県学労ニュース214号     2000/6/20発行

周年事業で1000万円の築庭を寄付
           津島高校と渥美農業高校

 県学労は1999年度中に県立高校に寄付された物品・施設がわかる文書を行政文
書開示請求により入手しました。

 それによると、卒業記念品の寄付が行われた学校は県立高校160校のうちたった
38校でした。本当に残りの学校は卒業生からの卒業記念品の寄付を受けていないの
でしょうか?県学労にいろいろと言われるのが厭だから寄付を受けているにもかかわ
らず県教委への報告を怠っているのは問題です。また県学労は卒業記念品代が学年会
計に最初から組み込まれていて、自動的に卒業記念品代を取るのはおかしいと指摘し
てきました。寄付はあくまでも自主的なものでなければなりません。しかしまだ多く
の学校で学年会計から卒業記念品代を出しているようです。財務指導ではこの辺のと
ころもきちんと見てきてほしいものです。

 とりあえず38校の卒業記念品の寄付を見てみると、生徒一人当たりの金額が一番
多いのは常滑北高校の2914円で、寄付された物品は液晶プロジェクターとテント
です。

 昨年度卒業記念品として寄付された物品のなかで多かったのは液晶プロジェクター、
テント、太鼓などでした。

 次に周年事業ですが、景気の低迷にもかかわらず、かなり派手に行われているよう
です。津島高校と渥美農業高校では何と一千万円もする築庭が寄付されています。周
年事業は学校への寄付の他に記念式典やパーティ、記念誌の発行なども行われており、
総額ではかなりの額になると思われます。これらのお金を誰から、どのようにして集
めたのでしょう?在校生や、数年前の卒業生からも○○周年基金への積立金として全
員から強制的に徴収していないでしょうか?また学校出入りの業者から広告料や賛助
金などの名目で徴収していないでしょうか?官公庁が出入りの業者にこれらの寄付を
依頼することは、業者との癒着を生み出す原因ともなり、厳に慎まなければなりませ
ん。周年事業は本当に○○周年を祝うというだけのものであれば、そんなにお金は必
要ではありません。学校側も周年事業を機会に施設、設備の充実を図ろうとという悪
しき慣習から脱却する必要があります。

(みたい表をクリックしてください)
1999年度卒業記念品一覧表
1999年度卒業記念品卒業生負担額順一覧表
1999年度周年事業による寄付一覧表
 

学習合宿に多額の県費旅費と職員が使われる
最高は豊田西高校
          旅費が65万円、職員は延べ61人を動員

 現在、豊田西高校の昨年夏の学習合宿にかかわる監査請求を行っていますが、2年生
を対象にした冬の学習合宿も豊田西高校では盛んに行われており、昨年の冬休み中に行
われた学習合宿の中でも群を抜いています。県学労は昨年冬休み中に学習合宿を行った
5校のうち豊田西高校、半田東高校、豊野高校、時習館高校の4校に、旅行命令簿、旅
費請求書、学習合宿要項、週休日の振替簿、休日変更簿の開示請求を行いました。旅費
及び引率者の延べ人員、学習時間については次のとおりです。

1999年冬の学習合宿
豊田西  旅費65万円  延べ職員数61人  学習時間41時間40分
半田東  旅費55万円  延べ職員数64人  学習時間30時間10分
豊野   旅費35万円  延べ職員数46人  学習時間30時間00分
時習館  旅費26万円  延べ職員数24人  学習時間32時間20分

 相変わらず、長時間缶詰にして勉強させれば、長時間学習の習慣が確立されると考え
て行われています。

 自分が何をやりたいかを発見させ、学習の目的をはっきりさせれば強制されなくても
自ら長時間の学習もするようになります。何かやりたいことがあって大学へ行くのでは
なく、大学へ行くことが目的化してしまっているために、10も20も大学を受験する
ということになり、受かったところからどこに行くかを選択するという結果になります。
高校側もいわゆる有名大学により多くの生徒を送り込むことが目的化されています。生
徒が社会に出た後、本当に有意義に人生を過ごしていけるような教育をしているでしょ
うか?どこの大学を出たかということで、その人間の価値が決まるものではありません。

 学校側が準備した長時間学習の洗脳合宿にみんなが行くからと、それが自分にとって
本当に必要なのかも考えずに参加する、そんな生徒を作り出す教育をやめることこそが
必要です。こんな学習合宿に多大な旅費と職員の労力を費やすことはいいかげんにやめ
たらどうでしょう。

夏季ボーナスカンパをよろしく
 
 また、減額されたボーナスを受け取る時期になりました。
 
 今年はトヨタの業績はよかったということで、税収は伸びたはずです。速やかに減額
措置を解除するよう求めていきたいと思います。

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