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県学労ニュース264号     2002/8/14発行
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人事院、制度始まって以来はじめて
                   マイナス勧告2.03%(7,770円)
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勧告内容
・給料表の改定(全ての級号給の給料月額に
 ついて引き下げ)
・扶養手当 配偶者 16,000円→14,000円
 (2,000円引き下げ)
・子等のうち3人目以降 3,000円→5,000円
・期末・勤勉手当 4.7月分→4.65月分
・3月期期末手当を廃止
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 人事院は8月8日、人勧制度発足以来初めてのマイナス勧告を行った。その内容は以下のとおりである。
 今回の勧告の問題点は第一に、公務員の給料の引き下げは単に公務員労働者にとどまらず、年金生活者を始め民間企業の労働者の賃金引き下げをももたらすものである。
 日本の景気回復がもっぱら外需によって行われており、国内の消費が回復しないという状況の下でこのような賃金引き下げ勧告を行うことは、さらに消費を抑えることになり、景気回復にも悪影響を及ぼすことは必至である。
 第二に、今回の勧告は引き下げであるため、4月にさかのぼることなく、公布日の属する月の翌月から実施するとしておきながら、4月からの年間給与について実質的な均衡が図られるように、12月支給の期末手当で調整措置をとるとしていることである。不利益不遡及の原則からいっても、既に支払った賃金を剥ぎ取るというのは許し難い暴挙である。
 第三に、期末手当と勤勉手当の支給割合の変更である。今まで勤勉手当は年間1・15月分、期末手当が3・55月であった。それが勤勉手当1・4月分、期末手当3・25月分になる。
 今まで期末・勤勉手当として何ヶ月分という感覚であったが、今年度から勤評による勤勉手当の差別支給が始まったように、成績主義の導入によって差別支給がますます拡大されてくるおそれがある。勧告にあたっての人事院総裁の談話の中でも「苦労した職員や実績を上げた職員に対して、それに応じた処遇をすることが重要です」と言っている。しかし、一体誰が、どのような基準で成績評価をすることができるのか?公務労働という性格上、民間会社の営業のように売り上げ高で競うことはできないし、ごますり競争になるおそれも多分にある。
 4年連続の給与引き下げという異常事態に及び、人事院勧告制度はもはやその使命を終えたと言わなければならない。公務員労働者にも団交権、争議権を保障し、労使の交渉によって賃金、労働条件を決めていくというふつうのルールに戻すべきである。

8/5
昇給制度交渉報告

 8月5日の交渉では、前回提示された昇給停止年齢の引き下げ、定数内特別昇給の凍結、その他の特別昇給制度の見直しについて各組合の意見を表明するだけに留まった。
 まず教職員課から前回の交渉で宿題となっていた55歳で昇給停止した場合どのぐらい生涯賃金が減額されるのかという質問に対し、教職員課で試算したところ、行政職(一)7、8級で約百万円から百十万円、教育職(二)で約九十万円、教育職(三)で八十万円ほど減額になるという回答があった。また総務省の要求内容や新聞に出ていた公務員制度改革の記事の説明があった。
   その上で、各組合の意見を求められた。
 全ての組合から、平成10年に納得したかどうかは別にして、国が55歳昇給停止することに合せて愛知県では何もしないではいられないので、57歳昇給停止は受けてもらいたいと強引に決着をつけた問題である。受け入れられないと意見表明された。
 理由としては、経過措置が完結しないうちに更なる引き下げなど認められるわけがない。2級しかない教員の中に出世競争を煽り、生徒を見ない教員を増やす。国に合せる、国に合せると言うけれど、国が人事院勧告どおりに給与を支給していたとき、給与抑制で賃金カットしたのはなんだ。そのときは県の財政が厳しいからと言っておきながら、今度は財政が黒字であっても国に合せて昇給停止年齢を下げたい、特別昇給を凍結したいという。賃金カットした分を返してからものを言え。など厳しい意見が出された。
  組合側から、昇給停止年齢引き下げ提案について「財政的な問題なのか」と尋ねると、教職員課は「財政的な問題ではなく、制度的な問題だ」という。
    ならば、慌てることはあるまい。じっくり話し合って、平成18年以降どうすればよいのか協議すればいいのではないかという組合側に対して、教職員課は平成10年の決着は否定できないが、そこをどうにかできないかと提案しているのだという。話は進まず、次回交渉日程も組むことが
できず散会した。

国だって、育休配偶者の扶養認定は育休開始時の所得見込みで認定し、
                                                        その後の確認を必要としていないぞ!

育児休業者の扶養認定について、私たちは現況の所得で判断せよと要求しているが、県教委が指導しているような毎月認定基準に合致するかどうかを確認しなければいけないという不合理なことは国でもやっていなかった。
   国の行政実例によれば、「育児休業中の配偶者の扶養認定に当たっては、育児休業開始時から15日以内に届出がされている場合、育児休業開始時における所得見込みが人事院規則九‐八〇第2条第2号に定める額を下回っていれ ば、育児休業の全期間について扶養親族と認定し、その後、職務復帰の時期が近づいたとしても、改めて年間所得の確認を 行う必要はない。照会の事例のように届出が遅延した場合であっても、育児休業開始時点で見込まれる年間所得について確認を行い、同号に定
める額以下であれば扶養親族として認定することが適当である。(平成五・三・二九 給三‐三六給与第三課長回答)」として、届出時点ではたとえ向こう1年間の年間所得が基準を超えることになっても、育児休業開始時点で見込まれる年間所得が下回っていれば認定すべきだとしている。
   いろんなことに国に準拠したがる教職員課だけれど、こういうことは真似しないのかね。


 

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