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県学労ニュース252号
2002/2/19発行
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冬の学習合宿、県下4校
異常な参加率の高さは?
相変わらず冬休み中の学習合宿が続いている。今年度の実施校は上表の4校で、時習館高校は今年から止めたようだ。学習合宿の期間も豊田西が5日から4日に、豊野と大府東が4日から3日に短縮されてきた。
目的は相変わらず「自ら進路実現の道を切り開くための方法を見つけるための契機とする」とか「学習習慣を確立し、自己の進路希望の実現に努める」という大学入試を念頭に置いたものと、「集団生活における規律と協力の精神を体得し、社会性を育成する」、「規律ある集団生活を通じ、人間的な触れあいを深め、信頼関係を確立する」という集団生活の確立を目指したものであるが、実施校を見ると大学入試対策としての学習合宿に思えてならない。
もし実施校が掲げる目標が本当だとしても、日ごろの学校現場ではこれらのことが十分になされていないということなのであろうか。
冬休みに多くの職員と多額の旅費を使ってこんなことを行わなければならないというのは、日常の指導体制に問題があると言わざるを得ない。県教委は学習合宿の実施については各学校の判断に任せていると言っているが、日常の指導不足を長期休業中に補うというのは問題である。校長はじめ管理職の責任が問われるべきではないか。
書評 「コンピュータが子供たちをダメにする」 クリフォード・ストール著
草思社 1500円
「コンピュータは空っぽの洞くつ」の著者が教育現場へのコンピュータ導入について批判している。
彼自身も言っているがコンピュータの教育現場への導入自体に反対しているわけではなく、その利用方法が問題である。日本より一足先に教育現場にコンピュータが導入されたアメリカでどんな問題がおこっているかを具体的な例をあげて紹介している。
教科書を持たせる代わりに生徒一人一人にノートパソコンを持たせているテキサス州やカリフォルニア州の公立学校、パソコンでは本が読めないという実状、幼稚園にも導入されてお絵かきをさせている現状が子供たちに何をもたらしているか。テレビを見る時間は制限するのに、パソコンをやる時間は?まるで数年後の日本の姿を見ているよう。
後半ではハイテクツールに対する批判的考察がなされている。次々と新しくなるパソコン本体とソフトウェア、その操作を習得して慣れてきた頃には、また新しい機械とソフトが出て絶えず操作方法を覚えなくてはならない。また情報力の差が問題だと言われているが、情報と知識は別物である。インターネットでコンピュータに向かっている時間が、読書の時間に比べて多くの知識を手にしているだろうか。家族や友だちと過ごした時間よりも彼らとの関係を親密にできただろうか。書籍購入費よりもパソコン等の情報機器の整備に金をかけ、今その機械の更新に予算をとられているというアメリカの図書館の悲惨な現実。中古パソコンの迷惑なリサイクル(古いパソコンは子供たちにとっても古い、維持管理に金がかかるだけである)等々。
日本でも「IT革命」のかけ声の下、学校現場へのコンピュータの導入が急速に進められているが、今一度考えてみる必要があるのではないだろうか。パソコンの使い方などパソコンを買ってから覚えればよいもので、全国民がパソコンを使えるようになる必要はない。ワードやエクセルなども会社に入って社員教育でやるべきことを、学校で教えておけば社内教育が省けるという企業側の安易な要求である。最近は、各教室からインターネットを使えるようにとLAN工事が行われ、各教科でインターネットを利用した教育を行うようにと言われているが、果たしてインターネットが(ブラウザーの閲覧やメール、HPの作成等)教科指導に有効であろうか?10年後、かつてのLL機器や集団反応分析装置のように、倉庫の片隅でほこりまみれになっているパソコンの山を想像することは難くない。(た)
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