県学労ニュース212号     2000/5/25発行

豊田西高校の学習合宿で監査請求
岐阜県荘川村まで管理職を乗せた自家用車はとんぼ返り
旅 費 の 返 還 を 求 め る

 5月24日県学労は左記の住民監査請求を行いました。
 学習合宿は本来の高校教育から逸脱した活動であり、一部の生徒の大学受験のため、
あるいは長時間缶詰で勉強させることによって学習習慣を確立させるという目的で行わ
れています。

 今回問題にしたのは、残念ながら学習合宿の本質に迫るものではありませんが、いか
にいいかげんに膨大な県費旅費がこの学習合宿に使われているかを明らかにするもので
す。

 とりわけ管理職3名を含む4人の職員が、生徒たちが出発した翌日に連絡、指導と称
して日 帰りで岐阜県荘川村まで出張していることは、出張の正当性すらないと判断し、
旅費の返還を求めて監査請求を行いました。 監査請求の中で4名の職員の出張がどの
ような方法で合宿先まで出かけ、そこでどういう指導をしたのか。それは多くの旅費と
時間を費やし、4名もの職員が行かなければならないものであったのかなどを明らかに
したいと思います。

 4年前、学習合宿についての監査請求を行ったときには、黒を白 と言いくるめる、め
ちゃくちゃな屁理屈で監査委員は判断を下しました(県学労のホームページに全文が掲
載中)。今回も学校側の弁護を独特の詭弁と屁理屈でこね上げることが予想されますが、
そのような判断は県民や社会からの批判を招き、当局の弁護機関としてしか機能しない
監査委員会の存在価値を問われるでしょう。

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              愛知県職員措置請求書
                                2000年5月24日
 愛知県監査委員殿
                請求者 名古屋市千種区若水2丁目3-17
                    サンマンション千種公園A-208
                                     田 口 龍 司   地方公務員

                    岡崎市羽根町鰻池97-2
                    渡 辺 研 治   地方公務員

                    名古屋市名東区平和が丘2-169
                    アーバンドエル平和が丘102
                    国 枝 利 満   地方公務員
                    
 地方自治法第242条の規定に基づき、下記のとおり住民監査請求をします。
                    記
1 請求すべき事柄
 愛知県立豊田西高等学校において企画、実行された平成11年度学習合宿期間中に、
校長伊藤稔、教頭安藤茂、教頭祖父江義信、教諭宮本尚道の4名が日帰りで合宿先の岐
阜県大野郡荘川村まで学習合宿連絡及び指導の名目で出張したことはその目的、往復の
時間、人数の多さを考えると不必要な出張であるので、上記4名の職員に当該旅費の返
還を求めるものである。
 仮に、当該出張が必要な出張であったとしても現地までの往復の所要時間及び人数を
考えあわせると、自家用車1台に4人が同乗して現地まで往復していると考えられ、旅
費条例にもとづいた正当な旅費との差額の返還を請求するものである。

2 請求する理由
 1999年8月21日から8月25日までの4泊5日の日程で愛知県立豊田西高等学
校太田正樹始め16名は第3学年生徒258名を引率して、岐阜県大野郡荘川村におい
て学習合宿を行った(一号証)。
 公文書公開請求により入手した引率者の旅費請求書(二号証)によると、全日程参加
した職員は太田正樹始め10名であり、8月21日から23日まで3日間参加した職員
は白井剛輝始め3名、8月23日から25日までの3日間参加した職員は小木曽健治始
め3名であることが判明した。また8月22日に日帰りで校長伊藤稔、教頭安藤茂、教
頭祖父江義信、教諭宮本尚道の4名が合宿先へ出張していることが明らかになった。
 引率者16名については学習合宿の指導監督に従事しているが、校長伊藤稔始め4名
については旅行復命書(三号証)によると「学習合宿連絡及び指導」としか復命されて
おらず、「平成11年度学習合宿」という冊子(一号証)にも当該4名の職員による指
導については記載されていない。連絡事項については電話、ファックスでも用は済むと
考えられ、4人もの職員が出張する必要はない。校長伊藤稔を始めとする4名の職員が
合宿先の岐阜県大野郡荘川村「オハヨーサンホテル」に到着し、出発するまでのわずか
な時間に有効な指導があったとは考えられない。
 次に4名の職員が勤務する愛知県立豊田西高等学校から学習合宿を行っている岐阜県
大野郡荘川村までは貸し切りバスを利用しても片道3時間半もかかり、公共交通機関を
利用して行くとすれば更に長い時間がかかるものと思われる。仮に現地での正当な用務
があったとすれば、とても公共交通機関を利用して往復したとは考えられない。自家用
車1台に乗れる4人という人数、管理職3人と教諭1名という人員構成から見て、宮本
尚道の運転する自家用車に管理職3人が同乗して行ったと考えられる。自家用車で出張
する場合は、事前に自家用車使用承認簿に必要事項を記入し校長の承認を受けなければ
ならないことになっているが、その手続きはとられていない。同乗者については、運賃
は支給されず、日当のみが支給されることとなっているが、公共交通機関を利用した額
が支払われている。

