県学労ニュース224号     2000/12/5発行

県教委が最終提示として示してきたのは
人事委員会勧告の1年据え置き
ボーナス0.2ヶ月ダウンも扶養手当の増額も13年4月1日から

 11月24日、第3回の給与改定交渉を行ないました。そして、教育委員会教職員課は今回の提示で給与に関する部分についての最終提示としたいと提案してきました。

    彼らとしては、
「本日提示しました内容については最大限譲歩したものである。類似都府県の妥結状況を見ましても、お解りになるかと思います。いずれにいたしましても、これを最終提示として受け止めていただきたいと思います。なお、改定に伴う改正条例につきましても2月議会に諮っていきたいと考えています。
 本日は最終提示でございますので、皆さんのご意見をこの場でお聞きするわけですが、検討していただきまして11月29日(水曜日)午前10時までに教職員課給与グループまで回答をお願いします。」ということでした。

    そこで、組合側から「第二回目の交渉のときに多くの組合が『凍結すべきだ』と言っていたと思うが、それがそのまま《一年凍結》という形で提示されたわけで驚きです。当局内部でどういう事情があって、この提示になったのかお聞かせ願いたい」という意見が出ました。

 当局として、今回の提示に至る経緯について、第一回目が国並完全実施、二回目がちょっと妥協し、今回はさらに妥協しました。当局としては今回どうしても最終提示をして、何とか妥結に向かいたいと言う気持ちからこの提示を出しました。他府県の状況はもう少しきつい条件で妥結している県が多い。また類似都府県の状況も同様で、当局としては、妥結に結び付けたいという強い気持ちから今回最大限努力して最終提示を出したということです。

 組合側から気になっていることとして、12月以降の話という給与抑制の話が、「給与改定で、1年凍結してやったんだから抑制はもっとやるぞ」とかいうのではないでしょうねと釘をさすと、「今は全く白紙の状態である。12月に協議したい。」ということでした。

 県学労としてはこの最終提示に対し、県当局の努力は認めるが、昨年、今年と40万円近くの給与が削減されていることを考えると、少しでもその額の縮減に努めるべきであり、扶養手当の改定は12年4月1日から行なうよう要求しました。

 給与抑制解除、抑制分の回復措置という組合側の要求についても次回12月13日から始まる第2ラウンドで話し合われることになりました。
 
 
最終提示(12.11.24)

次のとおり、平成13年4月1日から実施する。
 
  項    目   改  定  内  容
扶養手当 国に準じて改定する。
 子等のうち2人目までの手当額 1人につき
 5,500円→6,000円
 子等のうち3人目以降の手当額 1人につき
 2,000円→3,000円
期末・勤勉手当 年間支給割合を国に準じて改定する。
 4.95月→4.75月

旅費の改定に新再任用制度の導入
交渉の目白押し

 給与改定交渉と並んで、再任用制度についての交渉と、旅費条例の見直し交渉が平行して行なわれ、頭の中を整理するのが大変です。

《再任用制度》
 まず再任用制度ですが、これまでに話し合われた内容から問題点を挙げると、
(1)退職前の勤務成績で能力実証するという点は、再任用制度を利用した新たな職場支配を作らないだろうかという危惧です。

(2)また、常勤の再任用職員は定数内であるということ。全員が望んだとおり再任用されるかという危惧、少数職種の場合で短時間勤務を望んだ場合は、果たして残りの時間分を補填する非常勤職員が確保できるかという問題があります。

(3)再任用時の給料が教育職に比べて行政職が不利となる点も問題です。

(4)そのうえ、常勤で5年間働くと働かなかった人と比較して65歳以降に支給される年金額が少なくなってしまうという心配もあります。

 今回の交渉の中で、教職員課が行なった55歳以上の全教職員を対象とした無記名アンケートの結果が出されました。
 それによりますと、校長を除く教育職員は半数が再任用を望み、それも常勤か週24時間勤務に希望が集まっていました。

    校長の3分の1(小中では4分の1)しか希望がないのは、天下りの斡旋があるためでしょうか。教員の組合からこれを機会に斡旋を廃止して、平等に取扱ってほしいという要求がありました。教育委員会としても、県の機関であればこれからは平等に取扱いたいと答えていました。

    なお、年休や特別休暇の取り扱いは常勤は正規職員と同じですが、短時間勤務者は時間に比例した休暇制度を設けることが提案されました。

《旅費制度》
 11月21日旅費制度の改正について提示がありました。
 大前提は実費弁償を徹底するというものでした。

(1)日当を廃止し、県外のみ交通費雑費として1200円を支給する。

(2)旅行命令簿を廃止し、旅行者本人が「旅行命令書(新規)」を書いて提出する。一命令1枚。希望者は給与と同じように口座振込みとする。

(3)宿泊料は級による差別をなくし、甲地12000円、乙地一10800円に一本化する。

(4)旅行命令を勤務校からの往復という形式的な出張命令から、実際の出発地、目的地、帰着地が取れるように変更する。
   その場合、鉄道賃は最寄の駅間の運賃。バス等で移動する場合は、出発地、目的地、帰着地を最寄の基点(県内5000箇所を指定)を定めて直線距離によって一定金額(上表単価)を支払う。

(5)自家用車出張はその都度承認を年度当初の申請で良しとし、同一市内の場合、4km以内100円、8km以内150円、8km超240円。
市外の場合、(目的地の役場までの往復距離+5km)×12円とするが、8km未満は市内と同じ扱いとする。

(6)研修旅費は廃止、非常災害時の宿泊費も廃止する。

(7)最寄の駅に自家用車を駐車して鉄道を利用する場合の駐車場料金や、高速道路代も出るようになる。

(8)また、修学旅行や遠足など貸し切りバス等を利用するような場合は、借り上げ料を乗車人数で割った実費を支給することになり、県内で足が出るというような苦情はなくなる。なお目的地が県外の場合は交通雑費として1日1200円が加算される。

(9)日額旅費は宿泊を要しない場合、普通旅費を支給。宿泊を要する場合は9100円を限度に実費支給。

(10)予め公費で購入されたプリペイドカード(使用料及び賃借料)による利用区間の旅費は不支給。

(11)通勤手当との併給調整の実施。鉄道の場合通勤手当上の認定区間は運賃を支給しない。陸路の場合は調整をしない。自家用車使用の場合は自宅発、発着、着の場合に通勤手当上の自動車の使用距離を除算する。

 ざっとこんな制度になるようです。そして、計算処理は現在端末側でやっているローカル処理から、オンライン処理に変更されます。ですから、パソコンに強い職員ならば、自分で旅費請求をすることもできますが、現場の対応としてどうでしょうか。皆さんの意見を教えてください。

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