県学労ニュース204号 2000/1/11発行
すべての組合が文書提示を拒否
文書提示をひっこめる
99.12.22給与改定交渉報告
「文書提示をする」との事前通告だったので、最初に「今年度の給与改定交渉については話
を聞くが、もし翌年以降の給与抑制の提示が同時にされるなら提示を拒否する」と県学労が宣
言していると、「今日の文書提示はしないように」と人事管理室から電話が入り、封筒に入っ
ていた提示文書は回収された。
口頭提示
■給与改定について
先回と内容は変わっていない。(年明けに回答したい)ただし、育児休業者の期末勤勉手当
については、国が法改正したので「法の改定を待って」を削除して、「国と同様に扱う」と
する。
■育児休業者の特昇について、改善の提案がありました。
討論(提示がなくなったので、自由な意見交換の場ということになった。たぶん抑制提案の
理由付けとして考えたものだろう)
先回質問のあった点についての教職員課の見解
■現在の財政危機の責任問題
財政危機の原因の多くは県税(法人二税)がバブルの崩壊とその後の景気低迷の影響を受け
て、六二、三年なみの水準に落ちているためである。それを県債の活用によって公共事業を
景気対策として行い、歳出予算の水準を維持してきた。平成2年度以降こうした財政運営を
してきたために歳出抑制が遅れた。その間に公債費が増大し、定数削減の努力はしてきたも
のの、給与費の増大もあった。
こうした対応は、不況にあえぐ本県経済を回復させるため、県民の要求に答えるために最大
限努力をした結果である。財政危機に陥った責任は財政当局にはない。また、職員給与に問
題があったわけでもない。大都市を抱えた東京、神奈川についても愛知県と同様の財政危機
に陥っている。
■財政抑制を単年度に解消するための最大限の努力は
今年度の予算を編成するにあたって、補助金を100件、199億円削減。公共事業の縮減
で140億円。単独事業縮減で597億円、福祉手当関係で18億円、事務事業の見直し3
86件、242億円などで1500億円以上の削減努力をした。
しかし、8月中期試算で想像を越える収支不足があきらかになった。そこで今年度予算の縮
減が図られ、12年度予算編成についても現在各部局で聖域のない厳しい事業見直しが求めら
れている。その結果、単独事業で見ると平成10年度の半分以下になって、県民の要望にこた
えられない状況が生まれてくる。はたしてそれでいいのかという危惧がある。
公私格差是正のための私学助成は四四〇万人以上の県民の請願署名が集められ、議会で採択
されるなど県民の圧倒的支持を得ている中で、本県の内部努力なくして私学助成削減は難し
い。一旦水準の上がったものを、身の丈に合った財政規模に変えるのは一朝一夕では出来難
い。特に見直しはさまざまな調整が必要であり、現在これらの努力をしている。
■12年度予算の取り組み
まず「人件費削減あり」の予算編成はおかしいとの指摘について
歳入についてはもう少したたないと、県税収入の見込みが立たない。ただ、現在県税の徴収
率を向上させるよう努力している。これによって100億円の増収を考えている。
歳出、とりわけ政策的事業については議会各派の要望等を聞きながら検討するので、現在具
体的数字を挙げて説明できない。
一般的事務事業ではシーリングで170億円の削減、福祉事業と病院会計で300億円以上の努力
が必要であると考えられている。今後の査定作業で詰めていく。
人件費抑制について、新聞でも報道されたのでご存知だろうと思うが、500億円まではいか
ないが、抑制努力をするということで、人件費以外は財政当局に責任をとってもらうつもり
にしている。
■ 大型プロジェクトの予算確保について
万博等大型プロジェクトを推進することは本県施策の重要な課題であり、多くの県民の願い
である。また地域活性に向けて将来的な経済波及効果が期待できると考えている。いろいろ
な場で論議され、立案に際しては少しでも財政健全化の取り組みに沿う形で、県に負担が少
なくなるよう工夫を凝らし、財政面においては県債の活用をもって着実に推進していきたい。
中部国際空港の建設について、給与改定の財源が使われていないかという意見があるが、こ
の財源は空港会社と企業庁が借入金で事業を進め、県財政の負担はあまり大きくない。財源
問題について、いままで不十分な説明であったことを反省する。
このような説明の後、質疑討論ということになった。
■回収された封筒に入っていた今年度の給与改定の文書提示は今話されたとおりだったのか。
答えーそうだ。
■なぜ急に文書提示を引っ込めたのか、財政課からストップされたとか事情を聞かせてほしい。
答えー昨日までの間に人事管理室と協議をしてこれでいくと決めていたので、急に今文書提
示は止めてくださいと人事管理室から電話があった。私たちも理由がわからない。(22日文
書提示を取りやめた理由は、この日午後1時から行われていた県関係5組合の方の交渉で県職
が提示理由は聞いたが、文書の受け取りを拒否したためである。)
■現在の財政危機について、バブル期に積極的に箱物行政したのは仕方ない、誰にも責任は
ないというのはおかしいのではないか。
答えーバブル期に前鈴木県知事はもう少し基金を増やそうとしたが、議会の賛同が得られな
かったといっている。あ の時期に歳出を膨らませてしまった。財政課だけの責任ではない。
(それでは誰にも責任がなくなってしまう)
■法人二税が減収というが、98年度の決算を見る限り昨年の540億円の赤字予想よりも赤字額
は削減されており、財政再建策や財政見通しが出されない段階では状況は好転していると
判断すべきで、人事委員会勧告を完全実施するのが筋ではないか。
答えー確かに、歳入が予定通りという見通しを知事も述べているので、昨年より歳入歳出格
差は少ないではないかといわれても答えようがない。財政課からこれ以上の説明は今の段階
で出来ないといわれてしまった。私たちも東京でも神奈川でも財政再建策が出ているのだか
ら、だせないはずはないと何回も要求していることを知ってほしい。(歳入は好転している)
■大型プロジェクトの経費について、企業庁や空港会社の借入金(30年債券)で賄うというが、
万博や空港で儲かると考えているのか。赤字が出れば、県の一般会計で補填することになる
のではないか。長良川河口堰建設がいい例だ。関西空港の運営状況などを考えてほしい。
答えー5年後、10年後が景気が上向いているのか、低迷しているのか、経済企画庁でさえ予想
できないので、なんとも判断できない。
■5年間の抑制案を出されたようだが、5年経てば赤字が解消できると考えているのか。
答えー中期見通しが5年間であったので、それにあわせただけである。(結局無策で、見通し
もいいかげんということか)
年末カンパを多くのみなさんからいただきありがとうございました!
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