県学労ニュース197号      99/9/21発行

給与抑制の解消はどうなるの?

 県学労は9月16日、教育長に対して下記の要求書を提出しました。

 私たちの給与は、昨年、人事委員会が4月に遡及してベースアップするよう勧告し
たにもかかわらず、一月実施に値切られました。それだけでなく、県当局は組合との
合意もないままに県議会に九九年度給与の減額条例を上程し、今年四月から給与とボ
ーナスのカットを強行してきました。財政再建団体転落を回避するという理由でした
が、昨年度の赤字223億円の解消のメドもなく、すでに6月に組まれた補正予算で
目いっぱい見込んだ地方交付税は83億円も見込みを割ってしまいました。このよう
な財政再建に真剣に取り組まなかった当局の責任を引き受けるわけにはいきません。
今年4月からの給与減額分を返してもらいたいものです。

 2つ目は、学校の全面禁煙です。生徒の喫煙習慣を作らないためには、生徒の見え
るところで喫煙をしない、喫煙による健康被害を知らせる禁煙教育を推進することが
重要です。職員の健康時管理の面から職員室での禁煙を進めるだけでは足りないので
す。必要なのは学校の全面禁煙です。

 3つ目は主査の廃止と、38歳全員専門員発令です。生徒数の減少から学級数が減
り、4人体制の事務室が増えてきています。事務室の中で2重の決裁は不要です。職
員の多くがベテランの域に達しており、主査を無くし、それぞれが専門的に仕事を処
理する専門員を複数設けたほうが合理的です。

 4つ目は私費会計による学校運営費の負担の問題です。学校で必要であるものは設
置者である愛知県が用意するべきですが、私たちの調査でPTAや同窓会からLANシス
テムや空調設備などが寄付されていることが明らかになりました。県教委の寄付に対
する姿勢が問題です。また、卒業記念品の寄付についても、年度当初から学年会計の
中に組み入れてあり、任意の寄付といえないので、やめるよう指導することを求めま
す。

 5つ目は、学習合宿の廃止です。今の受験システムがいろいろな弊害を生んでいる
といわれているにもかかわらず、教科学習を大学受験にあわせる訓練をする学習合宿
は受験競争をあおり、じっくりとした教科教育を阻害しています。また、旅費予算が
少なくなった現状から、旅費を多額に使う学習合宿は学校運営にも影響を与えていま
す。

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        要      求      書
 

                           1999年9月16日

  愛知県教育委員会教育長 殿

                   愛知県立学校事務職員労働組合
                    執行委員長 田 口 龍 司

  貴職におかれましては、日頃から県立学校事務職員の労働条件の向上に努力さ
 れているところですが、未だ十分なものとなっていません。つきましては下記の
 項目について早急に改善されるよう要求します。
                  記
  1.給与抑制を早期に回復し、本年4月以降の減額分を補償すること。
  2.学校全体を禁煙とし、喫煙室以外で喫煙させないこと。
  3.VDT作業の増大に伴い事務職員全員に眼科検診(現在の2次検診)を受診
   させること。
  4.「VDT作業における衛生管理指針」を徹底させるため管理職研修のつど労
    働安全衛生教育を行うこと。
  5.主査を廃止し、専門員とし、38歳で全員5級へ昇任させること。
  6.勤務評定を廃止すること。少なくとも主査を第一次評定者から外すこと。
  7.5級在級2年で6級へ、6級在級5年で7級へ昇格させること。
  8.昇格に伴う昇給については規則どおりとすること。
  9.期末勤勉手当の加算をなくすこと。また勤勉手当の成績率を従前の率に戻す
   こと。
 10.事務職員の完全週休二日制を早急に実施すること。
 11.年休の取得を促進すること。
 12.介護休暇を有給とし、期間を1年間に延長すること。
 13.職員の社会的見識を深め、県政に活力を与えるために1年間のリフレッシュ
    休暇及び1ヵ月以上のボランティア休暇を導入すること。
 14.普通高校の事務職員定数を5人とし、職業高校、障害児学校にはそれぞれ加
    配すること。
 15.入試の願書と受検票を一体化し受験生に記入させること。
 16.入学試験について、現在の2回受験方式から1回受験方式に変更すること。
   17.地方公務員法に違反する『補習手当』を始めとする各種手当の支給をやめさ
    せること。
 18.学校運営に必要な消耗品、図書購入費、学校整備費を保護者に負担させない
    こと。また、卒業記念品については任意の申し出によるものであるから、学
    年会計から支出しないよう指導すること。
 19.各種研究会の会費、参加費、資料代は県費又は個人負担とし、保護者に負担
    させないこと。
 20.大学受験競争をあおる学習合宿を廃止させること。
 




中国西安旅行記(3)
(1999.7.11〜16)渡 邉 研 治

7月12日(月)曇り
 

 身支度を整えてロビーに降りていくと既にKさんが待っていた。朝の出来事を話してすぐ銀行へ換金し
にいくことにした。一元が約一五円。夫々一万円から二万円換金した。中国では、いろいろな銀行がある
が、換金できるのは「中国銀行」一行だけだそうである。換金を終えて、早速本屋に立ち寄る。使うかど
うかわからないのに、中日辞典を買う(七五元)ために。
 
 次にKさんの宿舎に案内してもらう。書斎と寝室、居間とキッチンがついていて、一人で住むにはもっ
たいないようなスペースであった。Kさんがいれてくれた中国緑茶をいただいて一休みして、お昼ご飯を
Kさんが勤める大学の近くにある食堂でいただく。麺を注文したがなかなか出てこなかった。ここでは、
麺を食べる人が少ないらしい。

 ようやく市内観光に出かける。まず最初は陜西歴史博物館に入る。入場料金は中国人と外国人は料金が
違うらしく、私たちは30元(中国人は二五元)。昔はもっと差があったそうな。

 紀元前何千年にすでにすばらしい土器文化を発達させ、秦や唐などの首都であった西安はヨーロッパと
東洋を結ぶ国際都市でもあった。歴史館を回るうちに、遙かに進んだ文化を持った中国からは漢の東夷伝
に「顔に入れ墨をする日本人の国」は野蛮な国に映ったとしても仕方ないと納得させられる。ここで西安
の歴史資料「XI’AN」(定価三二〇元をKさんが値切って、二〇〇元で購入)を買う。

 次に碑林という書画に興味のある人には興味ふかい場所に連れていってもらった(入場料二〇元)。全
国に散逸している碑を一カ所に集めて、その数千ほど。石に刻まれた名筆を解さないわたしには、ふーん
と眺めてみるしかない。ここで兵馬俑のミニチュア(一二〇元と記されていたが、値切って六〇元で購
入。これが後の旅を楽しませてくれた)を買う。

 碑林を出て書画や硯・筆などを売る店が両側に建ち並んでいる場所に移動する。ここが書院門である。
道路では篆刻をその場で彫る人がテーブルを広げている。街の中のお茶屋さんでKさんが急須を求めて交
渉している姿が楽しい。手頃な急須を値切って、「日中友好、日中友好」と言って交渉をしているKさん
たちを待つ間、お店で最高級のウーロン茶を試飲させてもらう。私たちの味覚には少々薄い感じがして、
「サントリーウーロン茶」の方がいいぞなどと失礼なことを話す。お店の人に聞かれたら大変だが、日本
語は解しないようで安心。因みに五百グラムで七八〇元(日本円で約一万二千円)という。手が出ない。
帰りがけにお面を売っている店があったので、興味をそそられてひとつ購入。(続く)

城壁の堀の修復に解放軍兵士たち

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