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大学受験に奔走する教員たち

大学入試関連で全ての普通科高校に旅費公開請求

 最近大学入試センター試験に教員が激励に行ったりして、予備校と見間違えるような
光景が会場に拡がってきています。果ては合格発表まで教員が出かけようとしているこ
とを聞くにつけ、県費の乱費をなくさなければと思うようになりました。

 そこで、今回普通科高校全校の旅費請求書の文書公開請求をしました。

 事務職員の皆さんにはご面倒をおかけしますが、ご協力をお願いします。
 そもそも大学入試などというものは、高校の教育活動ではありません。高校で学ばな
ければいけない知識を習得した結果として、大学受験資格が得られるという、卒業後の
進路のひとつの選択に過ぎません。その選択肢のひとつでしかない特定な進路を求める
人にだけ厚く遇することは、生徒を平等に扱っていないことになります。

 例えばセンター試験会場での生徒激励はセンター試験をしない大学進学希望者と差別
的取り扱いをしていることになります。また、特定な大学だけに応援に行く行為も同様
です。もし、合格発表を見に行っているとしたら、それは全く教育活動から逸脱した行
為です。

 それだけではなく、本人の承諾なく個人情報を収集するという「愛知県個人情報保護
条例」違反の行為です。

 そんな行為に県費旅費が支出されているとしたら問題だと考え、今回普通科高校全校
について調査することにしました。
 


 
 

映画紹介
「ガラスの城」香港映画   シネマスコーレで

 映画を見るなら、アメリカやフランス映画ばかりではなく、アジアに目を向けてもら
いたい。なかなか見ごたえのある映画もあるし、こんな表現もあるんだというインド映
画のような面白いのまであります。

 そんな映画をよく見せてくれるのが、名古屋駅新幹線口から生活創庫のほうにでた
「 シネマスコーレ」です。

 今回紹介する「ガラスの城」もここで上映しています。
 さて映画は、一九九七年のイギリスのロンドンブリッジ(?)で新年を迎えようと車
を走らせていた男女がスリップ事故で即死するというところから始まる。その死体を確
認するために、男の息子と女の娘が警察で出会う。死んだ二人は香港に共有の家を持っ
ていて、二人の息子と娘はその家の処分をするために香港に渡る。

 一九七〇年代、香港大学に通うラファエロの強引な誘いに女子寮のヴィヴィアンは少
しづつひかれていく。やがて学園紛争で捕まったラファエロは都市設計士になるために
イギリスに渡る。遠距離恋愛はいつしか破局を迎え、それぞれ別な人と結婚して子ども
を授かる。

 ある日、経営者セミナーで再開した二人はふたたび恋に落ち、セスナ機の運転免許を
取るために一緒に教習を受けたりしていたが、そこにラファエロの妻が現れて、ヴィヴ
ィアンはかなわぬ恋と身をひこうと一人イギリスに仕事に出かける。

 忘れられないラファエロが後を追い、イギリスの町で再会する。そして、一緒に新年
を迎えようと車を走らせていた時、事故を起こす。

 香港返還の新年行事も取り入れたラブストーリー。

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