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県学労ニュース259号     2002/6/6発行
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分煙が守られている学校168校?!

   愛知県立施設分煙推進計画遵守状況調査結果

 平成14年3月18日付で「愛知県立施設分煙推進計画」の順守状況を把握したい(今年の3月末が目標達成年度であるので)という健康福祉部次長からの調査依頼があった。
 県学労では各県立学校から提出された調査票を入手し、集計した。 今回の調査も質問の仕方が悪いので実態を正確に反映したものとはなっておらず、県立高校一六八校が分煙が「よく守られている」、「概ね守られている」と回答している。おそらく職員室に設けられた喫煙コーナーや、喫煙室がある学校は守られているとしているだろう。しかし、分煙推進計画では県職員が利用する執務室については原則禁煙とし、受動喫煙の被害から県民(学校の場合は生徒)を守るとしている。はたして一六八校もの県立学校が生徒や非喫煙者のためにきちんと分煙が行われているだろうか。
 学校の多くは職員室の他に各教科の準備室や図書室、進路指導室、生徒会顧問室、指導室等々の部屋があり、それらの部屋には常時生徒も出入りしているが、それらの部屋が禁煙になっているという学校は珍しいのではないだろうか。
 「あまり守られていない」5校、「全く守られていない」1校、「場所によって異なるので一概に言えない」5校、合計11校では分煙が徹底していないという回答が出されている。
 また、「概ね守られている」と答えている学校の中でもいくつかの学校が分煙を実施する上で問題点があるとしており、全体として45校に上っている。その内容の多くは喫煙室にする空き部屋がないという問題であり、これらの学校では喫煙コーナーしかなく、煙が室内に拡散しているのが現状である。
 「分煙が守られていないのはどこの場所ですか」という問に対する回答では「職員室」、「各準備室」、「会議室」等があげられており、多くの学校でも同じだと思われるが問1で分煙が守られていないと答えると「場所」や「理由」、「対策」を書かなければならないので面倒だから「よく守られている」、「概ね守られている」に○をつけた学校が多いのではないだろうか。
 分煙が守られない理由としては、喫煙室が1カ所しかなく遠いとか、授業の間の十分間の放課時間に喫煙室に行ってたばこを吸うのが面倒だから自分の席で吸ってしまうというのが主な理由である。中には喫煙室がなくなったのでという学校もあった。
 対応方法としては「窓を開けて吸う」とか「屋外、換気扇の下、廊下の窓より外へ向かって吸う」、「喫煙時、換気扇を回している」等あまり有効な対策はないようである。
 本来なら、教育委員会が率先して児童・生徒を受動喫煙から守り、喫煙習慣をつけさせないために学校内禁煙とし、児童・生徒から見えないところで喫煙するように喫 煙室を設置するべきである。しかし愛知県教育委員会はたばこ問題に対して常に後ろ向きの姿勢で、県学労の再三にわたる校内全面禁煙要求(喫煙室でだけ喫煙できるという意味である)に対しても学校長の判断に任せていると責任逃れをしている。
 改めて、教育委員会の責任を追及するとともに、早急に和歌山県同様、校内全面禁煙を各県立学校に指導するよう要求する。

分煙推進計画遵守アンケート調査集計表
問1 貴所属・施設において実施している分煙は守られていますか
  ア よく守られている  イ 概ね守られている  ウ あまり守られていない
  エ 全く守られていない  オ 場所によって異なるので一概に言えない
問3 分煙を実施する上で、何か問題点がありますか

(今回の調査票をまとめたものが県学労ホームページに掲載してあります。もし実態と違っている学校があったら連絡してください。)

再び意見する
  見直そう!
      周年事業の物乞い

 今年も2001年度分の寄付の受け入れ状況を調べている。
 そこで気になったのが少し自制してきたかと思われてきた周年事業の寄付行為の巨額化だ。県教育委員会が整備予算をあまり出さないなら自分たちで捻出しようと各学校が考え出した策かもしれないが(現在全県調査中)。
 周年事業がすべて悪い訳ではない。同窓生が年齢の壁をこえて、同じ学び舎で学んだという仲間意識を持ち、交流を深められるいい機会であると言える。そのために同窓生たちが自主的にレセプションなどを企画するなら何ら問題はないだろう。
 ところが、いまほとんどの学校で進んでいる周年事業は、まず学校職員の方から動き出し、同窓会長やPTA会長など金銭的に余裕のある名誉職的な人を中心に据えて記念事業実行委員会を作っている。そして直前に周年事業をやった学校を手本にして、学校側が寄付してもらいたいものや整備して欲しいものを獲得するために寄付金集めを行っている。
 そして、確実に目標とする寄付金額を集めるために教育活動を犠牲にしているとしか思えないような活動に全職員を巻き込んでいる。出入り業者への寄付及び広告依頼、在校生の保護者に寄付は任意だといいながら、執拗に督促を繰り返させ、全く非教育的だと言わねばならない現象さえ起こってくる。
  そうして集めた多くのお金を湯水のように使って、庭園などを学校に残そうとする。それはあたかも特定の職員が自分の業績として記念碑的な造形物で学校を飾るような趣味的なものである場合もある。
 昨年度中に現状変更申請が県教委に出されているものの中で、例えば刈谷北高校の場合。ここは80周年記念事業実行委員会が築庭分として1050万円を費やしている。それにパソコン等で440万円、計1500万円を寄付している。これに記念式典、記念誌の作成などでどれほどの寄付金を集めただろう。
 また、豊橋東高校では100周年記念事業実行委員会が日本庭園で1195万円の寄付金をつぎ込んでいる。また、卒業25周年記念ピアノ積立金などという、25年も前の卒業生たちが何年かに亘って積み立てたというらしき不思議なお金で、577万5千円のグランドピアノを寄付をしたという。それらを合せると計1772万円余が寄付されていた。どういう形で寄付金が集められているのか、気になるところだ。
  その他にも、成章高校では100周年記念事業実行委員会が雑工作物に300万円、放送装置や楽器類に500万円余を寄付している。変ったところでは安城農林で乗馬クラブを作ったのか、サラブレット2頭を始め乗馬用の用具等で400万円を含めて700万円余の寄付を受けているところもある。
 周年事業に名を借りた物乞い寄付は止めよう。


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