県学労ニュース230号     2001/3/6発行

財政課の財政説明で納得させるものなし
どうして給与の減額をしなければならないか
(3月2日財政説明会で)

  県教委は昨年末以来、給与減額をする理由がないと訴えていたわたしたち組合に対して、平成13年度予算案ができたのを受けて、財政課による平成13年度予算案についての説明会を開いた。
 歳入については、緩やかな企業部門の改善が見られるとして法人二税の増加を昨年度当初予算と比較して14%、500億円増を見込んだ。しかし、郵便貯金の10年満期のピークを過ぎた利子割については12%減の百億円減収を見込んでいる。さらには、人減らしや賃金抑制の影響を受け個人所得の減少により、個人県民税減収が続くとみており2.3%ダウンの36億円。土地価格の下落や不動産投資が進まないために不動産取得税も7.6%ダウンの26億円、軽油引取税が色々な要因から37億円減、その他地方消費税精算金が1.7%、23億円減、地方交付税が県税の増収に反比例する性質から17.9%、250億円減収の見込みとなった。こうしたことから、財政課は全体として大幅な増収が見込めないと説明した。
 それでも全体で2.1%増の2兆3028億円を計上した。そこには一般財源不足の歳入を埋める県債の発行11.6%、288億円増の2778億円も計上されている。これでは、県民負担を後年に繰り延べているに過ぎず、抜本的解決方法が見えてこない。
  歳出については、一般会計2%増で立案した。主な増額分は森総理が提案したIT革命のための予算や、あいち万博・中部国際空港建設関連予算、東海豪雨を教訓とした防災計画見直しによる積極的な河川整備予算である。しかし、これらは土建業などの利権に直接関係する予算であり、注視していく必要がありそうだ。
 これを会計(款)別でみると、空港関連で企画振興費が12億円増、防災対策で県民生活費が10億円増、遺児手当等で健康福祉費が66億円増、建設費が123億円増、警察費が人員増で19億円増、災害復旧費は3年かかるためその初年度の今年は24億円増、公債費は元利償還額増加で224億円の増などがある。
 この予算を作るのに連動させた平成12年度2月補正を見ると、歳入で基金の繰入213億円をやめ、歳出で減債基金への満期一括償還積立123億円を行なうことで合計336億円もの調整をしている。本来ならこの336億円で平成11年度決算での赤字額91億円を全額埋めて、なおも245億円の黒字が出ていたのだ。当然カットした職員給与を返還すべきなのに、なんと平成13年度予算を作るのにお金がないのでそちらに回したということだ
 交渉時に12年度の財政状況を明らかにしろと要求しても出てこなかったはずだ。このようにして組合を欺きながら13年度予算は12年度の黒字分を回すことで作られたものである。
 


 

授業料減免制度の見直し
約2億円の増収(13年度は7000万円)ということは!
  先回のニュースで県議会各会派に要望書を送付したことをお知らせしたが、県教委は先週県立学校にメールで取り扱い変更を指示してきた。新聞によれば、この改悪によって約2億円の増収を見込んでいることが判った。
 市町村民税5000円以下の者、児童扶養手当一部支給の者、就学援助受給者などがその影響を受けることになる。県教委の試算で年間所得約300万円から400万円の者がカットされることになるようだ。
  県教委がそれで今年度7000万円の増収を見込んでいるということは、一人約11万円だから、県下でざっと630人の生徒の親に経済的な負担を強いることになるわけだ。高校生のいる家庭で年間所得約300万円から400万円という生活実態はどう考えているのだろうか。
  福祉を切り下げても万博を!ということか。情けない。
 

相変わらず続けられる冬の学習合宿

 県学労の調査によると、今年の冬休みに学習合宿を行った学校は昨年度と同じ5校でした。上記の一覧表を見ると半田東高校の94%という参加率が相変わらず目立ちます。
 学習合宿の目的は異常な参加率の半田東高校では
「(1)学習習慣を確立し、自己の進路希望の実現に努める。(2)集団生活における規律と協力の精神を体得し、社会性を育成する。」、豊田西高校では
「(1)長時間継続して学習する習慣を身につけるととともに、学習意欲を高める。(2)自主的、かつ計画的に学習する態度を養う。(3)学校から離れて、新しい自然環境の中で心身のリフレッシュを図る。」というものです。
 他の3校でも同じような目的で行われています。要するに冬休みの4〜5日間を学習合宿に参加させて勉強させるというのが目的です。しかし、冬休みや夏休みなどの長期休業中は学校での勉強を離れて、いろいろな体験ができる貴重な期間です。にもかかわらず、朝から晩まで缶詰で1日中勉強に没頭するというのは、何か大事なものを忘れていないでしょうか?
 大学進学のために、保護者も学校も生徒の尻を叩いて勉強させていますが、「良い」大学に入ることがその生徒の人生を幸福にすることにはつながりません。生徒のためというヴェールを被せながら、その実、教員達や管理職が国公立大学に何人合格させたかということを近隣の高校と競っているのが現実です。
 一部の生徒の学習機会を確保してやるために、何十万という県費旅費と教員達の時間や労力が費やされているのです。県の財政が大赤字で職員の給与も削られているというのに、このような県費の無駄使いが行われていることに対して憤りを覚えます。


   
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