県学労ニュース202号      99/12/7発行

給与改定交渉に進展なし

財政再建計画も示さず、昨年より財政状況は若干よいはずなのに、
なぜ給与抑制しようというのか、理由がない

 財政当局は二度も交渉の席に財政についての説明にきたが、歳入の見通しは6月補正の時点と
変わっていないという。財政再建のために担保された今年の私たちの賃金によって、今年の6月
補正予算が適正に組まれているなら、今年については赤字解消となるはずである。しかし、最初
から昨年から持ち越した赤字分(繰上充用金)二百二十三億円は解消する意思がなかった。さら
には、最大限に見積もった地方交付税は見込みより八十三億円少なかったため、少なくとも三百
六億円は現時点で歳入不足として残るという。

    さらに八月に出された県財政中期見通しでは、毎年1千億円ぐらい歳入が不足するとしている
にもかかわらず、再建計画が提示できないという。

    それでいて、職員の賃金だけは県民の納得が得られないから抑制するなどといって、誰が納得
するものか。

    そんな交渉をしている間に、漁業補償で三百億余の提示をしたり、万博協会長が会場建設費千
八百億円、総投資額四千億円と見通しを発表したり、東部丘陵線建設で九七億円負担などと報道
されている。この何割かは県の負担になる。県債発行で借金をあとまわしにしても、二〇〇二年
度から県債償還が増えるために歳出が圧迫されることがわかっている財政当局はこれらの新たな
歳出分をどのように補填していこうとしているのか、少なくとも現に給与抑制をしている職員の
代表である職員団体に示さなければならないはずだ。  県内企業の業績を見るため中間決算が出
る一二月中旬頃でないと、今年度の見込さえ出せないという。そして、十一月議会には国の第二
次補正予算に合わせた二百四十億円余など合わせて三百七十五億円の補正予算案を、議会に提案
しているが、そのほとんどを県債の発行に頼っている。財政再建など考えることさえ無理という
ことか。
 

学習合宿が旅費を食う

 先日、今年の夏休み中に行われた学習合宿の調査を行い、参加率が異常に高い3校について更
に詳しく調べてみました。

 その結果、一部の生徒しか参加しない学習合宿に多額の旅費を使っていることがわかりました。
額は別表のとおりです。

 知立東高校では何と百万円近くこの学習合宿のために使っています。愛知県が財政危機で職員
の給与もカットされているというのに、知立東高校では年間に一体いくら旅費があるのでしょう?
一部生徒に涼しいところで受験勉強させるために百万円もの旅費と20名もの職員を使うというの
は、納得できません。職員の労力や旅費は、正規の教育に使われるべきです。

 また、この3校の学習合宿はかなりハードなもので、長時間やれば身につくという考え方にも
とづいています。ちなみに東郷高校では中二日間は1日10時間40分もの自学自習を行っており、
4日間の総学習時間は35時間40分。豊田西高校では中三日間は1日10時間、5日間の合計は
40時間。知立東高校では中三日間は1日9時間、5日間で35時間もやっています。

 本当に長時間やれば身につくのでしょうか?私たちが仕事をしていても、長時間やればやるほ
ど能率は落ちてきます。みなさん体験済みではないでしょうか。

 そしてこの学習合宿でもう一つ興味深い問題がありました。今回の3校のうち豊田西を除く2
校では宿舎やホテルで学習する時には体操服を着てやるというきまりになっていることです。体
操服というのは体育の時に着るための服ではないかと思うのですが、全員が同じ服を着て、囚人
のように一室に閉じ込められて勉強するとどんな効果が出るんでしょうね?

 さらに今回明らかになったのは、豊田西高校で学習合宿の2日目に管理職3名を含む4名の職
員が何と岐阜県荘川村まで日帰りで出張していることです。遠路はるばる荘川村まで日帰りで行
く意味があるのでしょうか。県費の無駄使いではないでしょうか?

 学習合宿は本来の高校教育とは関係ないものなので、いろんなところに無理や矛盾がでてきま
す。学習合宿をやっていない学校の方が多いんですから、やめたからと言って問題にはならない
はずです。来年はもっと多くの学校が学習合宿を止めることを期待しています。
 
 
  学 校 名  引 率 者 数  引率職員旅費   日  程
東郷高校 14名 535,240円 8月6日---8月9日
豊田西高校 20名 846,640円 8月21日---8月25日
知立高校 14名 960,640円 7月31日---8月4日

 

中国西安旅行記(8)
(1999.7.11〜16)渡 邉 研 治

7月15日(木)晴れ
   誰かが遅れるだろうと思っていたが、みな時間には到着していた。KさんもRIさんを伴ってやっ
てきた。広場のすぐ前の大きな餃子食堂で昼食を摂る。ここははじめに保証金として百元を受取り、
キャリーで運んでくる料理や餃子を取ると、紙にチェックして行き、帰りの精算時に保証金より少な
ければ残金を返し、足らなければ追加して徴収するというシステムであった。

    近くに百貨店が出来ている。現代中国の象徴なのかもしれない。2軒立ち寄ったが、どちらも表示
価格どおりで、値切ることは出来ない。百貨店では値切らないのが普通なのだろう。お土産を買いす
ぎて、バックが欲しくなった。百貨店で探したが、なかなか高価(日本円にしても四五〇〇円ぐらいする。)である。すこしでも安い物をと探していたら、胴はプラスチックだけれど、アルミフレームの
旅行バックが九〇元で手に入った。ところが、部屋に戻って荷物を詰めてみると、鍵をかけても角を
押すと外れてしまって、バックの役目をなさないではないか。ああ、安物買いの銭失いとよく言った
ものだ。はあー。

    夕食は回教徒の店で、お酒は御法度。Kさんたちとの最後の晩餐となる。何種類ものシュウマイが
わっぱで運ばれ、それを食べ終えると、後はいくら注文しても無料だという。とくにダーバンジーと
いうのは中にスープがいっぱい詰まっていて、食べると口の中にスープが溢れてくる包子。へたに慌
てて口にほうり込むと、口の中が大やけどしそうに熱い。これがおいしいのだ。食堂を出るときには、
食べ過ぎて体が重い。私たち4人はKさんたちと別れて、夜の街を散策する。串を焼く煙にかすむ食
堂街を抜けると、古物商のようなお店が立ち並んでいた。ある土産物屋でOさんが朱肉の交渉をする。
1個20元といっているのを10元にせよと、メモに数字を書いたり、相手の電卓で金額を打ち込ん
だりして粘り強く交渉を続け、最後は13元で折り合いをつけて購入した。あの粘りが必要なんだ。
(つづく)

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