県学労ニュース218号     2000/9/5発行

豊田西高校
今年もPTAが学習合宿を激励
旅費は管理職の県費旅費でまかなう?

 県学労は夏休みを利用して、昨年の学習合宿で問題のあった豊田西高校、及びセンター試験、大学入
試、大学合格発表に県費で出張している職員の多かった豊田西高校、横須賀高校、西春高校の3校を訪
問し、開示文書を受け取ってきました。

 まず8月22日、豊田西高校と横須賀高校に、8月28日に西春高校に行って来ました。

 豊田西高校はちょうど3年生が学習合宿に行っているというので、「今年もPTAが学習合宿の激励
に行くのか」と聞いたところ、行くということでした。その旅費をまた管理職の県費旅費でまかなうの
かと聞いたところ、明確な回答はありませんでした。

 今後行政文書開示請求や住民監査請求等を通じて実態を明らかにすると共に、PTAの学習合宿激励
事業を県費旅費を使って行うことの不当性を追及していきます。

 次に今年のセンター試験の激励に豊田西高校では校長、教頭を始めとし21名もの職員が、横須賀高
校では校長始め13名の職員が、西春高校では校長、教頭始め15名がセンター試験の激励に行ってい
ることについて、18歳にもなったもうほとんど大人とも言える生徒の受験に多くの職員が激励(その
内容は点呼をとり、諸注意をするというもの)のために出張するというのはあまりにも過保護であり、
行き過ぎた「指導」であり、県費の無駄遣いであると指摘しました。高校入試の時に中学生でさえ、先
生が付いてくるのは1、2名。ついてこない学校もあるというのに、大学を受験しようと言う高校生に
教員がぞろぞろついていくというのは、あまりにも異常な事態と言わざるをえません。 また、センタ
ー試験だけではなく、大学の試験にも教員が激励に行っています。それも県外、秋田大学、愛媛大学
(以上西春高校)、東京大学、東京学芸大学、滋賀県立大学、京都大学、岐阜大学、静岡大学、静岡県
立大学、富山県立大学、富山大学、三重大学、浜松医科歯科大学、福井大学、福井県立大学、横浜国立
大学、横浜市立大学長野県立看護大学、信州大学(以上豊田西高校)の受験生の激励にわざわざ教員が
ついて行っているのです。受験生の激励だけではさすがに気が引けるのか、前日(豊 田西高校)、また
は試験当日(西春高校)に大学視察を行っていますが、こんな時期に来られる方も迷惑だし、試験前日
や試験当日では学内を自由に見て回ることもできず、大学視察が単なる名目であることは明らかです。

 ちなみに西春高校の復命書には午後3時に秋田駅に到着し、ホテルに荷物を置き、秋田大学まで生徒
とともに下見、秋田大学生に学内を案内してもらう。その際、生徒の受験する校舎を確かめるとなって
おり、翌25日は、8時20分生徒ととともにホテルを出発、徒歩にて秋田大学へ向かい、8時45分
着。その後、学内の様子を見学。進学後充分勉学に励める学習環境であるという印象を受ける。10時
30分頃ホテルに戻り、11時40分秋田発新幹線乗車。午後6時20分名古屋駅着という復命の内容
である。この復命書を見る限り、とても必要な出張とは思えません。旅費の予算が残っているから行か
せたとしか思えません。また豊田西高校の県外大学視察の復命書にはただ単に○○大学視察としか記載
されておらず(相手方の氏名の記載がないものもあった)復命記事さえ書けないような出張であったこ
とがわかります。

 更に、大学の合格発表の確認に職員が出張しているという実態が明らかになりました。ちなみに豊田
西高校の場合は、名古屋大学を始め5校の、西春高校は三重大学を始め6校の合格発表を見に行ってい
ます。しかしこれは愛知県個人情報保護条例に違反する違法な情報収集であり、県職員としてあるまじ
き行為です。このようなことを出張で命じていることは校長の職権乱用であり、当該職員の遵法精神の
欠落以外のなにものでもありません。

 生徒がどこの大学に合格したか、合格しなかったかと言うことはきわめてプライベートなことであり、
直接本人から聞くべき事です。勝手に試験の合否を本人の了解もなしに収集することは許されません。

 また、これらのデータが予備校に流れ、学校側はその見返りに大学進学のための情報を得ているとい
う事態にいたっては大きな問題です。

 今回の開示文書を受け取りに3校を訪問して感じたことは、生徒のため、保護者の要望という耳障り
の良い言葉でもってあらゆる事を正当化しようとしていることです。いくら保護者の要求でも、やって
はいけないことはやるべきではないし、高等学校は予備校ではないと言うことを今一度認識すべきでし
ょう。
 

学習合宿、やはり西三河地区で加熱
 今年も県学労は行政文書開示請求により夏休み中に学習合宿を行った学校の調査を行いました。

 名瀬地区で9校11学年、尾張地区で7校8学年、知多地区で3校3学年、西三河地区で13校17学
年で学習合宿が行われていました。大学進学のための補習授業、自学自習などを内容とするもので、本
来予備校で行われることを高校が県費を使って行っています。

 今年新たに学習合宿を始めたのは三好高校1校だけですが、今年から止めた学校は守山高校、天白高
校の2年生、平和高校、知多東高校、豊田東高校の1年生、加茂丘高校、蒲郡高校の7校です。東三河
地区では学習合宿を行っている学校がなくなりました。

 多くの学校がやっていない状況の中で、西三河地区を中心とする32校で競い合うようにして学習合
宿をやっていますが、こんなことに生徒の貴重な夏休みを費やさせるのが果たして教育的と言えるでし
ょうか?

 学校があまりにも近視眼的な目的(大学入試という)にばかり走り、本来の高校教育とは何かと言う
ことについてなおざりにしていないでしょうか?

 参加率が異常に高い(50%以上)のは次の7校です。
┌───────────┐
│ 東郷高校  92%   │
│ 知立東高校  89%  │
│ 西尾高校   70%  │
│ 豊田西高校  63%  │
│ 大府東高校  58%  │
│ 豊野高校   56%  │
│ 豊田南高校  54%  │
└───────────┘
 夏の学習合宿一覧のページを見る。

               

 

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