。

 まるまる1ヶ月を勤務した職員が通勤手当を支給されないというのは、おかしくない?

 たとえば、2月29日に退職になり、3月1日からの採用になれば3月分も支給されるし、3月2日退職で、3月3日の採用だって3月分は支給されるんだ。 極端に言えば、3月2日に退職し、たった2日間働いただけでも支給されるんだから、不合理ではないか。

 少なくとも同一人が職名(産休補充から育休補充に、療休補充から休職補充に)変更だけで1ヶ月をまるまる働いた場合は、始期終期にあたらないという具合にして、通勤手当をカットされないようにすべきではないだろうか。

 今後、育児休業期間が3年に延長されて、育休期間に次の産休が入ってくることが当然多くなるのだから、早急に検討する課題だろう。
 


書評 喪失の国、日本
インド・エリートサラリーマンの「日本体験記」
    M・K・シャルマ著  文春文庫 657円
 翻訳者が取材のためインド旅行で訪れたニューデリーのさびれた本屋で見つけたデーヴァナガーリー文字で書かれた私家本
 「日本の思い出」との出会いが偶然にこの本の出版に結びついたという。

 カースト制の残るインドから来た筆者は、自国の国際線エア・インディアの機内でまず驚く。後ろにいたアラビア人がビーフ・ステーキを頼んだからだ。ムスリムがビールを飲み、牛肉を食べようとするとは、不愉快に感じた。これはインド国営航空だから牛肉はでないとスチュワーデスがチキンのカリー煮を勧める。

 そんな彼が見た日本。おどろきの連続だった。その案内役の佐藤氏の文化認識もすばらしい。外から日本(人)を見たときどのように見えるのか。私たちの国、習慣を見直すいい刺激になる。おもしろいし、お奨め。(わ)

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