県学労ニュースNo.184      1999/2/22発行

愛知県第三次行革大綱と行政再建
   新知事に望むこと(パート2)
 第三次行革大綱が昨年12月に策定され、この2月15日に知事に就任した
神田氏は、計画の前倒し実施を公言しています。この第三次行革大綱は、私達
の労働条件を大きく変えることになるかもしれないものです。インターネット
の愛知県のホームページに全文がありますので、職場のパソコンを使って是非
読んでみてください。
 まず、行政改革の必要性の中では「官主導の規制と誘導による行政システム
が、社会経済の成熟化の状況の中で行き詰まりの様相を呈してきており、(中
略)既存の行政システムの変革が求められている。」とか、「従来の縦割り行
政や前例主義の行政運営では、より複雑化する行政課題に的確、機動的に対応
していくことが困難となっている。」と言っています。
 また、財政についても「当面県債の活用を図らざるを得ないが、県債の充当
は投資的な経費に限られていることや将来の公債費の増嵩の問題もあり、自ず
と限界があることから、歳出構造の抜本的な改善を図ることが不可欠である」
と述べています。 にもかかわらず、一過性のイベントである愛知万博や成田、
関空の後の三番煎じの中部新国際空港建設などを財政難にもかかわらず借金を
重ねて行おうとしているのは、まさに自己矛盾です。
 その反面、行政改革を口実に民間への委託や非常勤化等をすすめ、職員の削
減、労働強化、給与抑制などを押し進めようとしています。
 調理員や用務員の委託の問題については前回触れましたが、それだけではな
く、県立高校の統廃合や入学検定料、入学料、授業料の値上げ、教職員定数の
条例化と県単職員の削減など様々な問題をはらんでいます。
 今回の行革大綱の中で言われていることは、民間への委託、事業そのものの
民営化、正規職員の非常勤職員化、受益者負担の強化、情報化などです。
 しかし、中部新国際空港など民間に任せれば、どこも採算がとれないので作
ろうとは言わないでしょう。それを何故赤字覚悟で県が旗振りをしてまで作ろ
うとするのか。
 万博もしかり。県民の税金を惜しげもなく注ぎ込み、更に借金をして万博を
開こうとしているだけではなく、万博のために愛知環状鉄道を複線化しようと
いう話があります。筆頭株主である愛知県が大きな負担をしなければできませ
ん。万博後のことを考えると誰も率先してやろうとは言いません。採算がとれ
ないからです。
 万博を開催したり、中部新国際空港を作ろうというのは、中部財界への利益
供与以外のなにものでもありません。
 職員の給料を一方的に削り、老朽校舎の改修はどんどん先延ばしにし、私学
への助成も切り下げようとしています。
 ほんとうに県民はそれを望んでいるのでしょうか。80万人の否定的意見が
出されていることを厳粛に受け止めてほしいものです。また情報化の名の下に、
ネットワークパソコンの設置や学校への教育用パソコンの大量導入、更にはイ
ンターネットの導入など「情報化」が時代の流れで、これに乗り遅れてはなら
ないと言わんばかりに税金を注ぎ込んでいます。情報機器産業の最近の不振に
対して、助け舟を出しているとしか思われません。
 前鈴木知事が中部財界やゼネコンに奉仕してきたツケが回ってきて県債の償
還に苦しんでいる今、新知事は万博、中部新国際空港を推進すると言っていま
すが、そんなことをすれば、いくら職員の給与を削ったり、私学助成を削って
も来年度以降も財政赤字は膨らむばかりで、財政再建団体への転落も危ぶまれ
ます。
 神田新知事は愛知県の財政状況をしっかりと把握し、600万県民のために
万博中止、中部新国際空港の建設中止というぐらいの勇気ある決断をするよう
期待するものです。


唐突に非常勤講師の報酬カット
 1998年度の給与改定交渉の中で翌99年度の給与カットの提案がされて
きました。
 交渉を重ねてきて、組合の合意がないまま給与カットがほぼ決まりかけてい
ます。いまもって組合からの問いかけである「長期見通し」は何も示されてい
ません。
 架空の話ですが、当局として「財政再建団体になることを避けるため、98
年度に続きこれこれの理由により、今年度限りの給与カットをするが、耐えて
ほしい。
 ついては、来年度以降の財政見通しとして、基本的に九二年の歳入をベース
にして歳出を極力抑えることとし、新規事業は当面凍結する。また、高利の県
債の償還について、東海銀行その他の引き受け金融機関と交渉して極力利率の
低減に努めます。それによって、県債の償還費が何年後にはいくらいくら減少
し、職員の給与カットなどという事態は避けられる見通しです。」ぐらいの説
明があってしかるべきでしょう。全く職員の生活を無視しています。
 ところで、先日学校長会で教育委員会から給与カットの説明があり、そこで
職員に対して周知してほしいとプリントが配られました。そこには私たち職員
の給与の3.5%、ボーナス8%カットとともに、非常勤職員の報酬2%カット
が載っていました。
 組合交渉の中でも出ていなかった非常勤職員の賃金カットを唐突に出してき
たのはどういうことだと抗議しました。
 県教委の説明では、非常勤職員の賃金カットは県立学校だけではなく、全庁
的な取り決めなので仕方ないという説明でした。 どこの職員組合にも提案す
ることなく、一方的に決めてしまうと言う、こんな不当なことが許されて良い
のでしょうか。
 それでなくとも常勤職員と大きな隔たりのある低賃金の非常勤職員は、文句
が言いにくい立場でもあります。又、原則的には一年以内の雇用ですから不利
益な状態を回復するチャンスさえないのです。非常勤職員こそ人勧で出された
官民格差0.7%を上積みして、心おきなく働いてもらうよう配慮するべきでは
ないでしょうか


県学労のホームページ開設

 県学労では、今回ネットワーク端末の稼働を記念して(なんていうのは冗談
ですが)、インターネット上にホームページを開設しました。
   現在載せているのは過去のニュースのみですが、今後中身を充実させ、たと
えば学習合宿の統計資料とか、寄付採納一覧とか、そうした基礎データもみな
さんに提供できたらと思っています。みなさんからのご意見もEメールで受け
付けますので、どんどんご意見や情報をお寄せください。

ホームページ  <http://www.asahi-net.or.jp/~xx6t-tgc/index.html>
E-mail                  xx6t-tgc@asahi-net.or.jp



県学労ニュースのトップページへ戻る
県学労のトップページへ戻る