県学労ニュース186号      99/3/23発行

なぜ条例制定後の交渉になるの?
休憩時間や時間外勤務は労働基本権の重要な柱だ

 今月19日に急に勤務時間の件で交渉したいと県教委から連絡がありました。休憩時間
の一斉付与や時間外勤務のことと、家族休暇の改正、セクシャル・ハラスメント防止の要
綱のことで話があるということでした。

 交渉で提示されたのは、3件でした。    
      
 一つは「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例」等の一部改正の件でした。休憩
時間の一斉付与原則の例外要件を新たに設けること、育児や介護をしている職員から請求
があった場合、深夜業の禁止や時間外勤務を年間360時間以内に制限するという内容で
す。これは労働基本法の改悪により女性保護規定が廃止されたために新たに設けられたも
のです。    

 深夜業や時間外勤務が無制限になれば、泊を伴う学校行事での養護教諭や女性の学級担
任の夜間見回りなど労働が厳しくなるなど、学校長の恣意的な命令が懸念されるという教
員組合の指摘に対して、県教委は精神面での懸念はあるが、具体的には何ら今までと変わ
らないと答えていました。変わらないならば、命令できる業務を通知など書面で明示して
ほしいと要求しました。一方的な提案で、条例改正案は既に午前中に議会で採決され、可
決成立しているという。これを認めよというのは傲慢です。勤務時間に係る条件の変更は、
労働組合と充分に交渉した後に条例化するべきで、今回の提示は認められません。   

 二つ目は、家族休暇のメニューの変更です。永年勤続職員のリフレッシュ休暇の条件に
35年在職者を増やしたことと、乳幼児検診・予防接種の対象を義務教育就学児まで拡大
したことです。小学校での集団予防接種がなくなり、
個別に主治医で予防接種をするように変更してきた結果です。        

 三つ目は、「セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する要綱」の新設についての提
示でした。「男女雇用機会均等法」の改正等に伴い、「セクシュアル・ハラスメントの防
止等」についての要綱を定めることとしたもので、学校長が職場での研修の促進や苦情相
談をするだけでなく、教職員課人事第一担当、教育センター身上・生活相談嘱託員を相談
員とするとしています。場合によっては懲戒処分もできるようになるとのことでした。県
学労は、特に考えられるのが上司や同僚の男性による性的嫌がらせが多いと思われるので、
学校長や教職員課人事第一担当では相談しにくく、教育センター身上・生活相談嘱託員を
窓口にするであろうと予想されます。ですから、センターの相談員は同性で、心のケアー
ができる専門のカウンセラーを外部から招請するよう強く要望しました。



いつまで続けるの?学習合宿

 今年も冬休みに五校の県立高校で学習合宿が行われました。

 一部の生徒のために職員が10人以上も県費旅費を使って祝日、土曜、日曜も含めて出
張するというのは、愛知県財政がピンチという時に非常識としか言い様がありません。     
 修学旅行や野外活動、遠足、社会見学というのは高校教育に必要なものであるとして指
導要領でも認められています。しかし、学習合宿は本来高校教育に求められているもので
はありません。にもかかわらず各高校は「よい大学」により多くの生徒を合格させること
が「よい教育」をやっていることだと錯覚し、そのための手段の一つとして保護者に経済
的負担を強い、生徒や職員にはただでさえ短い冬休みを返上させて学習合宿を行っている
のです。

 また、学習合宿を行っているような学校では、補習(遅れた生徒をフォローするための
ものではなく、大学進学のためのもの)も盛んに行われており、長期休業の意義が生かさ
れていません。           

 第三次行革大綱で学校現場にも事業の見直しが求められている今、学習合宿こそが一番
に廃止されるべきでしょう。

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学校名 学年 参加者  参加率 引率 日程      宿泊場所            費用
守    山 2    22    10%   2名 12.23-12.26 三河ハイツ         30,000
半田東 2  271    97%      15名 12.22-12.25 美浜少年自然の家   16,000                                 
豊田西 2  327    81%      17名 12.23-12.27 ホテルたつき   40,000
豊 野 2  206    58%   11名 12.24-12.27  NTT東海セミナーセンター
                                   30,000
時習館 2  100    28%     6名 12.23-12.26 休暇村伊良湖    30,000
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 ちなみに昨年度は6校で冬の学習合宿をやっていましたが、今年は大府東高校がやめました。(拍手!)



 

事務職員名簿注文制に!

 かねてから事務研究会が作成する事務職員名簿についていくつかの問題を提示し、昨年
3月にその解決を求めて事務研究会会長宛てに申し入れをしていました。事務研究会では
来年度から一定の改善がなされることになりました。        

 県学労が問題にしていた点は第一に、各学校事務職員数プラス1冊の事務職員名簿が一
方的に送られてくるのはおかしいという点です。今年の分から事務職員数プラス校長分1
冊を限度として注文するという形に改められました。第二に、事務職員名簿は事務研究会
の会員名簿であり、それを県費で購入するのはおかしいという点です。この点については
事務職員名簿から事務研の役員や規約を削除することにより、会員名簿という性格を無く
し、文字どおり事務職員名簿とすることとしました。これによって県費での購入の道を残
しました。しかし、県費での購入が適当かどうかは皆さん自身で判断し、良識ある購入方
法を選ばれるよう期待します。第三に部外者にこの名簿を無料で配付していた点について
は、県教委事務局にも必要数を購入してもらうことになりました。

 性別、電話番号、年令まで記入されていた昔の事務職員名簿に比べると随分すっきりと
しました。でもここまですっきりさせたのなら、もっと簡素化(例えば住所欄を廃止する)
すれば、事務研で印刷して、無料で配付したり、FDで各学校に配ることも可能です。県
民の税金で事務職員に一人一冊人購入することが必要でしょうか? 



 

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