県学労ニュース209号     2000/4/4発行

2000年人事異動状況を見る
一年人事で事務の継続性は得られるのか!
     判っただけでも3人の事務長が1年で異動

2000年異動状況

 3月17日、人事異動内示があった。全体で216人が異動したが、昨年と比
べて若干小規模な人事異動でした。

 今年の異動状況をみて一言言いたいのは、事務長の異動です。なぜ昨年異動し
たばかりなのに3名の事務長が今年また
異動したのでしょうか。

 昔は所属に格付けがあって、特定の学校に着任しなければ課長級になれなかっ
たのでそんな人事異動も仕方ないかもしれませんが、現在は課長級は人に付随す
るようになっています。理由がないわけです。当該の事務長が何も仕事をしてい
なければ別ですが、スムーズな学校運営に支障があります。

 人事異動方針にもあったように2年以内の人事異動は原則しないということを
事務長人事にも通してもらいたいものです。

 なお、事務長53名の転退職のうち、退職が11名あり、学校の統廃合で1名
減したものの、その補充は10名となりますが、学校の主査からの昇任は7名、
教育委員会等からの昇任が3名ありました。学校事務職員の昇進スピードが遅い
のは、毎年のように三分の一を教育委員会等の職員の昇任に回されるためではな
いでしょうか。

  ちなみに主事級主任を経験しないで主査級になる人はないかもしれないが、次
表のように遅くはないでしょう。学校において主査制度はいらない。待遇改善の
ために、一定の年齢で全員を専門員にすべきだと思う。

年度別主査級昇任年齢

組合に対する12年度予算説明に財政課来る

 三月二二日、教育委員会は十二年度予算の説明会を財政課を呼んで組合に対し
ておこないました。財政課が十二年度予算を歳入、歳出について細かに説明した
後、各組合からの質問に答えましたが、時間的な制約もあり十分な説明を受けら
れず、不満の残る説明会でした。

 この説明会を通じて明らかになったことは、県が今財政危機に陥っているの
は、何も人件費が高いからではなく、税収が急激に落ち込んだわけでもなく、過
去の借金の返済に追われているからだということです。

 平成十一、十二年度の税収は平成六〜八年度よりも多く、当然財政規模も大き
くなっています。にもかかわらず、最近になって財政危機が言われるようになっ
たのは、公債費の増大により使えるお金が少なくなってきたためです。

 平成七年度まで一千億円台であった公債費が八年度には二千億円を超えるよう
になり、平成十四年度には三六五〇億円、平成一六年度には四一五〇億円にも
達します。これは県が「財政中期試算」で明らかにしている数字であり、すでに
発行されている県債の償還費なので、今後減るようなことはありません。逆にこ
の「中期試算」には、万博、空港関連で今後発行される予定の県債については含
まれていないので、更に膨らむことが予想されます。

 平成四年度から国の景気刺激策に乗っかって、県債の発行に依存した公共事業
をやりまくり、借金を山のように作った鈴木前知事の責任は重大です。平成三年
度までの県債発行額は一千億から一千五百億円でした。ところが平成四年度から
三千億円を超える県債を平成一一年度まで発行し続けたのです。

 そして今、その借金の返済のために、私たちの給与や、福祉関係の補助金をカ
ットしているのです。

 このような状況の中で、借金を更に増やして万博、空港を作るというのは正気
では考えられません。神田知事自身も反対運動がもっと激しくなって二つの巨大
プロジェクトが中止、延期されることを内心願っているのかもしれません。今年
度、昨年に引き続き職員の給与が大幅にカットされましたが、今後の県債の償還
額を見ると、ここ数年で財政状況が改善されるとはとても考えられず、財政課が
財政再建計画を立てない(実は立てられない)という現実からも今後更に一〇年
以上職員の給与カット攻撃がかけられることが予想されます。

 今私たちにできることは、今後更に借金を重ね、財政状況を破滅に導かせない
ために、万博開催を返上させ(海上の森も完全な形で残され、環境保護団体から
も高い評価をうけることでしょう)、中部新空港の建設を財政再建の目処が立つ
まで延期させることです(万博を中止すれば2005年に開港させる必要性はぐ
っと低くなります)。そして、財政再建策を労使で検討する場を作り、実行に移
すことが早急に求められています。


 

いつまで続けるのか、学習合宿(冬休み中)

 99年冬休み中に学習合宿を行った学校を公文書公開請求により調査したとこ
ろ、98年まで実施していた守山高校が今年度の学習合宿をやめました(拍手)。
ところが98年から止めたと思っていた大府東高校がまたやり始めました。堂々と
「受験に対応した問題演習を行い、より一層の学力の充実を図る」事を目的の一つ
に掲げて。大府東高校はいつから予備校になったんでしょう。学習合宿はどこの学
校も長時間学習が目玉で、朝から夜遅くまで缶詰で勉強させれば、学習習慣が身に
つくと思っているようです。でもこの考え方って、あまり合理的ではないように思
うんですが。冬休みの土曜、日曜、休日やクリスマスも返上して先生も生徒もスト
レスはたまらないんでしょうかね?一部の生徒のために冬休み中に行った学習合宿
の代休を、平常授業の時にとっている学校はないでしょうね?本末転倒ですよ。大
丈夫、代休は書類上だけで実際はとっていないからなんてことはなしですよ。多く
の人の努力やお金がもっと有効に使われるといいですね。


 

 

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