県学労ニュース180号      98/12/24発行

マスコミ先行で賃金カットを既成事実化する
             当局の姿勢は許せない!

 12月22日、マスコミ情報が世論操作に利用される中、二度目の給与改定交渉が
開かれた。
 冒頭、第3次行革大綱が決定されたことにより、12年度までに検討することにな
った項目について説明があった。既に新聞等で報道があったので繰り返しになるかも
しれないと前置きをして、教育委員会関係でいうと県立学校の適正管理は十二年度ま
でに検討する。尾張、三河情報処理教育センターは機能を教育センターに統合、農業
教育実習所のあり方を見直し、埋蔵文化財センターは廃止、学校給食会は12年度以
降に見直すこととなったという。
 また、職員定数を10年間で4000人削減するという。その内訳は知事、警察、教育委
員会部局の事務職員で1500人、教職員で2500人減らすという。また、職員給与につい
ても、特勤手当の支給対象を11年度に見直し、旅費についても今日的状況に適合さ
せるよう変えると説明された。
 また、12月14日に組合に対して行われた財政状況説明のおり、来年度当初予算
で2550億円の歳入不足が見込まれ、県債発行で1000億、県有地売却で300億、基金取り
崩しで百億、補助金等歳出削減で1150億円を見込むとして、この歳出削減の内300億円
程度を給与抑制で捻出したいということで、給与削減プランを組合に出してほしいと
いう依頼があった。
  何故給与抑制で300億円なのか、他の方法はないのか、前回の組合側の質問に答える
ことから話がはじまった。
 まずは県債の状況について、県債の支払いが10年度で2119億5100万円、内利息支払
いで838億6500万円(39.6%)にも達している。理由は、平成4年度から国の総合経済
対策による景気浮揚策を県債の起債で行っているため、3年据え置きの平成7年度か
ら県債の償還がはじまって、急増してきたことによるという。
 民間では、それほど借金で困っていれば、安いローンに借り替えるのは当然だが、
 次に今後の大型プロジェクトのために将来にわたって、赤字財政が続くことを憂慮
して、一つは万博関連の経費について質問があった。
   右の表の通りである。当局は、単年度ごとに考えれば大した額にならないと説明し
たが、組合サイドからは他の予算での関連事業、万博終了時での赤字補填、また以後
の維持管理費や土地再利用のための整備費などを考えると莫大な経費がかかる。それ
がまた県債で行われるのだから将来必ず借金が増えていくのではないかと批判した。
  中部新空港開発で22億620万円、リニアで700万円、2010年計画に550万円を予算に組
んでいるとの説明であった。
 また、一般職員の給与を減らす前に考え直すべきではないかと指摘された管理職手
当支給率を国並み化で、9億726万円の削減になり、ボーナスの役職段階別加算の廃止
で約44億円、主任手当廃止で3億7000万円、複数教頭制廃止で1億800万円の削減とな
ることがわかった。
 給与改定交渉の中で出てきている退職特昇の国並み切り下げでの削減効果は1億7000
万円という。前記のメニューなどで十分賄える。定年後の生活設計を崩すような削減
は避けるべきだろう。
  さらに、一般職員の給与抑制を提案する前に管理職手当を国並みに下げたり、知事の
退職金返上を表明するなり、まず先に規範を示してもらいたい。
  また、左表のような給与改善提案が出されてきたが、多額の給与抑制提案がある中で、
実施する意味がわからない。すこしでも給与抑制を小さくする方が大切ではないか。
  ここ何回かの給与改定交渉や財政状況説明の次の日には当局から出された提案が翌日
の新聞にすでに決定しているかのように掲載されている。マスコミを利用した世論操
作をしていることに対して、組合側の不満が述べられ、当局は当局側から情報提供す
れば、組合との信頼関係を崩すことになり、情報をマスコミに流すことはないと答え
たが、当局からのリークとしか思えない。
  こんな形での交渉なら何も受け入れられない。



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