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県学労ニュース270号     2002/11/13発行
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県内企業の業績は全国平均以下か?

人事委員会は勧告 △2.07%の根拠を示せ!

 11月6日に第2回目の給与改定交渉を行った。第1回口頭提示で民間給与との格差△2.07%の人事委員会勧告どおり実施したい
とした当局は文書提示してきた。

 勧告の根拠とする民間企業の調査対象をなぜ今回から千人以上の大企業を減らし、五百
人以下の中小企業を大幅に増やしたのか、公務員給与を減らすために母集団を中小企業にシフトして作為的な公民格差を作っているの
ではないか、人事委員会勧告が信用できないと不満が組合側から沸騰した。また、国の勧告が△2.03%であるのに対して県内企業
が他県に比較して好調な愛知県が全国平均を下回っているなどとは考えられないとの疑問についても回答を求めた。

 教職員課の説明によれば調査対象は以下の表のとおりである。

民間給与実態調査対象企業数
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│調査対象企業|1000人以上   |500〜1000人|100〜500人  |
──────────────────────────────────
|14年度   |129/1005企業|36/247企業 |160/1303企業|
|      | (12.8%)  | (14.6% )   | (12.3%)     | 
──────────────────────────────────
|規模別比率 |39.7%     |11.1%    |49.2%     |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|13年度   |182/713企業 |39/231企業 |104/1321企業|
|      | (25.5%)  | (16.9% )   | (7.9%)   | 
──────────────────────────────────
|規模別比率 |56%       |12%      |32%       |
──────────────────────────────────

 調査対象1000人以上の企業数129社(前年度182社)と53社も減らし、一方で500人以下の中小企業を160社(前年
度104社)と56社も増やしている。それでも13年度と変わりはないという。そんな馬鹿な話はないと、各組合からその根拠について人事委員会当局者からの直接説明を要求、教職員課は人事委員会への出席依頼をすることを約束した。(結局第3回交渉には出てこなかった)

 次に、3月期の期末手当の扱いについて、14年4月から12月の給料及び期末勤勉手当の新給料表との格差分を調整するということは遡及であり、地方公務員法は減額遡及を認めていないと追及されると、遡及ではなく、調整措置だといい、これから支給する期末手当から良いなどといういいわけで当局が何でもできてしまうなんてことは許されない。

 期末手当と勤勉手当の割合について、人事委員会報告の民間給与でも私たちの現行比率とほぼ一緒になっているのだから、比率を変
更する勧告は根拠がないと指摘すると、従前から国の制度に準じているから国の勧告に準じるんだという。自分たちが言った「民間の
動向を踏まえ、社会一般の情勢に適応するよう」見直しをするという基本的考え方に矛盾することには目をつむってしまう。

 扶養手当についても、民間準拠であれば報告書は配偶者を15900円とすべきだと指摘されても、給与勧告△2.07%のうちで
諸手当の調整をするからいいという。(第3回交渉では配偶者と子ども2人の合算額では一緒になると理由を変えた。)

 要するに、国の勧告に準じることが至上命題であり、県内企業の業績が上向いても(法人税収が増えるということ)給与の減額をは
かる必要があるということか。万博開催や中部国際空港の開港に向けて、国の意向に沿うよう職員給与を人身御供として差し出すとい
うのか。絶対許さない。
 
 
 

渡邉のいきあたりばったり中国・蘇州、南京、上海の旅6(2002.8.20-24)

 8月22日 (日)朝五時半に起きて中華門の様子を見れればいいなとジョギングにでた。「華中路」と書いてある道路標識に向かっ
て走り出したのだが、途中で道路名が変り、感を頼りに坂を登り、左に折れ、大きな道路にぶつかってさらに右にと走った。橋が見え
た。となりの小さな公園に「華中麗庭」の看板があった。門は整備のため壊されたのかと思って寄ってみると、片隅に「華中門外受難
者慰霊碑」が建っていた。ここに違いない。振り返ると、広場と思っていたところに門があるではないか。小躍りして、人々が朝の体
操をしているその門の前に立つ。そして、喜び勇んでホテルに戻り、朝食時に皆に報告した。

 八時半にガイドの朱さんがホテルに来た。まず江南門外にある万人坑といって、虐殺された人が埋められた発掘現場上に建てられた
「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館」を見学する。30万人もの人々が南京攻略時に殺害されたという人があり、虐殺はなかったとい
う人もいるが、何十万単位で人が殺されたことは人々の証言から間違いないだろう。そしてその責任は侵略軍である日本軍にある。そ
のことを踏まえ、その反省の上に立って中国と付き合うところから新しい歴史が始まることを日本人として自覚したいと思った。

 次に中華門に向かう。わたしたちが興味を持ったのは日本軍が押しかけ突破口を開き、多くの中国兵が死んだ場所だからだ。しかし
現場は南京虐殺の記念史跡としてではなく、3層の城壁を持つ南京市のメインゲートとして観光資源にしようと周辺を修復するとい
う。

 ちなみに、朝喜び勇んで皆に話した「華中門」は「漢中門」の誤りで、「中華門」とは別物だった。
 


 

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