県学労ニュース225号     2000/12/18発行

許せるか!
財政状況、抑制の根拠も明らかにできずに、
                3パーセントの給与抑制を提示!

 12月13日、給与抑制問題の第1回交渉が行われた。

 2年連続給与抑制をして職員に多大の犠牲を強いてきた。来年は給与を本来の給与に戻し、過去2年間の削減してきた給与の補償をどうするかを交渉するものと思って忙しい中出かけていったが、県当局の口頭提示は次のようなものであった。

 この提示に対して全ての組合からこんな提示は認められないと強い調子の非難が県教委当局に浴びせられました。
  県当局は財政危機、財政危機と声高に叫んでいるが、平成11年度は単年度で見る限り130億円もの黒字を出しているのです。そして平成12年度の財政状況を聞くと税収が1月にならないとわからないという始末です。
 11年度黒字を出し、12年度の収支見込みもわからない現在、来年度の給与抑制を提案するなどもってのほかです。

   当局は更に今回の抑制は、県民に犠牲を強いているので職員も血を流さなければという補足説明をしましたが、「県民に対しては県職員も給与を抑制して我慢していると言って福祉や教育関係の補助金をカットし、職員に対しては県民の我慢も限界に来ていると言って給与抑制をしようといているのではないか」と組合から批判されました。また他府県の給与抑制の状況を並べ立て、だから愛知が給与抑制をやめるわけにはいかないということも補足説明で述べましたが、平成11年度に真っ先に給与抑制に踏み切ったのは愛知県です。だからやめるのが一番だからと言って尻込みする必要はありません。愛知が給与抑制を解除すれば、他府県もやめるきっかけになるでしょう。

   平成11年度は財政再建団体に陥らないためという口実で給与抑制し、平成12年度は財政健全化のためにと言う口実になり、そして13年度は県民のみなさんにも犠牲を強いているので職員も給与を犠牲にしなくてはと言う口実です。

   理由は後からなんとでも付けられます。理由もはっきりしない、先ず給与削減ありきと言う県教委当局のやり方に対して断固として反対していきます。

   財政危機は言うけれども、財政再建計画は一向に作らない県当局。いや空港、万博があるから作れないと言うのが本音のようです。そして声高に叫んでいる財政危機に関しても、それがどの程度なのかわからない。その説明を求めるとあやふやな答えしか返ってこない。しかしこの間、財政課を呼んでの勉強会などを通じて、当局が錦の御旗にしてマスコミにリークしている財政中期試算も職員の給与や県民の福祉や教育水準を切り下げるために作られたものであることがわかってきました。全ては万博、空港のために、そして国の求める公共事業のために。そのためには職員の給与や経常経費も削減し、更に県民にも福祉や教育水準の引き下げを強要するという神田県政の本質が明らかになってきました。

 提示の最後にもったいぶって臨時的任用職員の年休繰り越しについて「認めることとした」と言っていますが、組合の追及によって、今まで認めてこなかったことが労基法上疑義があったので、今回改正したというものだということが明らかになりました。
 
 
口頭提示(12.12.13)

「次年度の給与抑制であるが、検討に検討を重ねた結果、大変申し訳ないが組合員ベースで『給料と調整手当で3.0パーセント』お願いしたい。管理職については、これに管理職手当及びこれにかかる調整手当の10パーセント削減でお願いする予定である。

 この背景となる本県財政は依然として厳しい状況にあり、来年度の予算編成に当たっては、財政再建団体に陥らないことはもとより、財政健全化に向けてあらゆる対策を講ずる必要があることから、財源の積極的な確保に努める一方、事務事業全般にわたり、廃止、休止をも含めた徹底した見直しを図り、原点に立ち戻った視点から歳出の抑制に取り組んでいくこととなっている。

 こうした取り組みの一つとして、来年度予算そのものにシーリングを設けていることはご承知のとおりであるが、11年度は前年度予算額の70パーセント、12年度はこれに70パーセント、13年度は今までの内容に加えて更に90パーセントという極めて厳しいものであり、更にその上で、予算査定を通じて縮減に向けた具体的内容がこれから2月にかけて詰めていくことになっている。

 この結果、県民の方々にも引き続き我慢を求めていかざるを得ない状況の中で県自らの内部努力として実施している人件費の抑制については、職員の士気への影響など様々な角度から検討したが、解除は困難と判断せざるを得なかった。しかし抑制額についてはボーナスの支給割合の引き下げ等を考慮して判断させてもらった。

 この結果、抑制額は総額ベースで148億円で、本年度の222億円の3分の2となる。3年連続となる給与削減を提示する私どもとしても大変つらいし、また皆さん方の期待に応えられず、申し訳ない気持ちで一杯であるが、是非ご理解とご協力をお願いしたい。なお蛇足になるが、行(一)職員でモデルを設定し、給与抑制後の年収について12年度と13年度を比較してみると、単純には定期昇給分の12万円程度が増収になった。

 次に休暇の関係について、臨時的任用職員に対する年次休暇の繰り越しの適用については、正規職員と同様に認めることにした。

 なお、その他の要求については前回提示通りとさせていただきたい。」
 

旅費制度改正一歩後退! 
      県内旅行にも旅行雑費(100円)を支給?

 12月7日、旅費制度改正の第2回目の提示があった。実費主義の徹底により旅行をすることによって儲けるという構造を改革しようとして始まった旅費制度の改正であったが、ここにきてまたぞろ訳の分からない旅行雑費なるものが新設されてきた。それは30キロ以上(市町村役場間の直線距離)の県内旅費に旅行雑費(通信連絡)100円を支給するというものである。せっかく実費主義の徹底を貫く旅費制度の改正が踏みにじられ、なし崩しにされかねない内容である。

 今回の提示では次の項目について変更があった。

「宿泊料」
 甲地方、乙地方の区別がなくなり一律12000円となった。また、研修旅費の宿泊料についても1次案では9100円と普通旅費との差が1700円から2900円もあったが、研修で泊まっても普通の出張で泊まっても宿泊費は変わらないので同一にすべきだとの組合の意見が聞き入れられ、普通旅費と同じ12000円が上限となった。

「車賃」
バスが運行されているところでは、バス運賃を支給することとなった。
「県外旅行の交通雑費」
1200円が1300円に引き上げられた。

「自家用車の公務使用時の旅費」
目的地までの直線距離による定額、あるいは役場間の直線距離+5キロに1キロ12円の単価をかけるというものであったが、距離については職員の自己申告についても検討中ということであった。

「通勤手当との併給調整」
鉄道については1次案通り調整するとしながらも、自家用車使用については調整をしないという。ここでも一歩後退している。陸路については調整しないとしていたが、路線バス調整をするということになった。自家用車使用者に著しく有利となる内容である。同様に通勤手当の支給を受けているにもかかわらず。

「駐車場料金」
出張に伴う駐車場料金については領収書で認めることとなった。(通勤経路上はだめ)

 実費主義の徹底と、事務の合理化という二つの観点からすすめられている旅費制度の改正であるが、職員にも県民にも理解と納得を得られるようなわかりやすい旅費制度への改正を今後とも要求していきたいので、ご意見があれば県学労までお寄せください。

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