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県学労ニュース256号     2002/4/23発行
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県教委は周年記念で校門は寄付受納しないはず
             岡崎商業高校で進んでいる周年事業計画に疑問符!
   昨年6月、県学労236号で岡崎商業高校の100周年記念事業で五千万円の募金計画を批判したが、そのとき前庭整備(校門含)千五百万円と記載されていた。「校門の寄付は受けないよ」と何度か言ってきたから、県学労として当然変更されるものと思っていた。ところが、話が煮詰まってきて、業者と契約する前に現状変更の手続きをしなければいけないということで事務室に話が持ち込まれてきた。
 門柱も取り壊して新しいものに変えるという当初どおりの計画らしい。
 そこで、「門柱の寄付採納は県教委が受け付けませんよ」と助言すると、もう話は進んでいて県教育委員会への周年記念事業の届けも受理されているというではないか。
 それはおかしい、前任校でも門柱は県が整備すべきもので寄付は受け入れられないと答えていたはず。財務施設課に問い合わせたところ、方針は変っていないという。
   これを職場に戻って事務長に話すと、「周年記念事業の届に門柱の寄付も書いてある。いまさら駄目だと言われても、募金趣意書にも書いてあるので変えられない。」といわれる。寄付金の免税措置をするためには県教育委員会の承認がいるので、確かに寄付行為について県教育委員会は承認しているはずであり、そのことの責任は県教育委員会にある。
 しかし、平成8年12月10日付け管理課長通知で示された「物品の寄付受入基準等について」によると、管理運営的なものの受け入れはしないことを校長等(なかんずく事務長)は知り得たはずである。最初の計画段階から学校の立場として門柱の寄付は受けられないことを説明し、どうしても門柱を直したいと希望されるのなら、県教育委員会に直接要望して欲しいと同窓会メンバーに告げるべきだっただろう。
 門柱を含めた前庭整備やコンピュータの整備に当てるとして寄付を集めてしまっているからどうするのだろう。
 周年事業は同窓生が世代を超えて学校の発展を祝う行事である。交流しあえる場の設定にお金を使えばいいのであって、これを機会に学校環境の整備を要求する学校側のあり方も問題ではないだろうか。また、県教委も学校整備予算が大幅に削減されて必要な整備すらできない各校の現状を深刻に受け止め、必要な予算を確保するよう一層の努力をすべきである。
 県教委も各県立学校も今後の周年事業のあり方について再考してもらいたい。
 
事    務    連    絡
平成8年12月10日
 各県立学校長殿
                                             管理課長

物品の寄付受入基準等について(通知)

このことについて、今後下記のとおり取り扱うこととしたので、事務処理を適切に行ってください。

1 基本的事項
 (1) 寄付を受け入れる物品は、寄付申出者の自発的・任意による物品で、学校教育に寄与
   するものであること。
 (2) 寄付申出者の宣伝又は売名行為の恐れのない物品であること。
 (3) 寄付を受け入れる物品は、政治的、宗教的性格を持たないものであること。
 (4) 寄付受入れ後の維持管理に多額の経費を要しないこと。
 (5) 県において整備基準を定めているものについては、基準を著しく超えないこと。

2 個別事項
 
区 分 受 入 基 準 寄 付 受 入 物 品 例
卒業記念 1 基本的事項を満たしていること。
2 卒業記念としてふさわしいものであること。
3 私費負担軽減の趣旨が十分考慮されていること。
絵画、置物、トロフィー等の飾り戸棚、置時計、テント、校庭用ベンチ、楽器、液晶ビジョン(学校行事用に限る。)
PTA 1 基本的事項を満たしていること。
2 私費負担軽減の趣旨が十分考慮されていること。
絵画、置物、トロフィー等の飾り戸棚、置時計、テント、校庭用ベンチ、部活動・クラブ活動用備品
同窓会 1 基本的事項を満たしていること。
2 その団体等の設立趣旨にそうものであること。
3 学校間の均衡が十分考慮されていること。
図書、絵画、置物、図書戸棚、トロフィー等の飾り戸棚、置時計、テント、校庭用ベンチ、部活動・クラブ活動用備品、液晶ビジョン、8ミリビデオカメラ、ビデオデッキ、モニターテレビ、ピアノ、体育館演台、暗幕等、冷水機(生徒用)
周年事業 1 基本的事項を満たしていること。
2 経費を集める手段が強制的でないこと。
3 私費負担軽減の趣旨が十分考慮されていること。
4 学校間の均衡が十分考慮されていること。
図書、絵画、置物、図書戸棚、トロフィー等の飾り戸棚、置時計、テント、校庭用ベンチ、部活動・クラブ活動用備品、液晶ビジョン、8ミリビデオカメラ、ビデオデッキ、モニターテレビ、ピアノ、体育館演台、暗幕・緞帳、校旗、トレーニング機器、パソコン・ワープロ(教材製作用)
篤志家
篤志団体
1 基本的事項を満たしていること 図書、絵画、置物、図書戸棚、部活動・クラブ活動用備品、液晶ビジョン、8ミリビデオカメラ、パソコン・ワープロ(教材製作用)

(連絡先 管理課 義務管理・高校管理担当 内線3833・3834)


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 書評
「車を捨てて歩く!」     杉田 聡 著  講談社+α新書  七八〇円
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 車依存症の人たちが増えてきている現代社会において、クルマの持つマイナス面(年間1万人もの死亡者がでている交通事故、排気ガスによる大気汚染、車利用による体力の低下等々)とクルマを捨てて歩くことによるプラス面(体力がつく、自然の変化に気がつくようになる、時間を合理的に使うようになる、お金が貯まる等々)を実体験に基づいてまとめている。
 ちょっと極端な言い方をしている部分もあるが、クルマのもつ様々な問題点を全体としてよくまとめている。
 私も自宅から名古屋聾学校まで35分歩いていたが、実に気分が良かった。冬でも歩いているうちに体が中から暖まり、そんなに寒さは感じない。帰り道、歩いて帰ると空腹感で夕食がおいしく食べられるし、道々季節の花々を見ながら歩くことによって季節の移り変わりによく気がつくようになる。
 クルマの便利さと引き替えに私たちが失ったものはあまりに大きすぎないだろうか。
 一つ手前の駅で降りて歩くということで、あなたも歩く楽しさを体験してみませんか。歩くことになれてくるとだんだん長い時間歩くということに抵抗がなくなり、1時間でも歩くことができるようになるから不思議である。
 歩くことによって、今の道路がいかに車中心のものになっているかがよくわかる。
 全国に赤字高速道路を建設するよりも、交通事故防止につながる人に優しい道路作りのために予算を使い、クルマ依存社会からの脱皮を図るべきである。(た)

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