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県学労ニュース263号     2002/7/31発行
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55歳定昇ストップなど聞く耳持たぬ
 7月19日県教委交渉報告
 特別昇給の見直しについて提示したいというので、出かけてみれば、メインは55歳昇給停止、ついで16年度から定数内特昇の凍結、その他の特別昇給についてのあり方の検討というものであった。
 理由は総務省の指導があること。給与抑制が解除されてラスパイレス指数が一気にトップクラスに踊り出るので、「何もしないでいるわけにいかない。」というのが理由でした。しかし1999年1月の交渉で、60歳まで昇給してきたものを国が55歳定昇ストップするので、愛知県としても何もしないわけにはいかない。57歳昇給停止だけはやらせて欲しい。実質的な損失を極力なくすことで妥結したものである。まだ経過措置の期間内(17年度で完結)であり、新たな制度改革があったわけでもないのに、約束を反古にしてまで変更する理由がないと、組合側から批判が相次いだ。
 教職員課も以前の交渉経過は承知していると言い、提示自体が唐突過ぎることを物語っていた。しかし、定昇ストップ年齢について他県の状況を見て再度交渉することになっていたという言い訳をしたが、当時の交渉記録を見ても、当時課題で残したのは、退職時特別昇給で、「12年度からの見直しに向けて、引き続き話し合うこととしたい」というものであった。
 課題をすりかえてもらっては困るというものだ。
 次回交渉は8月5日に行われる。
 
 
 
 
 
 
 
 

新旅費制度研修会始まる
旅行命令書
   本人記入の徹底を!
 10月1日の新旅費制度の導入に向けて7月29日から3日間、研修会が開かれた。
 今回の旅費制度の改正は実費主義を原則としている。学校現場では様々な不安の声を聞くが、果たして円滑にスタートできるのだろうか。
 実費主義と言いながら、すっきりしないところがある。運用Q&Aの質問20と質問21の矛盾である。小倉に行くときに「ひかり」に乗って行ったのに「のぞみ」料金を支給するという。また質問21では特急料金は特急が運行されている区間であれば支給するという。しかし急行については実際に使用した場合にだけ支給するという。特急列車は乗ろうが乗るまいが、80キロ以上で運行されていれば支給し、小倉以遠については「のぞみ」料金を払うという気前よさはどこからくるのだろう。
 実費主義を貫くなら、いかなる場合にも乗車しなかった場合はその料金を支給しないとするべきであろう。航空機についても領収書等で確認し、割引航空券を使った場合はその運賃を支給することとなっている。
 また質問58でユリカ及びバスカードは役務費、ハイウェイカード、駐車場回数券は使用料及び賃借料で購入するとなっているが、ユリカやバスカードがどうして役務費になるのであろうか。ユリカやバスカードを使ってバスや地下鉄に乗る職員は荷物だとでも言うのだろうか。当初の提案では使用料及び賃借料であったのに、いつの間にか変更されている。
 次に自家用車出張で所属から同じ目的地まで何人かの職員が行った場合に、申告された距離が違っていてもかまわないというが、今後監査等において問題にされることがないか疑問である。
 最後に旅行命令書は本人が書くものであるということを、特に校長にも徹底して欲しいものである。


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 書評
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「ニュースキャスター」  筑紫哲也著  集英社新書  660円
 筑紫哲也氏はTBSテレビ「ニュース23」のメインキャスターであることはほとんどの方がご存知だろう。
 そして、以前「朝日新聞」にいて、「朝日ジャーナル」という雑誌の編集長をしていたということまでは記憶に残っている人も多いだろう。
 「朝日ジャーナル」が廃刊になってどうしているのだろうと思っていたところ、朝日系列ではなくTBSテレビの「ニュース23」のメインキャスターになった。なぜだろうか。
 日本では「ニュースキャスター」というけれど、これは和製英語で、テレビの本場アメリカでは「アンカーマン」というらしい。ニュースを提供するために取材などをして集めてきたものをいろいろなスタッフがつなげて、最後にまとめて発言する人、まさしく「アンカー」だそうで、アメリカ人でも船の錨の「アンカー」と間違えている人が多いそうだ。
 そのアンカーが最後に何を視聴者に伝えるのか。そこにキャスターの個性が出てくるのだろう。
 オウム真理教が坂本弁護士一家殺害に至ったのは、TBSテレビが坂本弁護士一家を取材したテープをオウム真理教に渡したことが動機であるとわかったとき、キャスターを降りる予定であったという。
 いろいろ話題になった時の人(批判が強くなってきた時期にHIVの安部氏だとか、オウム真理教幹部だとか、鈴木宗男や田中真紀子)との対談をどちらかというと、批判せずに言い分を語らせるというかたちでやっているが、批判も多いらしい。そうした日はスタジオに入る前、スタッフ一同に今日は(苦情が)来るよと合図を送るそうだ。
 なぜそこまでしようとするのか。悪人にも3分の理があるという先人たちの知恵を学んでのことらしい。
    そんなニュースを作っていく人々の営みの裏側が書かれており、これからニュースを見る視線がちょっと面白いもしれない。(わ)


 

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