県学労ニュース216号     2000/7/21発行
周年事業等基金を強制的に徴収?!
 ==惟信高校のぼったくり寄付の手口==

 県学労が入手した県立惟信高校の平成12年度PTA総会要項によると、同校ではP
TA会計、教育振興費会計、PTA特別会計「特別指導費」から予め予算に拠出金とい
う項目が作られており、それぞれの会計から140万円、200万円、75万円が支出
され、PTA特別会計「周年事業等特別基金」に繰り入れられています。

 これは本来任意の寄付で集められるべき周年事業費を他の会計に故意に紛れ込ませて
強制的に徴収するという、県教委の定めた「私費会計の会計処理基準」を 大きく逸脱す
るものです。

 そうして集められた「周年事業等基金」は11年度末で557万円も残額があります。
この会計から昨年1年間に支出されたのは、部活動奨励費と部活動指導旅費の約112
万円です。部活動指導費は別にPTA特別会計「特別指導費」という会計があり、生徒
1人当たり2000円(年額)を徴収しています。周年事業等基金から支出された11
2万円は本来この会計から支出されるべきものです。

 また、繰越金の異常な多さも目立ちます。「特別指導費」会計では昨年458万円の
予算のうち234万円も前年度からの繰越金があり、昨年1年間の支出は周年事業等基
金への拠出金を除けば、243万円しかありません。PTA会費にしても、545万6
千円の予算のうち前年度からの繰越金が約240万円もあり、支出はPTA会計から本
来支出するべきものに項目を限定すれば120万円しかありません。

 PTA会計では事業費という項目で学校行事等への支出が見られ(昨年度は190万
円を支出、12年度は150万円の予算)、本来公費でまかなわれなければならない運
営費の一部を肩代わりしているのではないかと思われます。周年事業等基金への拠出金
や学校行事等への事業費の支出がなければ、PTA会費は220万円も少なくてすみ(
12年度)、1人当たりの会費を250円から153円に値下げすることができます。

 また今年度は体育館改修に伴う経費200万円を「周年事業等基金」から支出する予
定になっています。本来県費で行われるべき体育館改修工事に他の会計から流用して積
み立てた「周年事業等基金」を充てるのは重大な問題です。

 学校側としては自由に使えるお金が大量にあれば学校運営はやりやすいでしょう。し
かし、保護者や生徒にとってみれば本来不必要な(PTA会費や教育振興費、特別指導
費にかぶせた)お金が取られているのです。

 PTA総会や運営協議会で賛成を得ればどんなお金も自由に集められるというもので
はありません。公費補完的な経費や任意の申し出による寄付を一律に学校徴収金に組み
込んで徴収することは許されません。
 
 最後に、多額の資金を積み立てることが、私費会計をめぐる数々の不正事件の大きな
原因であったことを考えると、惟信高校の周年事業等基金のような会計は直ちに廃止す
るべきです。

    

豊田西学習合宿激励
      視察旅費監査請求却下される
                全ては校長の裁量だなんて!
 7月7日、監査結果が届いた。それによると、「本件出張は、PTAが行う学習合宿
激励事業と合同する形でおこなわれ、12名のPTA役員と校長、教頭2名、総務主任
がPTA関係者から借用したマイクロバスを使用して行われた。校長と教頭は引率教員
との打ち合わせ、激励、ホテル支配人との懇談などが目的で、宮本教諭は総務主任とし
てPTA役員の引率を目的とした出張であるという。

  PTAが学習合宿激励事業を行うに当たって、PTAがマイクロバスを用意し、かか
った費用(マイクロバス借用のお礼、運転手謝礼、高速道路代など)37,700円は
校長以下職員の旅費(ほぼ運賃分)で賄われたという。

 ここにひとつの問題がある。PTA事業なのに運賃分を役員に負担させないためわざ
わざ4名の職員に出張命令して付き添わせ、旅費を支出して代理弁償していることにな
る。これが正当な旅費支給に当たるかはなはだ疑問である。

 次には、朝8時半に学校を出発して11時にはホテルに到着し、午後4時まで当地に
いたことになっている。この間校長教頭は引率職員との打ち合わせ、生徒の激励、ホテ
ル支配人との懇談を行い、PTA役員12名と宮本教諭は学習室等の見学をしたことに
なっている。しかしどう考えてもおかしい。豊田西高校では、費用はかかるが世事に惑
わされずに静かな環境で学習に集中させたいと考えて荘川高原を選んだのではないのか。
なのに集中すべき時間に、4時間もPTA役員が学習室の周りでうろうろ見学を行って
いたのでは生徒の気持ちを削ぐのではないだろうか。ちょっと行動がおかしくないか。

 まあそれも信じよう。だが何故、PTA役員の引率だといっているのに宮本教諭の復
命に主たる目的が省かれているのか。PTA学習合宿激励事業の引率のために命令され
ているにもかかわらず、このことを命令簿にも復命書にも書かないのは虚偽の命令・復
命にならないか。何か書けない理由があったのか。  

 考えればおかしなことばかりである。私たちは今この不合理な行動を更にチェックす
るため調査し、場合によっては裁判に持っていくことも検討中である。  私たちが望む
のは、過剰な入試競争をやめ、本来の学校教育の姿に戻ってもらいたいということであ
る。

 なお、監査結果については全文を県学労ホームページに載せてあるので、読んでみて
ぜひ感想を。  <監査結果のページ>


 

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