県学労ニュース222号     2000/11/6発行

常時雇用されても年間所得は
    短時間雇用者よりダウンするってほんと?

11月2日に第3回新再任用制度交渉

 11月2日、再任用制度について三度目の交渉が三の丸庁舎で行われました。

 まず各組合から出されたのは、一般職員に対しては賃金を低く押さえて再任用制度に乗せようとす
る一方で、管理職には今までどおり天下り先を斡旋すると言うのでは不公平だ。管理職も含めてこの
制度に乗せるべきだということでした。また、質問が集中したのは、再任用にあたって能力実証する
ということはどういうことか、基準を示して欲しいという点でした。

 六〇歳まで職員として勤めていたということは、職員としての能力が確認できるのではないか。再
任用を希望する者は全員希望する任用形態で雇用すべきではないか。

 能力実証を校長がするというのであれば、退職近くになると児童・生徒の方を向かずに管理職のご
機嫌を伺う職員が増えてしまう恐れがあるので、基準を明確にしてほしい。そうでなければ再任用制
度の提案は受け入れられないと主張していた組合もありました。

   次の問題は、選択(常時勤務と短時間勤務)の問題でした。たとえば養護教諭のように一校に一名
の職種の場合、24時間の短時間労働を希望した場合は、16時間分の非常勤職員を配置するという
ことなのか、もし短時間職員しか置かないとしたら、足りない時間分の仕事はどうなるのか、そうい
う職種は常時勤務のみとなるのかと質問がありましたが、制度的には全ての職種に常時勤務と短時間
勤務を選択できる制度にしておくということだけで、納得できる説明はありませんでした。

 さらに愛高組と県学労が問題にしたのは、年間収入で、常時勤務者のほうが短時間勤務者よりも少
なくなることがあるということでした。

 短時間勤務者は給料比例部分の年金の特別支給と再任用で得る所得があるが、常時勤務者は共済年
金が支給停止され、再任用の給与のみしかありません。年額にすると短時間勤務者のほうが上回ると
いうことを当局も認めました。他の組合からもここに質問が集中しました。

   また、常時勤務を5年間続けると、65歳以後の年金額がダウンする場合もあるということが明ら
かにされました。

 これは再任用時にどちらを選択するかの大きな要素になるので、一人一人の職員にシュミレーショ
ンを提示すべきであると私たちが要求し、他の組合からも同意見が述べられました。

   最後にそれぞれの組合に意向確認があり、再任用職員を定数外として雇用すること、希望する職員
の希望する形態での再雇用を保障すること、常時勤務者の給与を引き上げることが共通した要求でし
た。県学労は、さらに再任用時の給与について、教育職員と比較して行政職員の給与が低いので、引
き上げを要求しました。

10・25県教委交渉報告
県外出張に関するガイドラインは絵に描いた餅?

 県学労は10月25日、先に要求していた項目(ニュース220号参照)について交渉を行いまし
た。

  給与の減額措置の廃止と減額分の補償については、「本県財政の危機的状況からやむを得ず実施し
ているところであります。平成11年度決算におきまして93億円の赤字となっており、厳しい財政
状況にあります。今年8月発表の中期試算においても依然として厳しい財政状況が見込まれています。
なお、今後の取り扱いにつきましては、職員給与が義務的経費であることを念頭に置きながら対処し
ていきたいと考えています。また、昨年から実施しております給与の減額につきましては、知事等職
員の給与等特例条例により実施しているものでありまして、減額分を補償することは考えていません」
という回答でした。条例で定めれば、勧告を無視して減額しても何ら問題ないとする姿勢は、人事委
員会勧告制度を蔑ろにするもので、許されません。 11月から始まる給与改定交渉の席でもさらに
追及したいと思います。

  年休行使の促進については、「教職員の年休取得の状況につきましては私どもの管理主事が毎年学
校視察という形でお邪魔しております。その折に現状を見させていただいております。取得促進につ
きましてはそうした折に触れて指導しておりまして、引き続き指導していきたいと考えています。い
ずれにしましても、年休取得が促進されるためには所属職員の理解と協力により、年休を取りやすい
環境作りが大切と考えております」と答えましたが、各学校、職種別の行使の実態については把握し
ていないということでした。

   そこで、以前総務課で行っていた人事管理的な調査ではない県学労「年休調査」案を提案しました
が、学校という組織の中で行政職のみの調査はできないという返事でした。ただし、概略年休行使の
実態が判ればよいというのならば、 手持ちの資料を提供するということでした。

  ついで学習合宿では、「学習合宿は生徒の学習習慣を定着させることを目的として平素と異なる生
活環境の中で実施される教育活動でありまして、特色のある学校づくりの一環として意義のあるもの
と考えております。」と答えました。これに関連して、豊田西高校長が学習合宿激励のためにPTA
と合宿先のホテルに出かけたということについて、公的な文書(旅行計画書、復命書はなく、学校日
誌にも記載されていない)では出張の事実がつかめないが、これについてはどう思うか、たずねまし
た。

  まず、平成10年4月以降の県外出張については「県外出張に関するガイドライン」に沿って行わ
れることが望ましいとしながらも、豊田西高校長については旅行命令権者なので自分に復命する必要
は必ずしもないと弁明しました。しかし、県民から情報公開請求のあった場合、公的な文書がないと
いうのは好ましくないともいい、交渉のなかではこれを改めさせるという言質を取るまでには至りま
せんでした。

  さらに大学入試センター試験の激励や大学への応援についても追及しましたが、学校長の判断で行
われていることであって、教育委員会としては何もいえないという。

 そして、大学合格者の発表確認については、生徒から同意を取っているだろうからいいんだという。
同意書など取っているわけがないとさらに追及し、その結果について受験産業にも情報提供しており、
それをもとに進路指導をしていると言うと、個人情報保護条例の趣旨に沿うよう調査すると約束しま
した。

 わずか一時間という限られた時間の交渉では十分追及することができず、今後とも監査請求、裁判
等を通じて学校事務職員を取り巻く諸問題の解決に取り組んでいきます。

お詫び
前回のニュースで非常配備の特勤手当を2200円と書きましたが、3200円に変わってい
ましたので、お詫びして訂正します。

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