県学労ニュースNo.178      1998/12/4発行

安易な私費値上げをするな!

県予算の削減を父母負担へ転嫁しないで、経費真直しと予算要求で

  愛知県は予想以上の歳入の落ち込みによって財政再建団体へ落ちることが予想
されるということで、これを避けるために一般経費や未執行の補助金のカット、
職員のベースアップを凍結しようとしています。さらに来年度は三〇%もの予算
削減を計画しており、ほとんどの学校では通常の教育活動に支障をきたすことが
予想されます。
  県当局は、財政再建団体になると県債を自由に起債することができなくなり、
県の独自性は発揮できなくなると説明します。また、すべての活動は自治省の
指導の下におかれ、たとえば現在全県一律に支給されている調整手当のカット
など賃金の切り下げが行われ、愛知県単独の補助事業は全てできなくなってし
まうので理解してほしいとも説明しました。
 しかし、一方では県民の多くが必要と思っていない「海上の森」での万博開
催を、なおも数十億円もの経費をかけて準備を進めてみたり、それをはるかに
超える経費がかかる中部新国際空港の常滑沖建設のために数千億円 、何兆円が
投入されようとしています。
 これらは国の後押しのある(ということは、ゼネコン救済措置としては大き
な投資)事業であるから自治省も県債の発行を許可するだろうけれども、その
返済のために後々一〇年、二〇年と借金のために県民へのサービスを低下させ
ることになります。それこそ無駄使いだろうといえば、将来の愛知のための基
盤整備として是非とも必要だと説明されました。
 これらは借金を増やす不必要な事業であり、賛成はしないけれど、これを基
盤整備というならば、もう一つの基盤整備(将来の社会を作っていく人材の育
成のための教育)予算の確保は同じように重要です。三〇%削減などもっての
ほかです。
  こうした事態の中で、もう一つの心配が、安易なPTA会費や教育振興費、
後援会費の値上げです。県立学校全体に言えることですが、県費で買えないも
のは私費で賄おうとし、本来設置者である県が負担すべきと思える経費につい
ても、予算がなければ私費におんぶする傾向があります。
  また、そうした費用が増えれば、担当者(事務長や主査)の裁量も大きくな
って、横領等不正の温床ともなります。
  経費を見直し、私費をなくして、節約できるものはして、それでも必要な経
費は県に要求していく姿勢が肝心だと思います。


喫煙による健康被害に賠償や
              罰則が作られる世界の流れ

  今大規模改修工事が行われている学校で、休養室を作るための改修が行われ
ていますが、喫煙室の設置は積極的に推進されていません。禁煙対策は各学
校の自主的な判断に任されているためです。
  1995年に喫煙対策実施要綱が制定されて三年が経過しましたが、なかなか完
全に遮断された空間(喫煙室)での喫煙とはなっていないのが現状です。なぜ
なら、要綱では、「喫煙コーナー又は喫煙室の設置への積極的な取り組みを促
進する」とあり、安易な姿勢から副流煙が外に簡単に流れていくような喫煙コ
ーナーでも良いとしたからです。
  しかし、世界の潮流は公共の場所での喫煙は禁止が当然で、喫煙を推進して
きたたばこ会社は健康被害を与えたとして損害賠償が求められる時代です。
いつまで喫煙コーナーで済ませようとしているのでしょうか。
  また、職員室等が禁煙になると、テラスや階段の途中で吸ってみたり、生徒
の目の前で喫煙するという、生徒への喫煙防止に逆行した行動にでる教師を見
かけるようになりました。これではだめで、なぜ公共の場所でたばこを吸うこ
とがいけないかということを学んでほしいと思います。



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