県学労ニュース190号      99/5/26発行
 

   県教委管理課の説明不足

いまごろ交通遺児減免書類請求で
    担当者と保護者がトラブル

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                         11 教管 第88号
                         平成11年2月12日
   平成10年度末及び平成11年度当初における授業料等減免
   事務について(通知)
1、2(1)-(4)省略
(5) 減免を承認された者の内、高等学校の入学料及び授業料の減免等取り
扱い要領の第二4(1)アに規定する交通遺児等については交通事故証明書(
写しでも可)の提出を依頼し、申請書に添付しておくこと。(証明書が得られ
ない者については、平成11年度交通遺児等授業料減免事業計画書に記載しな
いこと。また、授業料減免状況報告書は一般で整理すること。)
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    前年に交通遺児で申請してきた者で、今年度書類が不備な場合は一般で申請
するように指導した県教委管理課が、つい先日、該当者がいそうな高校に電話
で指示をしてきました。

  それは、昨年交通遺児で申請があった者に再度「交通事故証明書」を取るよ
う請求せよというものでした。

  交通遺児であることが減免の条件ではありません。上にある文書でも書類が
整わなければ一般で扱えと指示しています。

  一度は保護者に対して「揃わなければ結構です」と答えている各学校の担当
者に対し、今頃になって、事故証明書を取ってほしいと強く依頼されても困る
んです。

  ある学校では、連絡を受けて保護者に連絡をしようとしても、勤務時間中に
は相手がいないため、(片親ですから当然働いておられる)帰宅してから夕方
に相手に連絡したりしたが連絡が取れず、出勤前をねらって再度連絡をするな
ど努力しています。全く担当者泣かせの指示です。

  やっと連絡がとれても、保護者から「証明書がなければ減免が受けられない
んですか」とか、「働いていてなかなか休めないんですよ。」、「証明書は取
ってないんです。}といわれたりします。「減免を受けられる、受けられない
ということとは関係ないんですが、県から証明書を是非取ってほしいと依頼さ
れたんです。事故証明書は何年たってももらえるそうですから。」とお願いし
ます。しかし、証明書の発行に600円必要です。そして、パートであれば休
めば給料は減額です。1万円近くの減収です。

  あまり理由のわからない担当者は納得してもらえるような説明ができません。
減免基準とはなんの関係もないのですから、困ってしまいます。

 そのような話が数校から届いたので、県教委にどういう認識と意図を持って
いるのか問い合わせすることにしました。

  県教委の理由は、運輸省の監査(?)があり、他県では「交通事故証明書以
外は認めていない。愛知県内でも私立学校では事故証明を取っているというこ
とで、今年からは事故証明書がないと補助が切られるからだ」そうです。全く
県の都合でしかありません。

 ならば、各校の担当者に「県財政が危機に瀕しているので、もらえる補助金
は少しでももらいたいので、ぜひ保護者の方々にご理解いただいて、ご協力を
お願いしてください。前回の文書ではあのように書いたが、申し訳ないが協力
を願ってぜひ事故証明を取ってもらってください」とお願いすべきだろう。

  実際に保護者の皆さんに不愉快な思いをさせずにお願いしなければいけない
のは現場の職員です。電話1本で片づけられるなどと考えないでほしい。本来
は教育委員会又は管理課長名の保護者宛の依頼文を添えてお願いすべきことで
あると肝に銘じてほしい。管理課の職員諸君よ、今後慎重に対応してもらいた
い。

  なお、各職場の担当者の皆さん、事故証明は申請の必要条件ではありません
ので、保護者の皆さんが負担に感じるほど強く要求しないでください
 

  学校における
                 情報公開と個人情報保護 

 5月7日、国の情報公開法が成立しました。愛知県の条例よりも多くの進ん
だ点がありました。

 まず第一点が、請求人の制限がないことです。「何人も」請求できるように
なっています。

 次に、行政文書の範囲を、「職員が組織的に用いるものとして、当該行政機
関が保有しているもの」としています。

 ただ残念なことに、不服審査を扱う裁判所を高裁所在地の地裁でしか訴訟を
起こすことができないために、その他の地方の人々は交通費などの負担が大き
いために非公開決定に対して、意義を申し立てることが困難になってしまいま
した。

  その他いろいろの違いがありますが、今回は省略します。
 愛知県の公文書公開条例は1986年、個人情報保護条例は1992年にで
きました。そして、皆さんも知っているとおり全国ランキング最下位を二年連
続キープするという恥ずかしい結果をいただいています。

 97年2月、名古屋市内と西三河の県立学校の県外出張の文書公開を請求さ
れたときのあわてぶりをみている皆さんはどれほど情報公開にほど遠い行政か
わかっていることと思います。

  情報公開を公約に揚げた神田知事の意向で県は5月21日、「県公文書公開
条例を改正し、出張した職員名も原則的に公開する方針だ。」とマスコミに発
表しました。

  しかし、最近メールで送られてくる文書を見ると「公文書」に当たるかどう
かわかりずらいものが増えているように思えて仕方ありません。

 情報を県民に明らかにしようとしているのか、隠そうとしているのかどちら
なのでしょうか。いつまでも「知らしむべからず」などということが通るわけ
ないでしょう。国においても「行政が組織的に用い、保有している文書」を公
開するとしたのですから、考えを改めるべきです。

  逆に保護しなければいけない「個人情報」については、まだまだ保護されて
いないように思うのは私だけでしょうか。先般履歴書の整理と教職員名簿のチ
ェックをしていて、つくづく感じました。私が勤める学校では、履歴書の本籍
欄は(残しておきたいという希望がありませんでしたので)ほとんど白紙にな
っていますが、他校から転勤してきた職員の履歴書はすべて本籍欄が抹消して
ありませんでした。なぜ新規採用者の履歴書は本籍欄が消えたのか、理解され
ていないのでしょうか。理解されていれば、特に希望がない限り消えていて当
然だと思うのですが。 履歴書や教職員名簿はプライバシーの宝庫です。これ
らを見て、事務職員が、「あー、この人〇〇うまれじゃん。どこどこ大学出身
じゃん。」などと話題にするのはもってのほか。

 かく言う私も最近、本校の教員に中学校の同級生がいることを発見。大声で
話題にしてしまいましたが、本当は良くないことですよね。相手があまり知ら
れたくない過去であればなおさらですが、そんなことでなくても普通にはわか
らないことが関係ない人の口から話題になるのは不愉快なものです。他人の情
報を豊富に持っている事務職員の皆さん、くれぐれもご注意を。

  なお、勤務中の公務員の行動や氏名は、保護されるべき個人情報ではありま
せんので、勘違いされないように。      (わ)

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