県学労ニュース173号      98/9/17発行

VDT作業従事者2次検診を事務職員全員に!
 県学労は9月17日、学校事務職員の権利の拡充と労働条件の改善を求めて左記の
要求書を教育長に提出しました。
 今年度の重点要求項目は第一に、VDT作業従事者検診の充実です。 この秋から財
務端末機が更新され、端末機でインターネットや一太郎・ワードなどのワープロソフ
トが使えるほか、表計算ソフトのエクセルも使えるようになります。
 これらの機能を使うようになると今までに比べてVDT作業時間は長くなります。
 新しいシステムが入る時には、それ以前の状態とそれ以後の状態についての健康状
態のデータをとっておく必要があります。それがないと健康障害が起こった時に因果
関係がはっきりさせられず、公務災害の認定が困難になります。いままでも新規作業
従事者については2次検診の対象としてきました。今回の端末機の機能拡大に伴い全
事務職員に2次検診を受けさせることが必要です。
 第二に事務職員の定数の改善です。特に障害児学校の事務職員定数の改善は切実な
問題です。事務職員四〜五人で百人以上の職員がいたり、生徒が二百人以上いるため、
就学奨励費の認定支給事務が忙しく、慢性的な残業をしいられています。
 第三に、学校運営費の私費負担と寄付の問題です。県費では学校に必要な予算が配
分されていないため、ほとんどの学校で学校運営費や学校整備費を保護者に負担させ
ています。
 県教委は図書館の本を県へ寄付するようにと言っていますが、形の上だけで県費化
しても何ら問題解決になりません。
 県費予算の大幅増額と効率的な運用が求められています。また最近の県学労の調査
によると、PTAや同窓会からの多額の寄付が行われている学校がありました。PTAに
どうしてそんな多額の資金があるのか疑問です。
 また周年事業の際に学校も寄付金集めに奔走し、高額な施設、備品を寄付してもら
うという傾向がありますが、県立学校である以上、設置者である県が必要な予算措置
を行うべきで、安易に私費や寄付に依存することは厳に慎まなければなりません。
 最近、県の歳入が落ち込んでおり、来年度予算も厳しさが予想されますが、県費の
不足分を私費に転嫁させることのないようにしましょう。
  無駄な大型プロジェクトをやめ、その分を教育費や福祉予算に回したいものです。


金だけ出さなければ、恣意的に
                     特定グループ「日本教育会」
                                                             出張命令ができるのか?
   A高では、8月7日から尾瀬で行われた日本教育会の全国研究会への参加を出張扱い
にしていることが判明しました。
   旅費については別途支給ということで支出されていませんが、出張命令すると言うこ
とは、特定な意図を持った団体に学校の代表として参加させるということです。
   一九七五年に「県立高等学校運営費の公費・私費負担区分一覧表」が作られ、その中
の「旅費の公費・私費負担区分一覧表 」で研修講習会については「国、県、その他公
共的機関主催のもの並びに学校長が認めたもの」という取り決めをしています。
また、研究会については「国、県が承認し、かつ助成する研究団体の主催するもの」と
なっています。これには、教科教育研究会、校長会や教頭会、事務研究会などが入って
いますが、日本教育会は入っていません。
 そこで、今回の「日本教育会の全国研究会への参加 」問題を考えますと、大会が「 国、
県が承認し、かつ助成する研究団体」の主催するものに当たりませんので、研究会とし
ては命令できません。
    次に考えられるのは、研修講習会としての出張です。
    しかしながら、日本教育会は元々全国的に見れば学校の管理職の親睦団体であったよ
うですし、もとをたどれば、子どもを「天皇の赤子」として戦場に送っていた大政翼賛
会傘下の「大日本教育会」の流れを汲むものであるとも聞いています。
   また、日本教育会は会員の多くが愛知県の高校教員という構成においても、その組織
の異常さがわかるというものです。
   では、なぜ愛知県の高校教員が日本教育会にそれほどまでに加入したのでしょうか。
  一九八〇年代主任制が施行された後のように思いますが、新設校では愛知の管理教育
が全国で問題にされ始めた頃ではないでしょうか。
   校長や教頭が1人ずつ呼んでは加入を誘い、新採用者には組合(当時は愛高教のみで
した。ちなみにわたしも愛高教の組合員でした。)に入らないよう、日本教育会に入る
よう勧誘しました。その有様は熾烈なもののようでした。職場では、日本教育会も組合
の分会会議をまねて、班会議を持ったりして対立が激化しました。
 日本教育会への加入を、愛高教つぶしのため、また管理職に忠誠を誓うかどうかの踏
み絵にしてきた経過があります。
   そんな団体への参加がたとえ研修講習会に類するものであったとしても、「学校長が
認めたもの」として出張命令することは間違っていると思います。



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