県学労ニュース217号     2000/8/8発行

 産 業 教 育 振 興 会 費
県職員である事務長や教員手段が奔走して金集め

 今年も愛知県産業教育振興会から一般会費納入について(依頼)という文書が各学校へ送られ
てきました。

 毎年各学校に目標口数が割り当てられ、学校出入りの業者から1口2000円の会費を集めて
います。普通高校は目標口数が1口ですが、実業高校では30〜40口もの目標口数が割り当て
られています。

 実業高校では一つの業者に4口、5口と依頼しているところもあります。そうしないと依頼す
る業者数が多くなり大変だからです。

 いくつかの業者ではあちこちの学校で頼まれ、結果として何口も払うことになります。

 ではこれらの一般会費の依頼を誰が行っているでしょうか?事務長や主査が行っているところ
がほとんどです。出入りの業者は今後の取引の事も考えて会費を払っていますが、果たしてこん
な事が許されることでしょうか?外から見ると、県の契約に何らかの影響を与えていると見る人
もいるのではないでしょうか?いくら公正な契約を行っていたとしても、外部から不正が行われ
ているかもしれないという誤解を招くような行為は厳に慎むべきです。公務員への批判が厳しい
昨今、長年行われてきた悪しき慣習をいつまでも続けていくのではなく、自ら襟を正し疑惑を招
くことのないようにしたいものです。

 県学労は愛知県産業教育振興会あてに下記の要望書を提出し、一般会費の徴収方法の改善を図
るように要望しました。

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                                       要  望  書
                                                                             2000年8月8日

 愛知県産業教育振興会会長 様

                愛知県立学校事務職員労働組合
                執行委員長  田 口 龍 司

 愛知県産業教育振興会の一般会費徴収にあたって、毎年各学校に目標
口数を割り当て徴収しているところですが、実態としては事務長や主査
が学校出入りの業者に依頼して一般会費を徴収しています。どうして学
校の事務職員が産業教育振興会の会費徴収に携わらなければならないの
でしょうか?学校出入りの業者は、今後も取引を続けてほしいので断る
こともできず、依頼されるがままに一般会費を払っています。学校出入
りの業者の弱い立場を利用して会費の請求をするような事は、本来の県
と民間業者の間の契約関係をゆがめる事にもなります。学校出入りの業
者に対して事務職員がその立場を利用して、愛知県産業教育振興会への
会費納入を依頼することは、県と業者との契約関係における公正さにつ
いて県民から疑いを招き、公務員としての信用を著しく失墜させるもの
です。
 長年このような形で続けられてきた会費徴収方法を見直し、県民から
の疑いや、信用失墜を招かないような形に変更されるよう要望します。
 
 

受験産業顔負けのヒートアップ
激励はセンター試験、国公立大学入試だけじゃない!
合格発表にも、県外大学応援(11校)にも
豊 田 西 高 校 の 突 出 ぶ り

 県学労では119校(篠島、本郷、赤羽根校舎含む)の大学入試関係の旅費について、情報公開
請求を行い、今回ほぼデータ集約ができたので、報告する。

 まず、センター試験激励に全県下650名ほどの教員が試験会場に出かけている。

 その額百20万円余。1月16日が日曜日なのでPTA会計などから支弁されている可能性が
高いので、それを足すとどれほどの教員がセンター試験会場に行ったか、そして旅費が使われた
のだろうか。そして上の表を見てほしい。ヒートアップしているのは学習合宿でもおなじみの尾
張地区、西三河地区の学校ばかりではないか。

 今年もまた夏の学習合宿の計画書を開示請求しているが、この相関関係は変わらないだろう。

 さて、この他にもセンター試験会場下見一四校、国公立大学の応援に15校、私立大学の合否
結果受領で11校、県外の国公立大学(ほとんどは岐阜、三重大)受験激励に9校が出かけてい
る。

 そして、愛知県の個人情報保護条例からしてもやってはいけないはずの、合否結果確認のため
に国公立大学を訪れた学校が15校もあることに驚かされた。第7条に収集の制限として、「本
人から収集しなければならない」とあるにもかかわらず、本人の同意もないままに、受験校にで
かけて合否確認をする行為は条例違反である。教育委員会はこれを放置しておくのだろうか。聞
きたいところである。

 さらに、この合否結果がどういう流れか、受験産業の河合塾等に流されていると聞く。それを
もとに、大学のランキングや偏差値が作られ、高校はそのランキングや偏差値を進路指導に使う
という連携を取っている。受験競争を自分たちであおり、受験産業の支援なしでは進路指導もで
きない状態にして、生徒の尻をたたいている今の愛知県の高校の状況を異常に思えないだろう
か。
 その先頭を走っているのが、豊田西高校である。学習合宿にPTA役員12名とマイクロバス
で激励に行って、問題なしとしている姿勢。さらには、受験関係でセンター試験に二一人、国公
立大学の応援にも県外も含め22人もの職員を激励に行かせ、合格発表にも一二人が行き、合計
36万2000円ほど旅費を支出していることになる。

 豊田西高校では、学習合宿と入試関係でどれほどの旅費が使われているのだろうか。他校と比
較してその異常さに驚くばかりだ。

 学校運営や教科研究に、あるいは部活指導・生徒指導に旅費を使っていないだろうか。疑問が
残るところである。

 そういえば、今年も高校野球で決勝にまで残ったようだが、平日の大会の監督や部長の旅費は
県費で払ってますよね。昨年も頑張っていたけれど。

 よっぽど他校よりもたくさん予算をもらっていなければやれないと思うけれど、なぜこんなに
旅費が使えるのか不思議である。

センター試験激励人数から見た加熱度---1月15日(16日分含む)
28人━━一宮西高校
21人━━豊田西高校
18人━━一宮高校、知立東高校
17人━━五条高校
16人━━津島高校、刈谷北高校
15人━━西春高校、岡崎北高校、安城東高校
14人━━美和高校、一宮興道高校。岡崎高校、豊田南高校、岡崎西高校

               

 

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