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県学労ニュース274号     2003/1/21発行
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これがセンター試験激励出張の実態だ

1月18、19日の二日間にわたって大学入試センター試験が行われた。

 県学労では、従前からセンター試験会場へ高校の教員が出張して、生徒を激励したり出欠をとったりするのは過保護であり、生徒の自立性を損なうものであるとして反対してきた。

 今年から週休二日制になり、土、日が休みになった中で、週休日の変更までしてセンター試験激励出張を行う学校があるのか、また現場でどういう事をやっているのかを確認するため、1月18日に名古屋工業大学へ出かけた。

 雨が降る中、JR鶴舞駅から名工大への道をセンター試験へ向かう受験生の後をついていくと、途中鶴舞公園の中へ呼び込まれている受験生がいた。私たちもついていくと、十人くらいの高校教員らしき人達が手に小さなカード(多分生徒の名表が貼ってあるのだろう)を持ちレジ袋の0キットカット(「きっと勝つ」をもじったものと思われる)を渡しながら出席を確認していた。通り沿いには鶴舞公園の門に「必勝愛知県立一宮興道高校」という横断幕が結びつけられ、横断幕のそばに一人の教員が立っていて、自校の生徒を見つけるたび公園の中にいる担任の所へ行くように指示していた。

 更に公園の奥からハンドマイクの声が聞こえてくるので行ってみると、五条高校の教員が加藤高明の銅像の台座の建っている一段高くなったところに立って50〜60人くらいの生徒を相手にハンドマイクで激励していた。以前新聞に載っていたような派手なパフォーマンスはなかった。短い激励会が終わると教員が使い捨てカイロを生徒達に配っていた。

 他の学校は教員が来ているのかどうかさえわからない中で、目立ったのは県立2校の教員集団と名古屋学院の歩道と車道の間のガードレールに立てられたのぼりだった。

  そして何よりも目立っていたのは河合塾で、やはりガードレールにたくさんののぼりを立て、歩道の両側に河合塾の腕章をつけたアルバイトとおぼしき10人くらいの人達が並んで、「頑張ってください」と受験生に声をかけていた。

 また、何故か名工大の門の横の塀に駿台予備校の横断幕がかけられていた。

 大学の中には受験生以外入れないので、門の外でわざわざ受験日当日に激励会をやったり、出欠を確認したりする必要があるのか疑問である。

 高校教員や管理職の自己満足、あるいは長年やって来たことなので止めると誰も言い出せず、惰性でやっているとしか思えない。

 高校の教員がいなくても生徒達は一人でセンター試験会場へ行き、受験できるのだから。

嘱託職員の報酬引き下げは
                                    労基法違反の疑い

 前号のニュースで指摘した嘱託職員の報酬の一方的引き下げについて抗議し、少なくとも職員の同意を得なければならないとの県学労の指摘により、県教委は該当校の職員に報酬引き下げの理由を説明し同意を得るようにした。しかし、県学労はやはり嘱託職員の報酬引き下げはおかしいと名古屋北労働基準監督署に照会したところ、監督官の回答は「公務員の場合、労基法が適用されるのは単純労務職員だけであるが、賃金という労働条件の大事なものを一方的に変更することはできない。労働者の同意が必要である。同意は文書でなくても口頭でも良い。」というものであった。更に「も し、同意できないという労働者がいたらどうなるのか」と聞いたところ「労働者が訴えてきたら、賃金不払いということで調査することになる」という回答であった。今回、全員がやむを得ず同意したが、もし一人でも同意せずに労働基準監督署に訴えていれば賃金引き下げができなくなり、嘱託職員全員の賃金を元に戻さなくてはならなくなる。このような危険な賭を行うことが許されるものかどうか、教育委員会の再考を促したい。

95%が参加する半田東高校の学習合宿

強制はない? 相変わらず冬休みにも学習合宿

 県学労は今年も冬休み中の学習合宿を行った学校を調査したところ、昨年と同じ5校で行われていた。いつも参加率でトップなのは半田東高校。なんと95パーセントの生徒が参加しており、何らかの強制があるとしか考えられない。半田東高校の学習合宿の目的は「学習習慣を確立し、自己の進路希望の実現に努める」、「集団生活における規律と協力の精神を体得し、社会性を育成する」というものであるが、これらの目的は何も学習合宿をやらなくても日頃の学校教育の中で十分できるものである。
 朝6時半の起床、朝の集いから夜10時の就寝まで食べて風呂に入る以外は学習時間で1日8時間以上やることがどこの学校も共通している。学習合宿で長時間学習をやらせれば学習習慣が身につくとでも思っているのだろうか。学習合宿に労力を費やすよりも日頃の学校教育に力を入れて学習合宿などやらなくてもすむようにすることこそが必要である。

渡邉のいきあたりばったり中国・蘇州、南京、上海の旅10(2002.8.20-24)

 8月24日、帰国の朝。いつものようにジョギングに出かける。高層ビルの陰に地方から出稼ぎに来ている人々の旅館がある。宿の前でシャツ1枚になって髪を洗う人、歯を磨いている人がいる。
  野菜や肉、シュウマイや肉まんのようなものなどを売る屋台が一斉に並び始めた。
  私はごま団子を買った。3つが串に刺してあって1元。ホテルに戻る途中で一つ食べる。しばらく行くと青いテントが見えた。市場である。庶民の食材はこういうところで売られているのかと中にはいる。魚屋ではフナや雷魚、カエルなどが生きたまま水桶で泳いでいた。鶏屋では鳥籠に生きた鶏が、その下に頭を落として毛をむしってある鶏がある。豚肉屋では無造作に肉が切り分けられてテーブルの上に置いてある。私は龍井茶を買った。
 ホテルに帰る途中で歩道の上におみやげ用品を売っている親子にあった。京劇の百面が描かれた扇子を10元で買ったが、歩きかけて開いてみると隅が破れていた。あわてて戻って交換してもらったが、母親が私に何か言うのだが、わからない。
 ホテルに戻って息子に扇子を見せると土産にいいというので、一緒に買いに戻った。もう親子はいなかった。あの母親の訴えていたのは何だったのだろう。
 再びホテルに戻って息子とBさんに朝買ったごま団子の残りをプレゼントする。
  帰国した日から3日、私は下痢に悩まされた。数日してBさんからお礼の電話があったが、彼も2日間下痢に悩まされたという。帰国日の朝のごま団子の油にあたったのかもしれない。Bさんに内緒にしておこう。(おわり)


 

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