県学労ニュース194号      99/7/28発行

98寄付受納状況(パート2)  
こんなものをなぜ受けるのか 
       愛知県教委管理課!!
 前回の工作物の寄付につづいて、今回は知事承認が必要な高額な備品の寄付について検討し
てみました。

 一番目立つのは、工作物の寄付でも問題になった刈谷高校です。今回の備品の寄付において
も、冷暖房装置10台(約340万円)、会議用机30脚(77万円)、椅子90脚(126
万円)、他に楽器が5台(146万円)、合計で689万円にもなります。維持費のかかる物
品の寄付は受けないはずだったのに、いつの間にかその原則が勝手に曲げられるようでは困り
ます。しかも会議用机、椅子などという管理用備品についても寄付を受け入れており、従来か
らの管理用物品の寄付は受けないという原則からも逸脱しています。刈谷高校の八十周年にか
かる寄付については工作物、備品を合わせると1900万円にもなります。生徒からの寄付金
集めがどのようになされたのか気になるところです。周年事業にかかる寄付については、寄付
の基本的事項を満たしていること、また経費を集める手段が強制的でないこと、私費負担軽減
の趣旨が十分考慮されていること、学校間の均衡が十分考慮されていることという基準があ
り、県教委も事前に指導することになっています。定められた基準が守られないような状況
で、はたして寄付について各学校を指導していると言えるのでしょうか?

 98年度の寄付についての問題点としては、第一に維持、管理に多額の経費がかかるものに
ついて、例えば冷暖房装置については受け入れないという基準が守られていないということで
す。

 第二に、管理用備品については受け入れないという基準が守られていないということです。
刈谷高校の他に半田高校では、机108卓(464万円)、椅子208脚(285万円)を同
窓会長から受け入れています。

 第三に周年事業、卒業生の寄付について、生徒からの寄付が自発的かつ任意のものであると
いうことが徹底されているかどうか疑わしいということです。この問題については次回、学校
で受け入れのできる物品の寄付のところでもう少し詳しく検討します。

 周年事業のたびに、学校が欲しい物を寄付してもらえるように周年事業実行委員会で動いて
いるように思われます。県教委としても周年事業にかかる寄付については金額の上限を設ける
などして、周年事業が余りに華美にならないよう指導するべきです。

 そして、もっとも大事なことは県教委自らが定め、各学校に通知した「物品の寄付受入基
準」の遵守を各学校に指導するとともに、県教委自らもこの基準に合致しない物については受
け入れないという断固たる姿勢を貫くことです。

 前回の工作物の寄付と今回の備品(知事承認分)を合わせたものの金額の多い学校は次のと
おりです。


学校名 工作物 備品(知事承認分) 寄付者
刈谷 12,100,100 6,894,900 18,995,000 80周年
半田 11,119,150 7,493,600 18,612,750 80周年
西尾 6,426,000 6,574,000 13,000,000 80周年
半田農業 10,000,000   10,000,000 100周年
起工業   9,000,000 9,000,000 21年度入学有志の会
名古屋西   8,000,000 8,000,000 非公開
渥美農業   4,950,250 4,950,250 50周年
福江 1,890,000 2,876,685 4,766,685 50周年
一宮 3,675,000 999,946 4,674,946 80周年


冬の学習合宿に80万円の旅費!
            豊田西高校

 昨年12月に行われた学習合宿の中で参加者が異常に多かった二つの学校、半田東高校と豊
田西高校について旅行命令簿、旅費請求書、週休日の振替簿等の文書を公文書公開請求により
入手し、検討したところ、なんと豊田西高校では1月分旅費937,770円のうち805,1
20円が学習合宿の旅費でした。引率者も一八人にのぼり、祝日、土曜日、日曜日を含んでい
るので週休日および休日の振替が行われており、一部生徒の参加する学習合宿の引率のために
15人もの教員が延べ42日間も代休を平常授業が行われている時にとるという本末転倒した
ことが行われています。

 今年は旅費の予算が削減され各学校とも行事の見直しなどが行われていますが、学習合宿こ
そまっ先に中止するべきです。今年も夏休み中に行われる学習合宿の調査を引き続き行います
ので、九月にはその結果を公表できると思います。






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