県学労ニュース199号      99/10/19発行

またも巨大プロジェクトに絡む汚職!
万博・中部新国際空港建設なんてやめたら

 またしても巨大プロジェクトで汚職が発覚しました。

 5年前芸文センター建設に絡んで副知事が捕まりましたが、今度は企業庁の企画調整課長。

 中部国際空港建設を愛知万博の開催にあわせようとするために、なりふりかまわず猛進した
結果が彼に権限の集中させることになったのでしょう。

 そもそも国際ハブ空港建設は、現在ある成田空港や関西空港の「需要と供給」バランスを考
えた上で、名古屋空港の需要予想が現在の施設では賄いきれず、拡張計画がまったく無理であ
るときにはじめて必要になってくるものです。一地方のエゴで、国際ハブ空港を(神戸にも空
港を作ろうとしていますが)むやみに作ることは誤りです。

 空港管理会社の経営が成り立つかどうか、慎重な検討が必要になってきます。そういうこと
を無視して、二〇〇五年愛知万博開催に開港時期を合わせようとしたことも、彼に権限を集中
させ、誘惑にさらしたのかもしれません。       



なぜ続けるの? 学習合宿
99年夏実態調査から

 県学労は公文書公開請求により、99年度の夏休みに学習合宿を行った学校を調査しました。
全体として減少傾向にありますが、今年も35校44学年で行われました。参加率50%を超
える学校は東郷高校、知立東高校を始め11校。

 学習合宿実施校を地区別に見てみると名瀬地区9校12学年、尾張地区8校9学年、知多地
区4校4学年、西三地区14校18学年、東三地区1校1学年と相変わらず西三河地区の多さ
が目立ちます。西三河地区の中でも特に豊田地区で6校も行われています。今年から学習合宿
をやめた学校は鳴海高校、瀬戸窯業高校、内海高校、岡崎北高校、高浜高校、小坂井高校の6
校です。(拍手)やればできるんです。毎年やっていることだからとその意味や効果も十分検
討することなく、惰性でやっている学校も多いのではないでしょうか。

 学習合宿は高校の教育課程とは関係なく、ただ学校の国公立大学への合格者数を増やしたい
という意向のもとにおこなわれているものです。

 学習合宿に参加すればそれなりの成果が上がると生徒に吹き込み、一部の生徒のために多額
の県費予算と職員の労力を費やしています。これらの労力やお金は本来の高校教育のために費
やされるべきです。

 県学労は異常に参加率の高い学校3校について旅行命令簿、旅費請求書、学習合宿に関して
生徒、職員に配布したもの全ての公文書公開請求を行い、実態調査をすすめていきます。

(99年度夏季休業中に行われた学習合宿の一覧表は県学労ホームページに掲載しています。)

中国西安旅行記(5)
(1999.7.11〜16)渡 邉 研 治

 兵馬俑に出かける。今日はKさんは仕事で夜までいない。運転手のLさんとRさんが案内してく
れる。ホテルを出たところで、Rさんが「今日は雨になるが、傘を持っているか」というので「部
屋においてあるので歩いてホテルに戻って取ってくる」と言って、待ってもらったのが裏目に出た。
私たちが車に戻り、中央車線に入ろうとすると混雑していて車線に入れない。Lさんは少し路肩
(自転車やリヤカーが走る一番外側)を走って車線に入ろうとするが、入れてもらえない。さらに
走り続けると、前で警察官が前のタクシー運転手の免許証の提示を求めていた。何人もの免許証を
取り上げたまま、こちらにやってきた。Lさんも取り上げていってしまった。取り上げられた運転
手たちが抗議していたが、聞き入れられず反則キップを切られてしまった。事情を聞くと、一番右
は自転車専用で、そこを走るのは違反だという。罰金は50元。彼らにとって高い罰金だったのだ
ろうか。

 約35キロ、1時間ぐらい揺られて西に走る。周囲は見渡す限り平原が広がり、道路に沿って転
々と商店が見える。農家の集落は煉瓦作りの2階建てで、屋敷の周囲を煉瓦塀で囲っている。兵馬
俑博物館に到着だ。駐車場から兵馬俑に続く道の両側に土産物屋が二百メートルぐらい軒を並べて
いる。その一角から「やきいも安いよ。」と声がかかる。私たちは顔を見合わせて笑ってしまった。

 愛知県体育館ぐらいもある大きな建物は正面から見ると博物館だと思えるのだが、入ってみると、
そこが1号坑であった。見覚えのある兵馬俑がずらり。今まで写真などで見ていたものはその一部
でしかなかった。実際に見ると、その広さに、時の権力者の力の大きさにただ驚かされるばかり。
10数年前に農民が井戸を掘っていたところ、この大発見となったというが、このような大規模な
遺跡が人々の記憶から全く消えていたことも不思議であった。また発見されるや、基礎調査をして
直ぐにこの愛知県体育館ぐらいもあるかという大きな建屋をつくり、雨が当たらないようにして発
掘を始めたという中国式の発掘調査にも驚かされる。その横に2号坑、3号坑がある。ともに同じ
ような建屋の下。本当は4号坑もあったのだが、出土品が少なかったのか、2号坑と3号坑をむす
ぶ芝生の下になっていた。兵馬俑から出ると、道の両側の土産物屋が私たちを呼び込む。昨日碑林
で購入した兵馬俑のレプリカが二〇元だという。「え、3分の1。しまった。現地にいけば高くな
ると思って買ったのがまちがいだった。」と後悔していると、次は「十元」と声がかかる。気を取
り直して、また三つ購入する馬鹿な私であった。(つづく)

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